NEXCO東日本は、本格的なメンテナンス時代の到来に対応するため、東北自動車道 岩槻インターチェンジ(以下、IC)敷地内に「NEXCO東日本 総合技術センター(以下、技術センター)をオープンした。(タイトル写真はイメージイラスト)

体験型・体感型の施設を整備して、これからの道路交通を支える

日本の高速道路は年々延長され、いまやNEXCO東日本管内の高速道路供用延長は約4000kmに達している。だが、今後は建設延長は減少し、建設現場での経験も減少していく。これからは、本格的なメンテナンス時代の到来に対応した技術者の育成や研究・技術開発の推進が必要となってくる。そこで、NEXCO東日本では

1)さまざまな技術課題に対応できる「技術者の育成」
2)災害時や緊急事象発生時の「エキスパート支援」
3)AIやICTなどの先端技術を活用した「研究・技術開発」
4)安全を最優先とした高速道路事業の推進のための「安全教育・啓発」

を取り組みの拠点として、現場経験を補完し、構造物の劣化メカニズムや技術基準の変遷などの理解を深めるために、体験型・体感型の技術センターを整備した。

画像: 見学者用の展示室のイメージ。高速道路の変遷やNEXCO東日本の取り組みなどを展示している。

見学者用の展示室のイメージ。高速道路の変遷やNEXCO東日本の取り組みなどを展示している。

東北自動車道 岩槻IC(さいたま市岩槻区)の敷地内に完成したNEXCO東日本 新社屋内に、技術センターは開設された。新社屋は鉄鋼造4階建て(延床面積約6300平方メートル)、開発・実習棟は鉄鋼造平屋建(延床面積約1000平方メートル)。技術センターは新社屋の1・2階部分および開発・実習棟からなり、研修設備と研究・技術開発設備に大きく分かれる。

●研修設備

画像: VRヘッドセットを装着して、橋梁の構造を立体的に再現し、体感しながら学ぶことができる。

VRヘッドセットを装着して、橋梁の構造を立体的に再現し、体感しながら学ぶことができる。

減少する建設現場での経験を補完し、構造物の劣化メカニズムや技術基準の変遷などの理解を深めるために体験・体感型の研修設備を整備している。あわせて、ETC設備など料金管理業務の現場環境を再現した施設も整備している。

●研究・技術開発設備

画像: 凍結防止剤による鋼材の腐食を再現する装置。10年分の腐食を1カ月で発生させて試験を行う。

凍結防止剤による鋼材の腐食を再現する装置。10年分の腐食を1カ月で発生させて試験を行う。

NEXCO東日本の重要課題である雪氷技術の研究をはじめ、NEXCO東日本グループで開発している構造物点検技術や非破壊検査技術の性能検証を行うための設備を整備している。

先に掲げた4つの取り組みを基に、技術センターは社会への貢献と持続的な発展の好循環を目指すという。なお、この技術センターはあくまでNEXCO東日本の社員研修用の施設であるため、残念ながら個人に向けての一般公開はされていない。だが、小中学校の社会科見学や企業の研修用としての見学には対応しているので、興味のある方は、NEXCO東日本へ問い合わせてみて欲しい。

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