0→100km/h加速は2.7秒、最高速度は330km/h!
現行型のポルシェ911は、タイプ992と呼ばれる8代目にあたる。2019年11月にカレラSとカレラ4Sが発表され、その後カレラSカブリオレ/カレラ4Sカブリオレ、そしてベースモデルのカレラ/カレラ4が発表された。今回発表された911ターボS/911ターボS カブリオレは、タイプ992のトップエンドモデルとなる。
最新の911シリーズはすべてターボエンジンを搭載するが、そのなかでもターボSはまったく新しいエンジンを搭載するモデル。3.8Lの水平対向6気筒エンジンの給気冷却システムは新設計され、電動調整可能なウエストゲートフラップを備えた対称レイアウトの新しい大型VTG(可変ジオメトリー)ターボチャージャー、および応答性/出力/トルク特性/エミッション挙動/吹け上がり性能に関するクルマの特性を大幅に改善するピエゾインジェクターを使用している。
またエアインテークシステムは全体の断面積を大きく、それでいて空気抵抗の小さな4つの導入口を備えてエンジン効率の向上を助けている。対称に配された2基の大型VTGターボは、コンプレッサーとタービンホイールは反対方向に回転する。タービンホイールの直径55mm(従来比+5mm)、コンプレッサーホイールの直径61mm(同+3mm)に拡大され、ウエストゲートはステッピングモーターで電気的に制御される。
これらの改良により、最高出力は従来型より70psアップした650ps、最大トルクは50Nmアップした800Nmを発生。ターボ専用の8速DCTを組み合わされて、0→100km/h加速は2.7秒(カブリオレで2.8秒)、最高速は330km/hに達する。駆動方式は4WDだが、ポルシェトラクションマネジメントにより前輪に最大500Nmのトルクが供給される。
ハイパフォーマンスに合わせてボディサイズも大幅に拡大されている。全幅はフロントアクスル上部で1840mm(カレラ比+45mm)、リアアクスル上部で1900mm(同+20mm)ある。トレッドもフロントが42mm、リアが10mmワイドになった。アダプティブエアロダイナミクスにはフロントの制御式クーリングエアフラップが含まれ、再設計された大型のリアウイングとともに、ダウンフォースを15%強化している。タイヤは、フロント255/35R20、リア315/30R21を装着。
こうしたトレッドの変更、エアロダイナミクスの改善、およびサイズの異なる新しいタイヤ構成で、俊敏性とスポーツ性が向上させている。さらに、車高を10mm低くするポルシェ アクティブ サスペンション マネジメント(PASM)スポーツシャシや、調節可能なフラップを備えたスポーツエグゾーストシステムなどはオプション設定され、911ターボSのスポーティなイメージを強調する。
エクステリアでは、よりワイドなエアインテーク、デュアルフロントライトモジュール、標準装備のダークインサート付きLEDマトリックスヘッドライトが911ターボ特有の外観を備える。エアインテークを備えたリアウイングセクションはターボSの流線型ボディを強調し、ハイグロスブラックのターボスタイル角型テールパイプを備えた新しいリアエンドが、リアビューを引き立てている。
インテリアはフルレザーで、ライトシルバーのアクセントを組み合わせたカーボントリムが含まれる。18ウェイのスポーツシートは初代911ターボ(タイプ930)をオマージュするステッチを施されている。メーターのセンターディスプレイは10.9インチ。さらにGTスポーツステアリングやBOSEサラウンドシステムなどが装備される。
日本市場での車両価格はクーペボディの911ターボSで2892万円、ソフトトップの911ターボS カブリオレで3180万円に設定、2020年3月31日に予約受注を開始された。いずれも8速DCT/右ハンドル仕様を用意される。