F1第17戦日本GP、ボッタスが戦略どおりの今季3勝目、フェルスタッペンは不運な接触でリタイア【モータースポーツ】

2019-10-14

Webモーターマガジン編集部 @ Webモーターマガジン

2019年10月13日、F1第17戦日本GPの予選、決勝が鈴鹿サーキットで行われ、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがシーズン3勝目を挙げた。フェラーリのセバスチャン・ヴェッテルが2位。メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが3位とファステストラップポイント1点を獲得し、メルセデスAMGのコンストラクターズ選手権6連覇が決まった。ホンダ勢はレッドブルのアレクサンダー・アルボンの4位が最高位。トロロッソのピエール・ガスリーが8位、ダニール・クビアトが12位。レッドブルのマックス・フェルスタッペンはリタイアに終わった。（写真はシーズン3勝目をあげたバルテリ・ボッタス）

まさかの接触でフェルスタッペンは後退

　台風19号の影響で予選と決勝を日曜日の午前と午後で行なう異例のスケジュールとなった今年の日本GP。台風一過の快晴の下で行われた決勝は、スタート直後、スタンドの大歓声が悲鳴に変わった。

日本のファンの期待を一身に背負って、予選5位から好スタートを見せたフェルスタッペンが、ターン2の出口でアウト側にはらんでいたフェラーリのシャルル・ルクレールと接触。コース外に押し出される形となったフェルスタッペンはスピン。一方、ルクレールも痛めたフロントウイングのパーツを撒き散らしながら走行したのち、ピットインし上位争いから脱落する。　　

フェルスタッペンの方はなんとかそのまま走り続けていたが、マシンのダメージでダウンフォースのバランスが崩れ、タイヤにもフラットスポットができてペースが上がらず、14周目にピットインしてそのまま無念のリタイアとなってしまった。

レース後、審査委員会はこの接触を審議し、ルクレールにフェルスタッペンとの接触に対し責任があるとして5秒のタイムペナルティとペナルティポイント2、ダメージを受けたマシンで走り続けて他のクルマを危険に晒したとしてさらにルクレールに10秒のタイムペナルティとフェラーリに対し2万5000ユーロの罰金を科したが、フェルスタッペンにとっては後の祭りでしかなかった。

画像: 決勝スタートの1〜2コーナー。このあと、ゼッケン16のシャルル・ルクレール（フェラーリ）とレッドブルのマックス・フェルスタッペン（ゼッケン5のヴェッテルの後方）が接触。 — 決勝スタートの1〜2コーナー。このあと、ゼッケン16のシャルル・ルクレール（フェラーリ）とレッドブルのマックス・フェルスタッペン（ゼッケン5のヴェッテルの後方）が接触。

完璧なチームプレイでメルセデスAMGがコンストラクターズ選手権6連覇達成

優勝争いのポイントは決勝スタートにあった。午前の予選でポールポジションを獲得していたヴェッテルが、スタートでフライング気味に動き出す。すぐにクルマを止めたため「許容範囲」とお咎めはなかったものの、これで予選3番手のボッタスに先行される形になってしまう。

主導権を奪ったメルセデスAMGはハミルトンの1回目のピットストップを遅らせるなどしてヴェッテルに揺さぶりをかけ、ボッタスは悠々と首位を快走する。レース中盤に1-2体制を築いた2台のメルセデスAMGはその後ボッタスのピットインのタイミングで順位を入れ替える局面もあったが、終盤には3番手に後退することを承知の上でハミルトンが2回目のピットストップを敢行。スタートから主導権を握っていたボッタスの優勝を予定通りに確定させた。

ハミルトンは3位に終わったが、最終スティントのソフトタイヤでこちらも狙い通りのファステストタップ＝1ポイントを獲得。これでメルセデスの6年連続のコンストラクターズ選手権制覇が決定した。ヴェッテルがなんとか2位を確保したものの、決勝フロントロウを独占したフェラーリにとって、またも不本意なレースとなった。

F1世界選手権も2019年シーズン残り4戦、次戦第18戦メキシコGPは、10月27日、メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。

画像: 予選3番手からスタートでトップに立ち、今季3勝目をあげたメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。 — 予選3番手からスタートでトップに立ち、今季3勝目をあげたメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。

F1第17戦日本GP 予選結果

1位 5 S.ヴェッテル（フェラーリ） 1:27.064
2位 16 C.ルクレール（フェラーリ）1:27.253
3位 77 V.ボッタス（メルセデスAMG） 1:27.293
4位 44 L.ハミルトン（メルセデスAMG） 1:27.302
5位 33 M.フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ） 1:27.851
6位 23 A.アルボン（レッドブル・ホンダ）1:27.851
7位 55 C.サインツ（マクラーレン・ルノー） 1:28.304
8位4 L.ノリス（マクラーレン・ルノー） 1:28.464
9位 10 P.ガスリー（トロロッソ・ホンダ）1:28.836
10位 8 R.グロージャン（ハース・フェラーリ） 1:33.517

14位 26 D.クビアト（トロロッソ・ホンダ）

2019 F1第17戦日本GP決勝結果

優勝 77 V.ボッタス（メルセデスAMG）52周
2位 5 S.ヴェッテル（フェラーリ）+13.343s
3位 44 L.ハミルトン（メルセデスAMG）+13.858s
4位 23 A.アルボン（レッドブル・ホンダ）+59.537s
5位 55 C.サインツ（マクラーレン・ルノー）+69.101s
6位 3 D.リカルド（ルノー）+1周
7位16 C.ルクレール（フェラーリ）+1周
8位 10 P.ガスリー（トロロッソ・ホンダ） +1周
9位 11 S.ペレス（レーシングポイント・メルセデス）+1周
10位 27 N.ヒュルケンベルグ（ルノー）+1周

12位 26 D.クビアト（トロロッソ・ホンダ）+1周
リタイア 33 M.フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）　