2019年11月30日、F1第21戦アブダビGP予選がヤスマリーナサーキットで行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは予選3番手ながら、バルテリ・ボッタスのグリッド降格によりフロントロウを確保、チームメイトのアレクサンダー・アルボンも同じく予選6番手で5番グリッドからスタートする。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは12番手(11番グリッド)、ダニール・クビアトは14番手(13番グリッド)につけた。

ハミルトンのポールポジションはドイツGP以来

陽が傾き、気温が下がり始める夕刻。予選はパワーユニット交換のためバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)の最後尾スタートが決まっている状況で始まった。

メルセデスAMG、レッドブル・ホンダ、フェラーリの3強の戦いは、メルセデスAMGがリードする形で展開、これにマクラーレン・ルノー、ルノー、トロロッソ・ホンダが続く。やはりアブダビではメルセデスAMGが速い。

この流れは予選Q1からQ3まで変わらず、Q3では1回目のアタックでトップに立っていたハミルトンが、最後にさらにタイムを縮めてポールポジションを獲得した。なお2番手にはボッタスが入ったがすでに最後尾降格が確定しているため、後続のスタートポジションはすべてひとつずつ繰り上がる。また、Q3ではコースインが遅れたフェラーリのシャルル・ルクレールがタイムアタックに間に合わないという事件も起きた。

レッドブル・ホンダの2台は揃って、決勝スタートタイヤが決定する予選Q2でミディアムタイヤを選択しながら、問題なくQ3に進出。フェルスタッペンはハミルトンにわずか0.3秒及ばず、予選3番手、決勝はフロントロウの2番グリッドからのスタートすることになった。一方、アレクサンダー・アルボンは予選Q3を6番手で終え、決勝は5番グリッドスタートとなる。

トロロッソ・ホンダの2台は、マクレーン・ルノーとルノーと激戦を繰り広げたもののQ2で敗退、ピエール・ガスリーは予選12番手、ダニール・クビアトは14番手となった。ただ、決勝スタートグリッドはひとつ繰り上がり、またタイヤ選択の自由を得て、アドバンテージのある形でスタートする。

画像: 安定した走りを見せてポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。

安定した走りを見せてポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。

画像: フロントロウを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。チャンスは大いにある。

フロントロウを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。チャンスは大いにある。

ホンダの田辺豊治 F1テクニカルディレクターは「予選ではフェルスタッペン選手が力強い走りを見せ、3番手のタイムを出しました。明日はボッタス選手のグリッドペナルティにより、フロントローからスタートできる形になります。アルボン選手も確実に6番手タイムを記録して5番グリッドを確保し、我々にとっては期待が持てる予選結果になりました。トロロッソについては2台ともにQ3進出を逃しましたが、11番、13番グリッドと、スタートタイヤを選択できるポジションで、レース戦略を立てる上ではアドバンテージがある位置からのスタートになります。今シーズン最後のレースになります。悔いを残さないようベストなパフォーマンスを発揮し、いい結果とともにシーズンを締めくくれられればと思います」とコメント。ホンダ勢のドライバー4人は次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選3番手、決勝2番グリッドスタート。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選3番手、決勝2番グリッドスタート。

「予選結果には満足していますし、マシンからすべての実力を引き出せました。もちろんいつもライバルの前で終わりたいですし、そうでなくてもポールポジションに近い位置にいたいと思っていますが、今日についてはこれが僕らのベストを尽くした結果でした。それぞれのチームに得意不得意なサーキットがありますが、ここについてはメルセデスが速いサーキットで、僕たちのマシンは最終セクターで少しだけ苦しんでいるように感じています。ボッタス選手のペナルティにより明日はフロントロウからのスタートになりますが、僕たちにとってはいい形になると思います。ここはオーバーテイクが難しいのでスタートが重要になりますが、長いレースになるので、いつもと同じように勝利を目指して戦います」

