2019年10月11日、F1第17戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕する。今年の日本GPはどんなレースになるのか。鈴鹿サーキットのコース、タイヤ戦略の分析をまじえて、その戦いを予想してみよう。折しも、台風の接近が予想されており、その影響も見逃せないところだ。(写真は2018年の日本GP)

ここ数年、鈴鹿ではメルセデスAMGが好調

日本GPの舞台となる鈴鹿サーキットは、F1での平均速度が211km/hと高く、1周のうち66%がフルスロットルになると言われる。100㎞/h以下で通過するものはヘアピンのみで、ハンドルを動かす必要がないストレート部分は少ないが、300km/hで通過する130Rもあるなど、単純な超高速コースではなく、「テクニカルな高速コース」となっている。最高速を記録するのは、1コーナー手前ではなく最終シケイン入り口。ブレーキを使う部分は少なく、タイヤへの横方向の負荷が大きいのが特徴となる。

名物コーナーは、セットアップが重要となるS字、特に難しいと言われる複合コーナーのデグナー、タイヤに負担がかかるスプーン、超高速コーナーの130Rなど、数多い。コース幅が狭くオーバーテイクは簡単ではないが、1コーナー、ヘアピン、シケインが主なオーバーテイクポイントとなる。

雨が降る可能性が高いのも特徴で、F1グランプリも何度か雨の影響を受けている。今年も台風の接近で悪天候が予想されている。チームとしては頭の痛いところだろう。

ここ数年、鈴鹿ではメルセデスAMGが圧倒的な速さを見せているが、今年のメルセデスAMGはチャンピオンシップに向けて危険を犯す必要はない状況。また、直近のレースではフェラーリが好調で鈴鹿でも速そうだが、ヴェッテルとルクレールの関係は微妙で、個人タイトルの可能性がなくなった二人のバトルがどうなるか興味深い。そこにレッドブル・ホンダがつけ入るチャンスが出てきそうだ。

すでにレッドブル・ホンダはパワーユニット交換によるグリッドペナルティを消化し、日本GPに向けて準備万端。エクソンモービルも新しい燃料を開発してバックアップ、山本尚貴がフリー走行でチームにどんな走りでチームに貴重なデータをもたらすかも見ものだ。金曜日、土曜日のフリー走行が雨がらみになると、データの少ない一発勝負の決勝レースで大きな波乱があるかもしれない。

ちなみに、昨年2018年の日本GPはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が優勝している。決勝レースが行われた日曜日は、朝から晴天に恵まれて気温が上がりタイヤをマネージメントが鍵となったが、ポールのハミルトンはソフトタイヤでレースをリードすると、24周目にミディアムタイヤに履き替えてトップのままコースに戻り、後続を寄せ付けず独走で53周を走り切っている。トロロッソ・ホンダは予選で6、7番手に入るも、決勝レースではガスリーが11位、ハートレーが13位でノーポイントに終わった。

2018年 日本GP 予選結果(参考)

1位 44 L.ハミルトン メルセデスAMG 1:27.760
2位 77 V.ボッタス メルセデスAMG 1:28.059
3位 33 M.フェルスタッペン レッドブル 1:29.057
4位 7 K.ライコネン フェラーリ 1:29.521
5位 8 R.グロージャン ハース 1:29.761

2018年 日本GP 決勝結果(参考)

優勝 44 L.ハミルトン メルセデスAMG
2位 77 V.ボッタス メルセデスAMG
3位 33 M.フェルスタッペン レッドブル
4位 3 D.リカルド レッドブル
5位 7 K.ライコネン フェラーリ

画像: 鈴鹿サーキットのコース図。3〜7コーナーが「S字」、8〜9コナーが「デグナー」。15コーナーは「130R」と呼ばれる。

鈴鹿サーキットのコース図。3〜7コーナーが「S字」、8〜9コナーが「デグナー」。15コーナーは「130R」と呼ばれる。

タイヤを供給するピレリは、日本GP開幕にあたって「鈴鹿はF1カレンダーの中でドライバーとファンの両方から最も人気のあるサーキットのひとつです。コースはタフでタイヤに大きな負荷がかかりますし、鈴鹿のアスファルトは摩耗性が高く、130Rやスプーンなどの長くて速いコーナーでは横方向の大きな力がかかることもあり、タイヤの摩耗と劣化に注意しなければなりません。そこでピレリは最も硬いタイヤの組み合わせを準備しました。今年用意したコンパウンドは、昨年選ばれたミディアム、ソフト、スーパーソフトのタイヤよりも一段ハードです。これにより、ドライバーはタイヤを労りながらワンストップ戦略を行うのではなく、すべてのスティント中に最大限にプッシュできるようになるはずです。昨年の日本GPではメルセデスのルイス・ハミルトンがソフトからミディアムへのワンストップで優勝しました。チームメイトのバルテリ・ボッタスも同じ戦略で2位になりましたが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンはスーパーソフトからソフトという戦略を選択して3位に入りました。鈴鹿はラップタイムとコース長さは偶然にもソチと似ていますが、2つのトラックの性質と特性は大きく異なっています。また、鈴鹿は天候が変化することでも有名なので、雨が降っても驚くことではありません。この時期に台風が発生する可能性があります。雨はしばしば、敷設されたゴムを洗い流すことでコースをリセットしてしまいます」と分析している。

F1第17戦日本GPは、10月11日金曜日10時からのフリー走行1回目で開幕、予選は10月12日15時、決勝は10月13日14時10分に開始される。

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