2010年のパリサロンで公開された「セストエレメント」はいまなお謎めいた部分が多いスペシャルモデル。限定20台が生産されたと言われているが、サーキット走行専用モデルであることもあって確認されている車両は少なく、イベントでは様々な個性的な仕様が披露されていることで多くの憶測も広がっている。コレクターアイテムとしてもいまなお人気が高く、高額で取引されていることでも有名だ。

ほぼワンオフの形で個性的な20台が生産されたと言われている

セストエレメント(Sesto Elemento)とは、「6番目の元素」つまり「炭素=カーボン」のこと。ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラをベースに、カーボンに徹底的にこだわって、ほぼワンオフのような形で生産されたようだ。

当初は市販される予定はなく、顧客からの要望に応える形で市販化が決定。生産台数はわずか20台に限定されたが、明確に車両価格が公表されないまますぐに完売。一応265万ユーロ(当時の為替で約3億円)がベースとされていたが、その仕様は顧客のオーダーによって1台1台大きく異なっていたようだ。

ボディ外板はもちろんカーボンで、そのデザインはランボルギーニらしい攻撃的なもの。ホイールやエキゾースト、ブレーキシステムなど、考えられるものすべてがカーボンとなっており、その独特のマットな質感が凄みを演出している。

画像: ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラがベースと言われたが、デザインはまったくの別物、価格もアピアランスも破天荒だった。

ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラがベースと言われたが、デザインはまったくの別物、価格もアピアランスも破天荒だった。

セストエレメントはサーキット専用モデルとして開発されており、インテリアに無駄な装備はまったくなく、カーボンパネルがむき出しの、高級感とは対照的なレーシング仕様としていることも魅力となっている。

徹底したカーボン仕様とすることで軽量化を実現したのもポイントで、車両重量は実に999kgまでダイエット。0→100km/h加速は2.5秒(ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラは3.4秒)まで短縮、最高速は330km/hを誇った。

ランボルギーニにとっていまやカーボンはコア技術のひとつになっているが、セストエレメントの開発は「ランボルギーニ=カーボン」の印象を決定づけたとも言えるだろう。

ランボルギーニの限定車のバックナンバー

ランボルギーニ セストエレメント
Lamborghini Sesto Elemento (2010)

●ホイールベース:2560mm
●車両重量:999kg
●エンジン:5204cc V型10気筒 DOHC 40バルブ
●最高出力:570ps(419kW)/8000rpm
●最大トルク:540Nm/6500rpm
●トランスミッション:6速セミAT
●駆動方式:4WD
●最高速度:330km/h
●0→100km/h加速:2.5秒

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