iPhoneを使ってロック解除/施錠ができたり、ハンドルから手が離せるハンズオフ機能も魅力だが、走りの気持ち良さはそれを凌いでいる。(Motor Magazine2021年2月号より)

ランフラットタイヤも見事に履きこなす

やはりBMWは直6エンジンだな、とこのクルマに乗ると改めて思った。5シリーズである。もともと5シリーズは大好きなモデル。E39の528i Mスポーツも所有していたし、今でもF10の535iは歴代5シリーズの中でもマイベストなモデルである。そんな5シリーズの最新型はどう進化しているのか、期待が大きく膨らんでいた。

試乗したのは、540i xDrive ツーリング Mスポーツ。搭載するのは、B58B30C型3L直6ターボエンジンである。最高出力は340ps、最大トルク450Nmを発生、そして4WDシステムを採用する。

価格は1142万円。749万円(523d xDrive ツーリング Edition Joy+)からあるラインナップのトップグレードだ。ちなみに新型5シリーズツーリングは、ほとんどがxDrve(4WDシステム)を採用するが、530iツーリング MスポーツのみFRが残されている。

画像: 最先端のADASは魅力だ。AIを活用した音声操作システムを採用するが音声認識率はまだ甘い。

最先端のADASは魅力だ。AIを活用した音声操作システムを採用するが音声認識率はまだ甘い。

画像: キドニーグリルは健在だがより大型に、ヘッドライトも丸形ではないが4灯を採用。これは、紛れもなくBMWである。

キドニーグリルは健在だがより大型に、ヘッドライトも丸形ではないが4灯を採用。これは、紛れもなくBMWである。

パフォーマンスは大満足。不満があるとすれば太いハンドルである。Mスポーツは例外なく、太リムのハンドルを採用し、ちょっと扱いづらい。もう少しリム径の細いハンドルをオプションでもいいから選べればいいのに、といつも思う。

画像: B58B30C型3L直6ターボエンジンを搭載。5シリーズツーリングの中で唯一のストレート6搭載車。

B58B30C型3L直6ターボエンジンを搭載。5シリーズツーリングの中で唯一のストレート6搭載車。

540i xDrive ツーリング Mスポーツは、フロント245/40R19、リア275/35R19という大きなサイズのランフラットタイヤを履いているが、低速域からゴツゴツとした乗り心地を伝えてくることは少ない。見事に履きこなしている。またエンジンは気持ち良すぎるぐらいスムーズに回り切る。1900kgという車重を感じさせない軽快なフットワークである。

画像: 8速AT搭載。iDriveコントローラーは健在で、スイッチパネルはすべてハイグロスブラック化されている。

8速AT搭載。iDriveコントローラーは健在で、スイッチパネルはすべてハイグロスブラック化されている。

完璧に近い、とてもいいクルマだと言っていいが、実はE39やF10に乗った時ほどワクワクしなかったのも事実である。期待が大きくなりすぎていたのか、心に響いて来なかった。この魅力はもう少し長く付き合わないとわからないかも、と少しモヤモヤした気持ちで短い試乗を終えた。この5シリーズでは、マイベストのF10を超えることができなかった。(文:千葉知充/写真:永元秀和)

画像: iPhoneをドアハンドルにかざしてロック解除/施錠が可能である。

iPhoneをドアハンドルにかざしてロック解除/施錠が可能である。

540i xDrive ツーリング Mスポーツ 主要諸元
●全長×全幅×全高 4975×1870×1500mm
●ホイールベース 2975mm
●車両重量 1900kg
●エンジン 直6DOHCターボ
●総排気量 2997cc
●最高出力 250kW(340ps)/5500rpm
●最大トルク 450Nm/1500-5200rpm
●トランスミッション 8速AT
●駆動方式 4WD
●燃料・タンク容量 プレミアム・68L
●WLTCモード燃費 10.5km/L
●タイヤサイズ 前245/40R19 後275/35R19
●車両価格 11,420,000円

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