順調にプログラムを消化したホンダ勢に手応えあり
初日フリー走行1回目の天候は薄曇り、気温17度、路面温度23度。2回目も気温18度、路面温度24度と、日本では考えられない涼しさとなったが、この週末はこの後も気温が低い天候が続きそうで、さらに雨の予報もあるなど、グランプリは気温が上がらないトリッキーな状況の中で行われることになりそうだ。
各チーム、この条件下でのタイヤのパフォーマンスを確認しながらの走行となったが、午前中に行われたフリー走行1回目では、フェルスタッペンが首位と0.081秒差の3番手につけ、チームメイトのアルボンが6番手。アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトとピエール・ガスリーは、それぞれ11番手と12番手と、ホンダ勢は4台とも首位と約1秒差圏内につけて最初のセッションを終えた。
午後のフリー走行2回目では、フェルスタッペンが好タイムをマークし、ダニエル・リカルド(ルノー)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)を上回って首位でセッションを終了、アルボンはそれに続く4番手となっている。また、ガスリーも好タイムをマークし、フェルスタッペンと約0.8秒差の10番手。その約0.2秒差の12番手にクビアトとなった。
前戦スペインGPまでの暑さから一転、肌寒さを感じさせる状況となる中、ホンダのパワーユニット勢は4台合計で179周を走行して貴重なデータを収集。予選、そして決勝に向けて着々と準備を進めている。ライバルを見渡すと、メルセデスユーザーが好調な走りを見せている一方、フェラーリ勢が意外やふるわない。
予選とレースに向けて、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「ベルギーGP初日の今日は、ガスリー選手がフリー走行1回目でマシンの修復のため長くピットに留まる場面がありましたが、両チームともに予定していたプログラムを順調に消化し、ホンダはパワーユニットの、チームは車体のセッティングを進めました。幸いセッション中は雨にも降られず、週末に向けて、いいスタートを切ることができました。ライバルがどのようなプログラムで週末に向かっているのかは分かりませんし、まだ初日ではありますが、パフォーマンス面ではレースに向けてよい結果が得られたと思います。まだまだ明日の予選、日曜のレースに向けて改善の余地がありますので、今日のセッションで収集したデータを分析し、最適化を進めます。また、スパは天候が変わりやすいサーキットですので、天候の急変にも備えた準備を行っていきます」とコメント。ドライバーは初日を終えて次のように語っている。
マックス・フェルスタッペン
「マシンのフィーリングはいいと感じています。まだ初日ではありますが、ポジティブな金曜日になりましたし、全体的に上々だと思います。レーシングカーは、完璧な仕上がりというのはあり得ず、マシンの改善点やタイヤの扱いなど、常に上を目指すものなので、今夜はそれを見ていきます。個人的な感想としては、メルセデスはまだマシンバランスにやや苦しんでいるようだったので、明日の彼らは強さを増してくると思います。また、ロングランでも速さを見せていましたし、予選ではさらに速さを増すはずなので、ポール争いができるとは思っていません。ただ、明日彼らにもう少し近づくことができれば、レースに向けてはいい兆候になるはずです。週末の間にコンディションが変化しそうですが、今日はきちんとドライで走行できたことは大きく、いいベースができると思います。スパで完璧なダウンフォースレベルを見つけるのは簡単ではありませんし、みんなさまざまなことを試していますが、僕らはいい感じをつかむことができているので、明日はそれを確実なものにしていきたいです」
アレクサンダー・アルボン
「今日は希望の持てる一日で、序盤のラップからマシンの感触はよかったです。コーナーでのバランスがよく、正しい方向性に進めているのでうれしいです。昨年、このチームに加入して初めてのレースがここスパでしたが、そのときの経験がかなり役立っていて、何が必要で、何が不要かといったことを理解してこのレースウイークに入ることができました。まだフリー走行の段階なので、他のマシンがどうなのかを語ることは難しいです。みんなエンジンモードや燃料搭載量を変えたり、最高速を重視したセッティングにしたりしていたので、明日どうなるか見ていきたいと思います。タイム差は驚くほど接近しているので、マシンの向上を続けてできることを探していかなければなりませんが、明日も僅差になるはずです」
ピエール・ガスリー
「トップ10に入って金曜日を終えられたのはいいことです。しかし、まだマシンのバランスに完全に満足はできていませんし、まだ一番いいところを引き出せていないと感じています。もっと向上できるはずなので、さらなるパフォーマンスを引き出すために、今夜もう少しやるべきことがあると思います。これからすべてを解析して、今週末トップ10入りするために、マシンに適切な変更を加えていきたいと思います」
ダニール・クビアト
「上々の金曜日だったと思います。普段通りの段取りで、なるべく多くの周回を走行できるように取り組みました。今日はマシンをうまくまとめられたので、今夜は明日に向けてバランスを向上させるための作業ができるはずです。それが予選でのQ3進出につながればと思います」
一方、タイヤを供給するピレリは「昨年よりもタイヤがソフトなコンパウンドとなったため、チームはソフトタイヤのパフォーマンスを評価して、それが全体的なレース戦略にどのように機能するか確認しました。 スパはコースが約7kmと長いので、コンパウンド間の違いが拡大し、完璧なラップをまとめるのが難しくなります。今日のスパは気温は20度未満、時に小雨によりトラックは滑りやすくなりましたが、週末、この涼しさが続きそうで、雨の予報も出ています。3つのコンパウンドはすべて期待どおりのパフォーマンスを提供しました。 ミディアムタイヤとソフトのラップ差は予想されていたよりも大きく、ミディアムでのQ2通過は難しいかもしれません」と分析している。
予選は8月29日の日本時間22時(現地15時)、決勝は8月30日の日本時間22時10分(現地15時10分)に開始される。
2020年 F1第7戦ベルギーGP フリー走行1回目結果
1位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:44.493
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:44.562
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:44.574
4位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)1:44.629
5位 18 L.ストロール(レーシングポイント・メルセデス) 1:44.868
6位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) 1:45.049
7位 31 E.オコン(ルノー)1:45.099
8位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) 1:45.222
9位 3 D.リカルド(ルノー) 1:45.225
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー) 1:45.274
11位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) 1:45.447
12位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ) 1:45.503
2020年 F1第7戦ベルギーGP フリー走行2回目結果
1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:43.744
2位 3 D.リカルド(ルノー) 1:43.792
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:43.840
4位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)1:44.134
5位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)1:44.137
6位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:44.162
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー) 1:44.168
8位 31 E.オコン(ルノー)1:44.208
9位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) 1:44.474
10位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)1:44.600
12位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)1:44.826