SUV「ルック」じゃない。FFでも、悪路走行性能を高める機能を揃える
2019年で創業100周年を迎えたシトロエンはブランド初となるSUV、C5エアクロスSUVを同年5月に発売していた。個性あふれる外観はもちろんだが、シトロエンらしい魔法の絨毯のような乗り心地はユーザーから好評を得ているという。
このモデルはCセグメントという比較的コンパクトなジャンルであるのだが、1850mmという全幅から、日本市場から「もっと小さいほうがいい」という声も聞こえてきそうなサイズ感。そんな意見を見越してか、ボディサイズをひと回りり小さくした「C3エアクロスSUV」が、シトロエンブランドSUVの第二弾として2019年7月16日に発表された。
C5エアクロスSUVの押し出し感&威圧感の強いデザインから打って変わって、優しさや可愛らしさすら感じられる柔和なデザインを持つC3エアクロスSUV。コンセプトはそのままというイメージなのに、与えられたキャラクターは大きく違うようだ。
ボディサイズは全長4160×全幅1765×全高1630(C5エアクロスSUVは全長4500×全幅1850×全高1710mm)とコンパクト。ボディの大型化しつつあるSUVジャンルにおいて、このサイズ感は嬉しいところ。ホイールベースも2605mmと日本の道路環境でも取り回しやすそうである。車輌重量は1270kg~。110ps/205Nmを発生する1.2L 直3ターボエンジン+6速ATの組み合わせによって、WLTCモード燃費は14.7km/Lと良好だ。
超がつくほど個性的なエクステリアデザインだが、インテリアもやっぱり個性的。なかでも「SHINE」グレードはこれでもかというほど大きく設定されたパノラミックサンルーフや、コクピットからシートまでアクセントカラーを散りばめられたの明るくポップなデザインを持つ。また、最大150mmのシートスライドによるアレンジや、クラストップレベルのラゲッジスペースを備えるなど、ユーティリティの高さもひかる。
ちなみにこのSUVは二輪駆動、FFだ。しかし、これを理由に「都会派」と決めつけてしまうのは早計と言えそうだ。
というのもSHINEグレードのパッケージとして、スノーモードやマッドモード、サンドモードなど路面状況に応じてトラクションを最適化する先進のトラクションコントロール機能「グリップコントロール」を搭載し、さらに5%以上の下り坂で30km/h以内に自動コントロールする「ヒルディセントコントロール」も採用しているからだ。重量増やフリクション増など、燃費悪化の要因となりうる四輪駆動とせず、FFのまま走破性能を高めているのである。
グレード展開は3つあり、車両価格(税込8%)はそれぞれ「フィール(FEEL):259万円」と「シャイン(SHINE):274万円」、「シャイン パッケージ(SHINE PACKAGE):297万円」。いずれも1.2L 直3ターボ+6速ATを搭載する。