「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「スズキ キザシ」だ。

スズキ キザシ(2009年)

画像: その存在感は独特のもの。スポーティで力強い造形は、スズキのフラッグシップを名乗るにふさわしいものだ。

その存在感は独特のもの。スポーティで力強い造形は、スズキのフラッグシップを名乗るにふさわしいものだ。

もはや国内発売は見送りかと思われたスズキ初のDセグメントセダン、「キザシ」。それが今回(編集部註:2009年)の東京モーターショーのプレスデーで発表され、世界に先駆けて同日発売となったのだから驚いた。昨今の国内マーケットを考えれば受注生産となるのは致し方ないが、一度乗ってみればその完成度の高さに誰もが驚くはずだ。

すでに読者の皆さんもご存知のとおり、キザシはスズキが初めて作ったDセグメント セダンだ。日本国内はもちろん、欧州や北米でのサーキットや公道試験を重ねて熟成されてきた。日本へは導入が危ぶまれた時期もあったが、前述のように東京モーターショーのプレスデー初日に国内受注販売が発表されたばかりだ。

それにしても、スズキとしては初めて作ったDセグメント セダンだというのに、この完成度は見事なものだ。その乗り味は、極めて欧州車に近い。適度な重みをともなったステアリングフィール、全身にしっかりと伝わってくる接地感、そして剛性感あふれるボディ。過去に経験がなかったのに、どうしてここまで煮詰めることができたのか、不思議に思えてしまうほどだ。

画像: 随所に本革をおごった豪華なインテリア。ステアリングはパドルシフト付き。パーキングセンサーや9エアバッグも標準装備。

随所に本革をおごった豪華なインテリア。ステアリングはパドルシフト付き。パーキングセンサーや9エアバッグも標準装備。

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