ついにベルランゴが正式デビュー。3つのグレードを用意
シトロエンのボンネットバンとして1996年にデビューしたベルランゴは、そのボディスタイルから高い積載性と広い居住空間を持っていた。そのため用途は商用だけでなく、キャンプ道具や旅行の荷物を積むなどレジャーアクティビティビークルとしても人気を高め、2018年に3代目となった現行モデルではコンパクトサイズのミニバン、MPVとしての地位をも確立している。
ポリウレタン製の「エアバンプ(Airbump)」や分割式ヘッドライトなどに代表される、近年のシトロエンらしい個性的なデザインも人気を集めた大きな要素で、日本導入を期待する声に応える形で2020年に発売されることが決定していた。
この正式発売に先立ち、2019年10月に先行導入モデル「デビューエディション」が発売されたのだが、なんと予約開始早々5時間半で販売予定台数に達してしまったという人気ぶりだった。
そして2020年8月27日、ついに正式なカタログモデルとして「フィール」と「シャイン」、そして特別仕様車として「シャイン XTRパック」の3グレードを発売する。
同ブランドのミニバンといえばグランドC4スペースツアラー(全長4605/全幅1825/全高1670mm・旧名称グランドC4ピカソ)を思い浮かべる人も多いと思うが、ベルランゴ(同4405/1850/1850mm)は全幅こそ少し広いものの全長は200mmも短いため取り回しもしやすい。
このコンパクトボディに搭載されるパワートレーンは、1.5Lの直4ディーゼルターボエンジン(130ps/300Nm)と8速ATを組み合わせて前輪を駆動する点で、デビューエディションと同じだ。1590kgの車両重量により、燃費は18.0km/L(WLTCモード)と良好で、軽油であることも含めてランニングコスト面で有利となる。
また、先進の安全運転支援システムも充実しており、30〜180km/hで作動するアクティブクルーズコントロール(ストップ機能付き)や車両や歩行者を検知して衝突被害を軽減するアクティブセーフティブレーキ、ハンドル操作アシストをともなうレーンキープアシストなどを搭載して快適性と安全性が高められている。
さらにベルランゴ最大の特長はやはり、最大容量2126Lを誇るラゲッジスペースの大きさと収納ポケットの多さだろう。後席を倒せば1.74mの奥行きとなり車中泊もできそうなほど。助手席も倒せば最長で2.7mの長尺物を収納できるスペースとなる。
さらにグローブボックスとは別にリアシート頭上には約60L、フロントルーフ部分には約14L、助手席側のダッシュボード上面にも12Lの収納スペースを備えるなど、合計して28カ所もの小物入れが用意されて、しまう場所に困らないのも魅力のひとつだ。
このベルランゴのような2列シートのハイトワゴンは根強い人気がある。ルノーカングーはまさしく同じジャンルで熱狂的なファンを持ち、トヨタ シエンタやダイハツ トールなども価格帯・サイズは違えど販売台数の多いモデルである。シトロエン ベルランゴも使い勝手と独特なデザインを武器に人気モデルとなるだろう。
シトロエン ベルランゴ 車両価格
フィール:312万円
シャイン:338万円
シャイン XTRパック:343万円
シトロエン ベルランゴ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm
●ホイールベース:2785mm
●エンジン:直4ディーゼルターボ
●排気量:1.5L
●最高出力:130ps/3750rpm
●最大トルク:300Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF