「シンガポールは不利」の下馬評覆し、フェラーリが3連勝を飾る
フェラーリがシンガポールGPで、「まさかの」1-2フィニッシュを飾った。
フェラーリは後半戦に入ってルクレールが2連勝中だったものの、シーズン前半戦にダウンフォースが重視されるテクニカルコースで苦戦していたため、ストリートサーキットのシンガポールで優勝を予想する者は「皆無」と言ってもいい状況だった。
しかし、予選でルクレールが3戦連続のポールポジション、ヴェッテルも3位と好ポジションを獲得すると、レースでもがっちり主導権をキープ。早めのタイヤ交換が功を奏したヴェッテルが首位に立ち、2位に落ちたルクレールがそのチーム戦略に無線で不満を漏らすひと幕はあったものの、3回のセーフティカー導入にも動ずることなくチーム3連勝のチェッカーに飛び込んだ。
メルセデスAMGのルイス・ハミルトンは第1スティントを伸ばしたタイヤ戦略が裏目に出て4位に終わった。ヴェッテルは昨年のベルギーGP以来、1年2カ月ぶりの優勝。フェラーリが苦手サーキットを克服したことで、シーズン終盤戦の戦いはさらに緊迫感を増すことになりそうだ。
レッドブル&フェルスタッペン表彰台獲得も見せ場なく終わる
一方、得意のシンガポールGPで今季3勝目を狙っていたマックス・フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは見せ場なく終わった。
フェルスタッペンは予選4位からヴェッテルと同じく早めのタイヤ交換で3番手に浮上したものの、オーバーテイクが難しいマリーナベイ・サーキットで前を行くフェラーリ2台に仕掛けることすらできなかった。なんとか表彰台の一角に食い込むのが精一杯だった。
得意のはずの低速コースで、予選、そしてレースともに、速さでフェラーリとメルセデスに遅れをとり、3番手となった現実は重い。3週間後に迫った鈴鹿サーキットでの日本GPに向けてどのように立て直すか、次戦第16戦ロシアGPは連戦となるため多くのことはできそうにないが、ここからさらなるパフォーマンスアップが求められる。
そのロシアGPは、9月29日、2014年冬季オリンピックが開催された黒海のリゾートタウン、ソチにある「ソチ・オートドローム」で開催される。
2019 F1第15戦シンガポールGP決勝 結果
優勝 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)61周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+2.641s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+3.821s
4位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+4.608s
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+6.119s
6位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+11.663s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+14.769s
8位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)+15.547s
9位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+16.718s
10位99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・フェラーリ)+27.855s
15位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)
2019 F1ドライバーズスタンディング
1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)296
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)231
3位 C.ルクレール(フェラーリ)200
4位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)200
5位 S.ヴェッテル(フェラーリ)194
6位 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 69
2019 F1コンストラクターズスタンディング
1位 メルセデスAMG 527
2位 フェラーリ 394
3位 レッドブル・ホンダ 289
4位 マクラーレン・ルノー 89
5位 ルノー 67
6位 トロロッソ・ホンダ 55