フェルスタッペン、奮闘もメルセデスAMGに及ばず
前戦から1週間のインターバルを置いての開催となったベルギーGP。予選ではメルセデスとの差が縮まったかに見えたレッドブル・ホンダだが、決勝レースではなにも抵抗できず、地力の差を見つけられることとなった。
レースは11周目のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)とジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)のアクシデントでセーフティーカーが導入され、その間にほとんどのドライバーがハードタイヤに履き替えて、そこからはノンストップの戦いとなる展開。3番手からメルセデスAMGの2台を追撃するフェルスタッペンは、一時は2番手のボッタスに1秒差に迫るものの、その後はジリジリと引き離される苦しいレースとなる。
首位のハミルトンはさらにはるか前方で、結局一度も勝負を挑めないまま、フェルスタッペンは3位でフィニッシュすることになった。
「退屈なレースになってしまった。最後の8ラップはタイヤの面倒見るだけで精一杯で全然プッシュできなかった。最初に履いたミディアムタイヤはグリップがなかったし、3位以上は無理だったね」とフェルスタッペンは、打つ手なし、といった表情。
他のホンダ勢はレッドブルのアレキサンダー・アルボンが6位。ピエール・ガスリーが8位に入った。ダニール・クビアトは11位で、惜しいところでホンダ勢4台全車入賞を逃した。
またも完勝ハミルトン、最多勝利まであと2
ポールトゥウィンでシーズン5勝目を上げたハミルトンは「最後はタイヤのラバー(ゴム)がなくなって楽じゃなかった」とフィニッシュ後に語ったが、レース展開はスタートから盤石そのもの。唯一の不安だったスタートも無難にこなし、「オールージュの坂の上までのスリップ合戦に巻き込まれることもなかった」(ハミルトン)。
レース終盤には右側タイヤのフィーリングに不安感を訴えながらも、得意のタイヤマネージメントで乗り切り、44周を走り切って優勝、今季5勝目、ミハエル・シューマッハの持つ最多勝記録91にあと2つと迫る通算89勝目をあげた。
「もうすぐ36歳になるけど、今までになく充実している」と自認する現役最強王者に、ライバルの付け入る隙はまったく見当たらない。
このレースでのひとつの注目はルノー勢の台頭。決勝でも4位、5位に入る健闘を見せ、3連戦の台風の目玉になるかもしれない。3連戦の2戦目、次戦第8戦イタリアGPは、9月4日〜6日、ミラノ近郊のモンツァ・サーキットで開催される。
2020年第7戦ベルギーGP 決勝 結果
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)44周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) +8.448s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+15.455s
4位 3 D.リカルド(ルノー)+18.877s
5位 31 E.オコン(ルノー)+40.650s
6位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+42.712s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+43.774s
8位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+47.371s
9位 18 L.ストロール (レーシングポイント・メルセデス)+52.603s
10位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)+53.179s
11位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +70.200s
F1ドライバーズランキング(第7戦終了時)
1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)157
2位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)110
3位 V.ボッタス(メルセデスAMG)107
4位 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)48
5位 C.ルクレール(フェラーリ)45
6位 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)45
F1コンストラクターズランキング(第7戦終了時)
1位 メルセデスAMG 264
2位 レッドブル・ホンダ 158
3位 マクラーレン・ルノー 68
4位 レーシングポイント・メルセデス 66
5位 フェラーリ 61
6位 ルノー 59
7位 アルファタウリ・ホンダ 20