2020年10月31日(土曜日)、F1第13戦エミリア・ロマーニャGPがイモラサーキットで開幕する。前戦ポルトガルGPから連戦となるこのグランプリもまた、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いカレンダーが見直されて誕生したイベント。エミリア ロマーニャGPとはどんなグランプリなのか、見てみよう。

コースおよび周辺施設が改修されて従来とは少し違うサーキットに

第13戦エミリア ロマーニャGPが開催されるイモラサーキット(Imola Circuit)はイタリア イモラにあるサーキットで、正式名称はアウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(Autodromo Internazionale Enzo e Dino Ferrari)。2006年までサンマリノGPが開催されていたことで知られている。1国1グランプリ開催が原則であったため、サンマリノの名前を借りてレースが行われていたが、2007年以降、1国1グランプリが重視されたこともあり、モンツァにイタリアGPを譲る形で開催が途絶えていた。

イモラサーキットはもともとイタリアらしい超高速コースだったが、1987年にネルソン・ピケ、1989年にゲルハルト・ベルガー、1992年にリカルド・パトレーゼがクラッシュ、そして1994年にはアイルトン・セナ、ローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故が発生し、何度かコースが改修された。

またグランプリ開催が途絶えた2007年には、コースおよび周辺施設が改修され、高速コーナーにはシケインが設けられ、それまでとは少し違うサーキットとなっている。現在のコースの全長は4909mで、12の左コーナーと9つの右コーナーが設けられている。高速レイアウトに小さなコーナーを加えたストップ&ゴーサーキットとも言えるが、コース幅は場所によっては狭く、追い越しはかなりトリッキーになった。また、グランプリコースとしては、珍しい反時計回りでもある。

画像: イモラサーキットのコース図。グランプリコースとしては、珍しい反時計回り。

イモラサーキットのコース図。グランプリコースとしては、珍しい反時計回り。

画像: 近年F1は開催されていないが、もちろんグランプリコースとして認定されているので、多くのビッグイベントが開催されている。写真は2019年のF4レース。

近年F1は開催されていないが、もちろんグランプリコースとして認定されているので、多くのビッグイベントが開催されている。写真は2019年のF4レース。

エミリア ロマーニャGPのポイントは、試験的に2日間で行われること。土曜日の午前中に90分のフリー走行が1回だけ行われ、すぐに午後には予選が開始されるため、チームは素早くベストのセッティングを見つけなければならない。

ただ、久々にニュルブルクリンクでの開催となったアイフェルGPで、金曜日のスケジュールが悪天候のためキャンセルとなり、期せずして各チームは2日間開催の予行演習を行っている。

データの少ないサーキットでやはり問題となるのはやはりタイヤのマネージメント。前戦ポルトガルGPでは、ミディアムタイヤがポールポジションを獲得、ソフトタイヤが予想外にうまく機能しないという事態も起きている。ここでもなにがあるかわからない。

波乱が起きる可能性は高いが、難しい状況になると底力を発揮するのがメルセデスAMGでもある。前戦ポルトガルGPでは、ミディアムタイヤのパフォーマンスを見極め、予選Q2をミディアムタイヤでクリアしただけでなく、ミディアムタイヤでポールポジションも獲得。決勝ではミディアムからハードの1ストップ戦略を決めて1-2フィニッシュを達成している。

一方、あえてメルセデスAMGと戦略を変えたという面もあるものの、ソフトタイヤで逆転を狙ってがそれがうまく機能せず、結果的にタイヤ戦略に失敗したレッドブル・ホンダにとっては正念場となる。

ドライバーズランキングトップを独走するルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はここまで12戦8勝、すべてポイント獲得圏内でフィニッシュ、リタイアは1度もない。苦戦を強いられたのは、ペナルティを受けたイタリアGPとロシアGPだけ。ここ一発で速いだけでなく、タイヤマネージメントもうまく、無理することもなく、致命的なトラブルにも見舞われていないから、その戦いぶりは盤石といっていいだろう。

今のメルセデスAMGを敗るのは簡単ではないが、予選、決勝ともメルセデスAMGとレッドブル・ホンダのラップタイム差は確実に詰まっているだけに、レッドブル・ホンダとしてはわずかな隙をどこに見つけるかがポイントとなる。

画像: 各グランプリに供給されるタイヤコンパウンド。エミリア・ロマーニャGPでは中間の3種類が選ばれた。

各グランプリに供給されるタイヤコンパウンド。エミリア・ロマーニャGPでは中間の3種類が選ばれた。

タイヤを供給するピレリは、エミリア ロマーニャGP開催を前に「F1は2006年以来となるイモラに戻ります。さまざまなコーナーを備えたテクニカルトラックというイモラの特性を考慮して、タイヤは中間の硬さのコンパウンド3種類を供給します。今回は2デイフォーマットで行われるため、タイヤの数量が通常の13セットから10セット、ハード2セット、ミディアム2セット、ソフト6セットとなります。イモラは14年前にF1が最後にレースを行って以来、多くの変更が加えられています。タンブレロ、アクア・ミネラリ、バリアンテ・アルタ、バリアンテ・バッサもかつてのコーナーとは異なっています。路面も再アスファルトされました。ドライバーは、適切なセットアップをできるだけ早く見つけることが成功の鍵となります。オーバーテイクはかなりトリッキーで、この時期の天気は予測できないため、戦略は重要な役割を果たすことでしょう」とコメントしている。

第13戦エミリア ロマーニャGPは10月31日10時(日本時間18時)から始まるフリー走行で開幕、予選は10月31日14時(日本時間22時)、決勝は11月1日13時10分(日本時間21時10分)に開始される。

2020年F1グランプリ スケジュール

第1戦 7月3日〜5日 オステルライヒGP (V.ボッタス)
第2戦 7月10日〜12日 シュタイアマルクGP(L.ハミルトン)
第3戦 7月17日〜19日 ハンガリーGP(L.ハミルトン)
第4戦 7月31日〜8月2日 イギリスGP(L.ハミルトン)
第5戦 8月7日〜9日 70周年記念GP(M.フェルスタッペン)
第6戦 8月14日〜16日 スペインGP (L.ハミルトン)
第7戦 8月28日〜30日 ベルギーGP(L.ハミルトン)
第8戦 9月4日〜6日 イタリアGP(P.ガスリー)
第9戦 9月11日〜13日 トスカーナGP(L.ハミルトン)
第10戦 9月25日〜27日 ロシアGP(V.ボッタス)
第11戦 10月9日〜11日 アイフェルGP(L.ハミルトン)
第12戦 10月23日〜25日 ポルトガルGP(L.ハミルトン)
第13戦 10月31日〜11月1日 エミリア ロマーニャGP
第14戦 11月13日〜15日 トルコGP
第15戦 11月27日〜29日 バーレーンGP
第16戦 12月4日〜6日 サヒールGP
第17戦 12月11日〜13日 アブダビGP
※( )内は優勝者

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