新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防止することを目的に、国土交通省は自動車検査証(車検証)と自動車損害賠償責任保険(自賠責)の更新期間を一定の条件のもとで延長、また警察庁は手続きひとつで運転免許証の更新期間を延長できるようにした。

対象となる車両の車検と自賠責保険は自動で伸長

新型コロナウイルスが猛威を振るい、PCR検査を基準とした日本国内での陽性者数は868名(3月18日時点)にまでのぼっている。スポーツやコンサートなど全国で開催されるはずだったイベントの多くは延期/中止となり、また日本政府は不要不急の外出を控えるように国民に呼びかけている。

そんな状況においても外出しなくてはならない用事はあるもので、クルマ関連では運転免許証の更新や車検のためにディーラーへクルマを持って行くなど、すでに対応したひともいることだろう。仕事や通院、買い物など生活する上で、車検と免許の継続・更新は必要不可欠だとするユーザーも多いからだ。

そこで国土交通省は新型コロナウイルス感染症対策として、車検証の更新期間を一定の条件下で伸長させることを発表した。車検の有効期限の満了が令和2年(平成32年)2月28日〜3月31日となっているすべての自動車を対象に、有効期限を同年4月30日までに伸長させるというもの。この伸長措置は、対象車両であればとくに手続きする必要はなく自動で適用される。対象となっている場合は、4月30日までに必ず車検の継続検査を受けるようにしよう。

これに付随して、一般的に車検と同時加入する人がほとんどの自賠責保険も、継続契約手続きを自動的に4月30日まで猶予される。

ただし懸念もある。この特別措置がはじまった以上、有効期限を目前とした4月に車検継続のためにディーラーや自動車整備工場へクルマを持ち込むひとが増えることも予想される。依頼した業者のキャパシティによって異なるものの、クルマを預ける日数が増えてしまうことは覚悟した方がいいかもしれない。

画像: 国土交通省が発表した特例措置に自分のクルマが対象となっているのか、まずは確認しよう。

国土交通省が発表した特例措置に自分のクルマが対象となっているのか、まずは確認しよう。

運転免許の有効期限延長の特例措置は自動で適用されない

クルマ関連ではもうひとつ、運転免許の更新も気になるだろう。ゴールド免許を所持していれば、管轄の警察署で更新手続きを比較的短時間の安全運転講習と適性検査などで完了できる。しかし、初回更新や一般運転者、違反者運転者の場合は運転免許センターへ出向く必要があり、ひとの多さや講習時間の長さなどから行くことをためらってしまう。

そこで警察庁も、免許証の更新期間を延長させる措置を発表した。対象となるのは令和2年(平成32年)3月13日〜4月30日に更新期限を迎えるひとで、3カ月間運転できるようになるという内容だ。

注意しなくてはならないのは、上記した車検のケースと異なり「管轄の警察署か免許センターへ行って申請」することが必要になるということ。その場で免許証の裏面に特例措置を適用する旨を記載、印を押すためだ。「なんだ。だったらそのまま更新するよ」という声も聞こえてきそうだが、更新手続きよりも大幅に時間を短縮できるのでウイルス感染のリスクを低めることにはなりそうだ。

もうひとつ注意点がある。対象者の免許証は同年6月12日〜7月30日まで有効になるが、その直前に更新を知らせるハガキは届かないということだ。うっかり忘れてしまうと、再取得することになる可能性もあるので気をつけよう。

画像: 令和2年(平成32年)3月13日〜4月30日に更新期限を迎えるひとが対象となる、免許更新に関する特例措置。写真は画像加工により制作したもの。

令和2年(平成32年)3月13日〜4月30日に更新期限を迎えるひとが対象となる、免許更新に関する特例措置。写真は画像加工により制作したもの。

警察庁による運転免許に関する特別措置はもうひとつ、更新できない事情を認められた場合に免許失効した際の手順を免除するというものもある。対象となるのは新型コロナウイルスへの感染、もしくは感染のおそれがあることによって外出できなかったひとで、病院による診断書を免許センターに提示することで適用される。

「免許失効から最長3年以内」かつ「コロナウイルス感染症の終息から1カ月以内」であれば、通常必要な学科試験・技能試験を受けることなく再取得できるというもの。手数料も減額されるという。

まだまだ終息する気配が見えてこない新型コロナウイルスによる感染。今回紹介した国土交通省や警察庁によるものも含めて各省庁から特例措置が発表されているが、感染を予防するのは結局のところ個人だ。手洗いうがいにはじまる身近な対策から、特例措置などを上手に使いながら感染症を乗り越えたいところである。

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