ドライバーに勝田範彦を迎えて、スバル、三菱に挑む
スバルWRX STI、三菱ランサーエボリューションなどが優勝争いを繰り広げるJAF全日本ラリー選手権のトップクラスJN1に、いよいよTOYOTA GAZOO RacingのGRヤリスが参戦することが正式に決まった。
2021年仕様のGRヤリスは、JN2車両のトヨタ・ヴィッツGRMNでの経験をふまえて、これにFIA世界ラリー選手権(WRC)で得た技術や技能を織り込んで誕生し車両。昨年の全日本ラリー選手権最終戦ツール・ド・九州2020 in 唐津でデビューした注目のモデルだ。
ドライバーは、JAF全日本ラリー選手権で8度チャンピオンに輝くトップドライバー勝田範彦と、2019年にヴィッツGRMNでJN2クラスチャンピオンに輝いた眞貝知志の2台体制。普段は開発や製造現場に勤務するトヨタ自動車の社員で構成されたワークスチームも4年目を迎える。
全日本ラリーでのGRヤリスのデビューを前に、豊岡悟志チーム監督は「2021年の目標はGRヤリスでの勝利。勝利に向けて挑むことの全てを、人とクルマを鍛える、に直結させていきます。新たに勝田選手の力をお借りし、眞貝選手との2台体制で相乗効果を狙います。豊田章男社長、モリゾウはモータースポーツを軸にして、モビリティ、社会を広い視野で考え、全体を盛り上げる事に取り組んでいます。ラリーはその想いに先頭をきって応える実戦部隊です。普段製造現場で働く社員や、開発を担うエンジニアなどを含め、社内の幅広い部署から志の高い人材を集めています。ラリー未経験者がほとんどですが、競技の現場や車両の作り込みなど、すべてを学びとして今後に活かしてくれると思っています。GRヤリスには、ボディ強度や熱対策など、我々がこれまで全日本ラリーで学んだエッセンスも反映されていますが、開発は終わったわけではありません。ラリーの現場で実際に何が起きているかを見極め、開発メンバーに伝達し、もっともっといいクルマに鍛えていきたいと思っています」とコメント。ドライバーは次のように語っている。
勝田 範彦
「TGRチームに加わり、うれしく思います。ラリー車両の本格的なテストはこれからですが、エンジニアには熱意があふれていますし、クルマにはポテンシャルを感じました。私はこれまで30年近くラリーに参戦してきましたが、心機一転、初心にかえってチームと一緒に頑張りたいと思います。強豪ぞろいのJN1クラスで上位を狙い、良い成績を収めることが私の役割です。デビューウイン、そしてチャンピオンを獲る意気込みで臨みます」
眞貝 知志
「TGRチームで4年目を迎え、GRヤリスという新たなチャレンジを楽しみにしています。ハイレベルなJN1クラスで勝田選手とともに走る距離を倍にし、もっといいクルマづくりへフィードバックする。それが私の仕事だと思っています。私自身にとっても、公式戦に初めて4WD車両で臨む挑戦の年ですが、まずは自分の役割を果たすことを目標に頑張ります。一戦ごとにGRヤリスがたくましく速くなっていく姿を、皆様も一緒に楽しんでいただけたらうれしいです」
ラリー仕様のGRヤリスの詳細なスペックは明らかになっていないが、正式名称は「GR YARIS GR4 Rally」。1.6L直列3気筒インタークーラーターボを搭載し、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を使う。
2021年JAF全日本ラリー選手権
第1戦:2月4日−7日/Rally of Tsumagoi
第2戦:3月19日−21日/新城ラリー2021
第3戦:4月9日−11日/ツール・ド・九州2021 in 唐津
第4戦:5月2日−4日/久万高原ラリー
第5戦:5月21日−23日/RALLY丹後2021
第6戦:6月11日−13日/MONTRE 2021
第7戦:7月2日−4日/2021 ARK ラリー・カムイ
第8戦:8月20日−22日/横手ラリー2021
第9戦:9月10日−12日/RALLY HOKKAIDO
第10戦:10月15日−17日/M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2021