ほぼワンオフの形で個性的な20台が生産されたと言われている
セストエレメント(Sesto Elemento)とは、「6番目の元素」つまり「炭素=カーボン」のこと。ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラをベースに、カーボンに徹底的にこだわって、ほぼワンオフのような形で生産されたようだ。
当初は市販される予定はなく、顧客からの要望に応える形で市販化が決定。生産台数はわずか20台に限定されたが、明確に車両価格が公表されないまますぐに完売。一応265万ユーロ(当時の為替で約3億円)がベースとされていたが、その仕様は顧客のオーダーによって1台1台大きく異なっていたようだ。
ボディ外板はもちろんカーボンで、そのデザインはランボルギーニらしい攻撃的なもの。ホイールやエキゾースト、ブレーキシステムなど、考えられるものすべてがカーボンとなっており、その独特のマットな質感が凄みを演出している。
セストエレメントはサーキット専用モデルとして開発されており、インテリアに無駄な装備はまったくなく、カーボンパネルがむき出しの、高級感とは対照的なレーシング仕様としていることも魅力となっている。
徹底したカーボン仕様とすることで軽量化を実現したのもポイントで、車両重量は実に999kgまでダイエット。0→100km/h加速は2.5秒(ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラは3.4秒)まで短縮、最高速は330km/hを誇った。
ランボルギーニにとっていまやカーボンはコア技術のひとつになっているが、セストエレメントの開発は「ランボルギーニ=カーボン」の印象を決定づけたとも言えるだろう。
ランボルギーニ セストエレメント
Lamborghini Sesto Elemento (2010)
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:999kg
●エンジン:5204cc V型10気筒 DOHC 40バルブ
●最高出力:570ps(419kW)/8000rpm
●最大トルク:540Nm/6500rpm
●トランスミッション:6速セミAT
●駆動方式:4WD
●最高速度:330km/h
●0→100km/h加速:2.5秒