2021年2月16日、ボルボのスペシャリストであり、ボルボのレーシング部門として知られるシアンレーシング(Cyan Racing)がチューニングを施した「ボルボ P1800 シアン」。その雪上ドライブの模様を公開して話題を呼んでいる。いま欧州では、シアンレーシングが最新のテクノロジーを駆使して復活させた1960年代の名車「ボルボ P1800」に注目が集まっているようだ。

反響のあまりの大きさに、少量生産する可能性も

そんなシアンレーシングが昨年2020年に企画したのが、今回の1960年代の名車「ボルボP1800」を現代に再現するというプロジェクト。往年のデザインやコンセプト、エンジニアリングを基本としながら、最新のエアロダイナミクスや燃焼技術を採用するというもので、単純なレストアではないのがポイントだ。

「ボルボP1800シアン」は1964年式のボルボP1800をベースに、カーボンファイバーとハイテンションスチールを組み合わせた高剛性軽量ボディ、WTCやTCRで使われるレース仕様をベースとした直噴2L直列4気筒ターボエンジンを搭載。その車両重量は1000kgを切るという。ただし1960年代のピュアなドライブフィーリングを再現するため、運転操作に介在する電子デバイスは搭載せず、ターボエンジンの特性もできるだけ1960年代当時のものに近づけている。

画像: エンジンはWTCやWTCRでタイトルを獲得したレーシングエンジンをベースとした直噴2L直列4気筒ガソリンターボを搭載。ターボ付きだが自然吸気のような出力とトルク特性を発揮するように設計されている。

エンジンはWTCやWTCRでタイトルを獲得したレーシングエンジンをベースとした直噴2L直列4気筒ガソリンターボを搭載。ターボ付きだが自然吸気のような出力とトルク特性を発揮するように設計されている。

タイヤは最新の高性能タイヤであるし、ボディもオリジナルよりも若干大きくなっているが、それは速いラップタイムを実現するためではなく、そのセッティングは愉しくワクワクするようなドライブを実現する方向で進められている。

ボルボP1800シアンの企画は、クルマが大きく変わろうとしている今、現代のモデルが性能向上の中で失った部分を思い出そうという興味深い試み。しかもそれを電動化の最先端を走るシアンレーシングが行ったのはおもしろい。なおこのプロジェクトはボルボとは関係なく独自に進められていたが、その反響の大きさから希望者向けに限定で生産販売する計画も上がっている。

画像: Sideways the Scandinavian way youtu.be

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