あのヴァルキリーの完成間近、テストカーがモータースポーツの聖地を疾走
ヴァルキリーは、アストンマーティンとレッドブルアドバンステクノロジーズが共同開発。コスワース製6.5Lの自然吸気V12エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドハイパーカーで、車重は1000kg以下、最高出力は1160ps、パワーウエイトレシオ1.0kg/psを誇る。限定150台で生産される車両は3億円とも言われるがすでに完売、2019年後半から顧客へのデリバリーが予定されている。また。2020-2021年から新規定に移行する世界耐久選手権(WEC)に投入されることが決まっている。
ヴァルキリーの開発プロジェクトは5年前、エイドリアン・ニューウェイのスケッチからスタート。F1 譲りのテクノロジーが満載されたモデルは、コードネーム「AM-RB 001」とも呼ばれていた。ちなみに、AMはアストンマーティン、RBはレッドブルを示していた。正式名称として名付けられた「ヴァルキリー」は、戦死した勇敢な戦士をヴァルハラ(楽園)へと誘う北欧神話における戦女神の名に由来している。
シルバーストンでの走行を終えたクリス・グッドウィンは「この車をシルバーストン近くのアストンマーティンレッドブルレーシングのシミュレーターで走らせてきました。まだまだ多くの開発作業が必要ですが、実際にシルバーストンで ヴァルキリーをドライブするのは、本当に特別な経験でした。スタンドから見てくれた人たちが私と同じくらい楽しんでくれたことを願っています」とコメントしている。
また、ヴァルキリー誕生の立役者というべきエイドリアン・ニューウェイ(レッドブルレーシングの最高技術責任者)は「私がこの車の外観をスケッチし始めてから5年後に、ヴァルキリーが実際に走り始めました。ヴァルキリーが実際に走行する姿は感動的でした。モータースポーツの聖地でこのクルマを走らせたのは特別な瞬間でした」と語っている。
ヴァルキリーは世界的に見ても希有な革命的なマシンで、シルバーストンサーキットに集まった観客は「アストンマーティン ヴァルキリー」の登場に大興奮。アストンマーティンのワークスドライバー、クリス・グッドウィンによってそのポンテシャルの一端がついに披露されたことになった。
さらにヴァルキリーにはサーキット専用モデル「AMRプロ」が25台用意されている(こちらもすでに完売)。公道仕様車よりもさらにパフォーマンスアップが図られており、最高出力は1100ps以上、車両重量は1000kgとなっている。その完成はWEC参戦前の2020年を予定している。