アレクサンダー・アルボン

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選6番手、決勝5番グリッドスタート。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選6番手、決勝5番グリッドスタート。

「僕にとっては平凡な予選となってしまいました。満足のいく結果ではありません。Q1の最初から苦戦して、十分な力を発揮できなかったのでフラストレーションが溜まっています。予選は路面がスリッピーで難しかったのですが、決勝は問題ないと思います。メルセデスはアブダビで速いので、決勝は手強い相手になるでしょう。ボッタス選手は後方から追い上げてくると思うので、僕たちはいいスタートを切らなければいけません。タイヤの消耗が激しそうなのでミディアムタイヤでスタートすることにしました。そんな中でヴェッテル選手はソフトタイヤでスタートするので、どうなるか楽しみです。全力で取り組み、いい結果を残したいです」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。予選12番手、決勝11番グリッドスタート。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。予選12番手、決勝11番グリッドスタート。

「ほかの走行セッションと比べると、難しいコンディションでの予選となりました。マシンがスライドしてしまい、午前中ほどの速さありませんでした。このあと解析を行いますが、スタートタイヤが選択できるので11番手からのスタートは悪くはありません。ソフトタイヤでの磨耗が思ったよりも激しかったので、ロングランでのペースを活かして決勝レースを戦いたいと思っています」

ダニール・クビアト

画像: ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。予選14番手、決勝13番グリッドスタート。

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。予選14番手、決勝13番グリッドスタート。

「予選ではマシンがスライドしてしまい、あまりいい状態での走行ではありませんでした。なかなかいいグリップが得られず、いまいちマシンのベストな状態をつかむことができませんでした。しっかり走れたのはQ2の最初のラップのみで、そのほかのラップはいい感触を得られませんでした。決勝では改善していることを願っています。レースは戦略で左右されるため、予選とは違う戦い方ができます。上手くはまれば、ポジションをあげるチャンスがあると思っています」

なお、タイヤを供給するピレリは、アブダビGP決勝について「いろいろな戦術が見られるでしょう。最適な戦略はワンストップとなるでしょうが、いくつかの興味深いバリエーションが考えられます。ソフトタイヤでスタートし7周から14周でハードタイヤに交換する戦略がベストですが、ミディアムタイヤでスタートし10周から18周でハードタイヤに交換する戦略する戦略は状況に応じて幅を持たせることができます。2ストッパーも計算上はほぼ同じ速さとなりますが、追い越しが難しいトラックでトラフィックを通過する問題があるため好まれないでしょう。トラフィックは戦略とレース結果に大きな影響を与える可能性があります。そんな中、セバスチャン・ヴェッテル選手(フェラーリ)がQ2でソフトタイヤを選択して、他のフロントランナーとは異なるアプローチを取ったのは興味深いところです。戦いはすでに始まっています。 グリッドのトップ10の大部分を占めるソフトランナーはスタート時は速いはずです。 ラップで0.5秒違えば。興味深いミックスを提供します」と分析している。

画像: ピレリが推奨するアブダビGPのタイヤ戦略。

ピレリが推奨するアブダビGPのタイヤ戦略。

F1第21戦アブダビGP決勝は12月1日17時10分(日本時間22時10分)にスタートする。

F1第21戦アブダビGP予選結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:34.779
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:34.973
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:35.139
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:35.219
5位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:35.339
6位 23 A.アルボン(レッドブル・ホンダ) 1:35.682
7位4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー) 1:36.436
8位 3 D.リカルド(ルノー) 1:36.456
9位 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) 1:36.459
10位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー) 1:36.710

12位 10 P.ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
14位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)  

※V.ボッタス(メルセデスAMG)はパワーユニットエレメント交換のため5グリッド降格、D.クビアトは予選走行できず、D.クビアトとR.クビサ(ウイリアムズ・メルセデス)はパワーユニットのエレメント複数交換のため後方スタート。

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