日本人にとってGT-Rが特別の存在であるのと同様、アメリカ人にとってコルベットは特別な存在である。去る7月19日の正式発表を待たず、現地の自動車メディアは新型コルベット・スティングレイ(C8型クーペ/タルガトップ)の話題で持ちきり。ファンサイトでは、1年以上前から設計図面(CAD)が流出するなど「祭り」が繰り広げられてきた。
そして迎えた発表会。閉会後の囲み取材でシボレーの上級幹部が、すでに今年度の生産割当台数を上回るほどの事前受注があり、その数は刻々と積み上がっているとコメントしたという。
そんな人気にさらに火をつけるべく、クーペC8の発表と時を同じくして、今年秋に発表予定の「C8コンバーチブル」と、レーシングモデル「C8.R」のティーザー画像が早くもシボレーの公式Webサイト(本国)で公開されている。
動画では、サーキットを駆ける「C8.R」の姿(ただしカモフラージュされている)と、専用キャビン形状が採用された「C8コンバーチブル」(こちらは偽装なしのスッピン)のスチールが紹介されている。通常、新型車が発表されてその派生車が公開されるまでに最短でも半年以上かかるものだが、今回はほぼ同時。ハードトップクーペの受注が好調なことから、異例の早さでの公開となったのだろう。
ちなみに、「C8.R」のエンジンには6.2LのV8NA(OHV)ではなく、新開発された5.5LのV8DOHCツインターボが搭載されているという情報もある。その最高出力は850psオーバー、最大トルクも97.0kgmに迫るという。そしてそのエンジンをデチューンして搭載するのが、数年の内に登場すると思われる最高峰グレードの「ZR1」だ。さらに同時期には、前輪をモーターで駆動するHV(もしくはPHV)の発売も検討されているという情報もある。
クーペ(タルガトップ)、コンバーチブルの2ボディタイプ、さらに新世代V8ツインターボ搭載のレーシングモデルとその直系ロードカーであるZR1、そして電動技術を採り入れた4WD車など、新世代コルベットには、まだまだサプライズが目白押しだ。
C8コルベットには、日本や英国市場圏をターゲットにした初の右ハンドルモデルも設定される。本国で盛り上がるのは大いに結構なことだが、その煽りを受けて国内市場導入が遅れなければよいのだけれど…。