スリッピーな路面に手こずる
「新城ラリー2020」のDAY2(3月15日・日)の朝がやってきました。DAY1の夕方から雨は上がったものの、鬱蒼と茂った山の中の林道の路面は半乾きといったところ。林道は表面にコケが生えていたり、落ち葉が溜まっていたりと、なかなか乾きにくいんです。
さらに、木洩れ日くらいしか陽も届かないですからね。唯一、ハイスピードの鬼久保SSは、道がかなり開けているので、路面はすっかり乾いてドライコンディションになっていました。
そうなると悩むのがタイヤの選択です。今回は、使える本数が6本しかないため、タイヤの選択は前夜から、山田さんと神田チーフメカニックと3人でずっと悩みっぱなし。でもきっと、どんどん乾いてくるはずだ!との希望を込めて、フロントにアドバンA08B、リアにアドバンA052という布陣で挑むことにしました。
ところがこれが誤算だったんですよ。雨は上がったものの、まったく気温が上がらなかったんです。となると、路面温度も上がらない…。アドバンA08Bは路面温度が高くなってもへこたれないタイヤなので、逆に路面温度が低いとグリップ力を発揮しにくいんですよね。
というわけで、想像以上にスリッピーな路面に、手こずることになってしまいました。さらに、予想していたよりも空気圧が上がりすぎてしまって、余計にコントロールが難しくなったりと、なかなか思うようにセッティングがピタッとはまりません。
そんな中、私はDAY2の午後のセッションで賭けに出てしまったんですよ。どちらかと言えば、開けたハイスピードコースを得意としている私にうってつけの鬼久保SSに合わせて、足回りをイケイケセッティングへと切り替えてしまったんですよね。これが失敗でした。
失敗を糧に一段上を目指します
この日は鬼久保の他に、雁峰SSと呼ばれる、超クネクネツルツル路面のSSがありまして、よくよく後で考えてみれば、こちらの方が距離が3倍くらい長かったんですよね。だったら! 雁峰にセッティングを合わせるべきだったんです!
ついつい少しでもタイムを稼ごうと、自分の得意なSSにセッティングを合わせてしまったのが後の祭り…。逆に雁峰SSがかなりトリッキーなことになり、タイムを落としてしまったんです…。トホホ。やっぱりまだまだ、まだまだ、もう本当にまだまだ修行が足りません。
というわけで、成績的にはいまひとつ、なんとも悔いの残るラリーとなってしまいました。でも、ドライバーでもある山田さんとは、クルマやタイヤのセッティングの相談、燃費の相談など、神田チーフメカニックも加えて、ラリーを一緒に組み上げることができ、他作業も一緒に分担して行うことで、時間的にも余裕ができるため、より積極的にラリーを楽しむことができました。
あとはペースノートのタイミングが、もう少し合うように練習を重ねれば、また一段階上に上がれそうな予感がします。ということで、とっても収穫の大きなラリーだったんです。4年目を迎え、チームの結束力もより高まってきたので、真剣に楽しくラリーを続けていきたいと思います!<続く>(文:竹岡 圭/写真:原田 淳)