「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「ホンダ ライフ」だ。

また、軽自動車ではおざなりになりがちな、後席の居住性は特筆すべき点だ。シートのサイズとクッッションの厚みを見直し、シート座面のクッション厚をミドルクラスセダン並みに増量している。ただし、座り心地は良くなったものの、シートバックが倒れるだけとなり、従来型の驚くようなラゲッジスペースがなくなってしまったのが残念なところ。

これだけ装備が充実すると重量的に厳しいのでは?と心配になるが、なんと40kgも軽量化されている。これが運動性能や燃費性能にプラスに作用している。少々乗り心地が硬めなことは気になったが、ハンドリングはより穏やかな方向へ振られているので、安定志向に味付けされている。

さらに、スマートパーキングアシストも大幅に進化した。今回はハンドルを切った状態からでも操作が可能になり、前後進ともステアリングが自動でクルクルと回る。つまり、ハンドル操作が一切不要になった。試乗会場で実際に縦列駐車を試したところ、およそ30秒くらいで駐車してみせてくれた。車庫入れが苦手な人や運転初心者だったら、自力で駐車するのと同等か速いくらいのレベルといえるだろう。

今回の試乗で印象的だったのは、より一層「ドライバーフレンドリー」に進化した点。ホンダは、人間とともに生活を送れるヒューマノイドロボット「アシモ」を開発しているが、新型ライフもアシモと同じく「人寄り」のクルマになっていた。

画像: 女性ユーザーを意識してエレガントに仕上げられたパステル。リアハッチと側面のグラスエリアを広げることで、左右と後方の視界を拡大している。

女性ユーザーを意識してエレガントに仕上げられたパステル。リアハッチと側面のグラスエリアを広げることで、左右と後方の視界を拡大している。

■ホンダ ライフ パステル 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1610mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:810kg(860)
●エンジン種類:直3 SOHC(SOHCターボ)
●排気量:658cc
●最高出力:38kW<52ps>/7100rpm(47<64>/6000)
●最大トルク:60Nm<6.1kgm>/3600rpm(93<9.5>/4000)
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:21.0km/L(19.6)
●タイヤ:155/65R14
●当時の車両価格<税込み>:103万4250円(147万円)
( )内はディーバターボ

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