クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車を紹介していこう。第3回目は近場での取材に随行することが多かったので、月間としての走行距離は控えめ。気になるようなトラブルなどは何もなく、至って快調である。2カ月が経ち、走行距離も5000kmを超えたステルヴィオの印象について語っていこう。(Motor Magazine 2019年4月号より)

独特な満足感が味わえる“アルファロメオ”

アルファロメオに乗っているという、まさにそのことだけでも、他のモデルでは味わい難い独特な満足感がある。これが、MMステルヴィオ号を担当して2カ月ちょっとをともに過ごしてみた実感である。

もちろん、長期テストレポート車として担当したこれまでのどのブランドでも、そうした満足感はそれぞれに覚えてきた。しかしステルヴィオは、ハンドルを握ると自分の脳裏に、かつてアルファロメオが連綿と積み重ねた栄光あるレーシングヒストリーが浮かび上がってきて、そこへつながる「アルファロメオ」に自分が乗っているのだ、という秘かな、しかし強い満足感を抱くことができるのだ。

「そんなの、ただの思い込みだろ?」と言われれば、確かにそのとおりだとも思う。しかし、そのようなバックボーンがあるのだ、ということが、それを知っている人間にとっては、気分を良くしてくれることであるのも事実なのだ。

とはいえ、そうした過去のことは関係なく、純粋に現在のステルヴィオやアルファロメオが気に入っている、という現代的なユーザーも多いだろうとは思うが。

画像: MMステルヴィオ号とスーパースポーツカーのランボルギーニ アヴェンタドールSVJ。これは2019年3月号取材時のワンシーンだが、ステルヴィオも独自の存在感を備えていることがわかるだろう。

MMステルヴィオ号とスーパースポーツカーのランボルギーニ アヴェンタドールSVJ。これは2019年3月号取材時のワンシーンだが、ステルヴィオも独自の存在感を備えていることがわかるだろう。

5000kmを超え乗り味にも変化が

さて、総走行距離が5000kmを越えたMMステルヴィオ号は、乗り味がこなれてきた印象だ。担当者がステルヴィオに馴染んだという点もあるが、エンジン/サスペンションともにしなやかに動くようになっていると感じられる。

「55273835」という8桁の型式を持つ2L直4SOHCマルチエアターボエンジンは、導入当初よりもその回り方に滑らかさが増している。実はこのエンジン、低回転域からトルクフルで、いかにも効率が優れていると思える8速ATとの組み合わせということもあり、都内などでは2000rpmちょっとまで回せばまず十分にことが足りる。

高速道路での100km/h巡航時も、平坦路なら8速でエンジンはわずか1700rpmぐらいでハミングしているに過ぎない。本線への合流や料金所からの加速時でも、回してもせいぜい4000rpmぐらいだ。深く踏み込めば軽く6000rpm近くまで気持ち良く伸びていくが、これもまたアルファロメオらしさである。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)

■第3回/20198年1月24日~2月22日(3カ月目)のデータ
・オドメーター:5433km
・走行距離:1187km
・給油量:115.9L
・実燃費:10.2km/L

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