新型コロナウイルス問題について多くの検討が重ねられた結果、2020年F1開幕戦オーストラリアGPの開催が決定。3月13日金曜日、ニューマシンがいよいよ走り始める。さっそく、現地入りしたレッドブル・ホンダとアルファタウリ・ホンダの情報をお届けしよう。(タイトル写真は開幕前バルセロナテストでのレッドブル・ホンダRB16)

ホンダ陣営好感触、F1開幕準備完了

ホンダにとって楽しみなシーズンが始まろうとしている。昨年のオーストラリアGPでは、ホンダのパワーユニットを搭載して初戦となるレッドブル・ホンダののマックス・フェルスタッペンがいきなり3位表彰台を獲得したが、この1年で大きく進化、今年のホンダ陣営はそれ以上のリザルトを狙えるポジションにある。

オーストラリアGPが行われるアルバートパークはストップ&ゴーサーキットと言えるコースレイアウトで、低速域からの加速性能とトラクション性能が求められる。昨年、レッドブル・ホンダが好成績を残したように、ホンダが得意とする要素が見られるサーキットだ。ただ、追い越しが難しいコースでもあり、予選でのポジションも重要となってくる。やっかいなのはアクシデントが起こりがちなこと。セーフティカーの導入時の対応も含めたレース戦略で、レースの行方は大きく変わる。これにマシンの信頼性がまだ低い開幕戦という要素も加わり、どのチームにとっても難しいレースとなるのは間違いないだろう。

画像: オーストラリアGPが行われるアルバートパークサーキットのコースレイアウト。

オーストラリアGPが行われるアルバートパークサーキットのコースレイアウト。

それでもホンダにとって楽しみなグランプリであり、田辺豊治 F1テクニカルディレクターは直前に迫るオーストラリアGPについて「昨年までの土台を基にパワーユニットの信頼性向上とパフォーマンスアップ、また車体のパッケージのさらなる進化を目指して開発を行ってきました。今年は昨年からテクニカルな部分でのレギュレーションの変更がないため、各チーム間で激しい戦いが繰り広げられるシーズンになると想定しています。昨年は確実な前進を見せることができましたが、今年はさらなる進歩を目指して戦います。開幕戦が行われる高速の市街地サーキットは、今年の立ち位置を確認するのに最適な機会になるでしょう。どのチームがトップでシーズンの幕開けを飾るか、世界中の関心が集まる見逃せないレースになります。」とコメント。さらにホンダ勢4人のドライバーはオーストラリアGPに向けて次のように語っている。

画像: レッドブル・ホンダの2020年用ニューマシン、レッドブルRB16。

レッドブル・ホンダの2020年用ニューマシン、レッドブルRB16。

マックス・フェルスタッペン

画像: 33 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ、国籍オランダ、1997年9月30日ベルギー・ハッセル生まれ、22歳、優勝8回、2019年ドライバーズランキング3位)
33 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ、国籍オランダ、1997年9月30日ベルギー・ハッセル生まれ、22歳、優勝8回、2019年ドライバーズランキング3位)

「アルバートパークは高速で進入する90度コーナーがたくさんあり、とてもチャレンジングなコースです。シーズンの初戦で全員がゼロからのスタート。予選で初めて自分自身の立ち位置が分かる瞬間は、とてもエキサイティングです。昨年の表彰台は、チームとホンダにとって最高のスタートになりました。僕にとってもオーストラリアで表彰台に立つのは初めてだったので、特別な瞬間になりました。開幕戦に向けて、とてもいい感触があります。多くのことがスムーズに進んでいて、狙い通りです。チームには優秀な人材がいて、チャレンジに向けて必要なものはすべてそろっています」

アレクサンダー・アルボン

画像: 23 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ、国籍タイ、1996年3月23日ロンドン生まれ、23歳、最高位4位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング8位)

23 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ、国籍タイ、1996年3月23日ロンドン生まれ、23歳、最高位4位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング8位)

「昨年のこの時期は初めてのF1レースに緊張していましたし、アルバートパークも初めてでした。今年はよりレースに集中して臨むことができています。アルバートパークは簡単なサーキットではなく、シーズンでも最も厳しいコースの一つだと思います。また初戦なのでしっかりと準備して臨まなければなりません。コースはかなり汚れていますが、公道コースの中では高速サーキットにあたります。技術的にも難しいですし、バンプも多くあります。また、コース上には公園の木々による影があり、落ち葉もたくさんあります。こうした状況で、ミスが出やすく、その代償も大きいサーキットです。僕らはいいプレシーズンテストを過ごせたので全力を尽くすだけです。グランプリが始まるのが待ち切れません」

ピエール・ガスリー

画像: 10 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ、国籍フランス、1996年2月7日フランス・ローエン生まれ、24歳、最高位2位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング7位)

10 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ、国籍フランス、1996年2月7日フランス・ローエン生まれ、24歳、最高位2位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング7位)

「プレシーズンテストはうまくいき、序盤戦に向けていい準備ができています。新しいマシンについてもかなり理解できています。信頼性はとてもよく、パフォーマンスについてもいい状態にあると思います。ただテストはあくまでもテストであり、グランプリに向けては考えを切り替えなければなりません。また、対処すべき問題はまだあります。例えば、シーズンを通して3基のパワーユニットしか使えないという規定です。これはどのチームにとっても、年間を通じて競争力を発揮するための課題になります。僕らはマシンを進化させましたが、2020年の目標を叶えるためにはまだパフォーマンスを引き出さなければなりません。昨年に比べて空力面での前進がありますが、一年を通してさらに進めなければならないと思います。ひとつ言えるのは、ここですべてが明らかになる、ということです。全員が全開で走行するのはこれが今年初めてになりますから」

ダニール・クビアト

画像: 26 ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ、国籍ロシア、1994年4月26日ロシア・ウーファ生まれ、25歳、最高位2位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング13位)

26 ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ、国籍ロシア、1994年4月26日ロシア・ウーファ生まれ、25歳、最高位2位フィニッシュ、2019年ドライバーズランキング13位)

「テストでの僕らの新型マシンの挙動は興味深いものでした。僕らはみんなその変化に満足しています。昨年からは明らかな進歩がありますが、他と比較してどうなのかを見なければなりません。でも、マシンの感触からはいいポテンシャルを感じます。オーストラリアとバーレーンの序盤2連戦でさらに多くのことが分かるはずなので、楽しみにしています。毎年開幕戦は初めて来たときのようにエキサイティングな気持ちです。レースの興奮というのはいつでも特別なものなのです」

画像: アルファタウリAT01。2020年、チーム名をトロロッソ・ホンダからアルファタウリ・ホンダに変更してのぞむ。

アルファタウリAT01。2020年、チーム名をトロロッソ・ホンダからアルファタウリ・ホンダに変更してのぞむ。

2020年F1開幕戦オーストラリアGPは3月13日12時(日本時間10時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は3月14日17時(日本時間15時)、決勝は3月15日16時10分(日本時間14時10分)に開始される。

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