2021年2月11日、TOYOTA GAZOO Racingが「2021年モータースポーツ活動計画」を発表した。すでにシーズンインとなっているものや発表済みのものも含まれるが、この発表からは「参戦や観戦など幅広くモータースポーツを楽しんでほしい」、「モータースポーツ活動をいいクルマ作りに生かしたい」というトヨタのモータースポーツへの思いや取り組みがうかがえる。

「モータースポーツ活動をいいクルマ作りに生かしたい」

新型コロナウイルス感染拡大もの影響もあって2020年は難しいシーズンとなったが、そんな中でもトヨタはWEC世界耐久選手権ではチーム&ドライバーズタイトル獲得とル・マン24時間レース3連覇を達成、WRC世界ラリー選手権でドライバー&コ・ドライバーズタイトルを獲得、全日本スーパーフォーミュラ選手権でチームチャンピオンを獲得するなど、活躍を見せた。

2021年についても、世界的に厳しい環境の中、すでにWEC、WRC、全日本ラリー選手権、スーパーGT、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦することをすでに明らかにしているが、今回新たにカスタマーモータースポーツ、ROOKIE Racingの活動計画、ドライバー育成プログラムを発表した。

カスタマーモータースポーツとは、レースに参戦する車両を市販供給することで世界中のエントラントをサポートする活動のこと。2021年は世界各地で開催されている「GT4」レース規定の「GR スープラGT4」、「GT3」レース規定の「レクサスRC F GT3」を開発してレース活動をサポートする。 この活動はレースを通して得られた技術を市販車へフィードバックすることにもつながると期待される。

画像: プライベートエントラントのために開発されたレース専用車両「GRスープラGT4」。累計販売台数は20台を超え、2021年は欧州で7台、日本では7台、北米でも5台以上のGRスープラGT4がレースに参戦する。

プライベートエントラントのために開発されたレース専用車両「GRスープラGT4」。累計販売台数は20台を超え、2021年は欧州で7台、日本では7台、北米でも5台以上のGRスープラGT4がレースに参戦する。

ROOKIE Racingは、トヨタの社内評価ドライバー、プロドライバー、ジェントルマンドライバーといった様々なスタッフでチームを編成、そのレース活動を「もっといいクルマづくり」に生かそうという取り組み。2021年はスーパー耐久シリーズにGRヤリスとGRスープラで参戦するほか、スーパーフォーミュラやスーパーGTにも挑戦する。

画像: スーパー耐久シリーズに参戦するROOKIE Racing。モータースポーツ活動を「もっといいクルマづくり」に生かすために企画されたレーシングチーム。最高峰の全日本スーパーフォーミュラ選手権、スーパーGTでも活動する予定。

スーパー耐久シリーズに参戦するROOKIE Racing。モータースポーツ活動を「もっといいクルマづくり」に生かすために企画されたレーシングチーム。最高峰の全日本スーパーフォーミュラ選手権、スーパーGTでも活動する予定。

ドライバー育成プログラムは、国内外のレースやラリーで活躍できる日本人ドライバーを育成するためのプログラム。2021年はWRCに勝田貴元、国内レースに宮田莉朋、小高一斗、平良響を起用する。

画像: WRC世界ラリー選手権にヤリスWRCで参戦する勝田貴元。国内外のレースやラリーで活躍できる日本人ドライバーを育成するためのプログラムの下で参加している。

WRC世界ラリー選手権にヤリスWRCで参戦する勝田貴元。国内外のレースやラリーで活躍できる日本人ドライバーを育成するためのプログラムの下で参加している。

世界選手権への活動は、WRCにワークスとして3台のヤリスWRCを投入、WECハイパーカー・カテゴリー(LMHクラス)には2台のGR010ハイブリッドで参戦、チャンピオン獲得を目指す。

国内イベントには、スーパーGT GT500クラスに6台のGRスープラGT500、GT300クラスにトヨタプリウスPHV2台、GRスープラ3台とLEXUS RC F GT3 2台が参戦。全日本スーパーフォーミュラ選手権には6チーム11台にエンジンを供給する。また、全日本ラリー選手権のJN1クラスに2台のGRヤリスGR4ラリーで挑戦することもすでに発表している。

ちなみに、参加型モータースポーツとして、86/BRZレース、ヤリスカップ、ラリーチャレンジを引き続き主催する。

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