850HPと750Nmを発生する新型V12エンジンを搭載
創業者であり、チーフデザイナーでもあるオラチオ・パガーニが率いるパガーニ・アウトモビリ(以下、パガーニ)は、北イタリアのサン チェザリオ スル パナーロという町に本拠地を置くハイパー スポーツカー メーカーだ。
今回発表された「ウアイラ R」は、2012年に発表され「走る芸術品」とも呼ばれるウアイラのハイパフォーマンス バージョンだ。日本では、先日ウアイラのロードスターBCが発表されたばかりだが、ウアイラ Rは、将来のパガーニモデルとなるべく開発されている技術を取り入れた実験的なモデルだ。しかも、レーストラック専用に開発された究極のハイパーカーであるため、公道走行は考慮されていない。
ミッドシップ搭載されるパワーユニットは「V12ーR」と呼ばれるパガーニ製の新型エンジンで、自然吸気の6L V型12気筒。最高出力は850HP(625kW)、最大トルクは750Nmを発生し、6速のシーケンシャル ノンシンクロ ドグミッションを介して後輪を駆動する。
純粋で情熱的で力強いというパガーニの特徴を、自由自在かつ魅力的に表現したパガーニ Rは、最高水準の自動車工学および空気力学のノウハウにかつてない美的感性を融合させた、パガーニの技術力と開発力を完全に体現した最新モデルといえる。
オラチオ・パガーニは、
「2008年より私たちはウアイラの開発に取り組んでいましたが、エンジニアリングとスタイルの観点から非常に難しく、厳しいプロジェクトとなっていました。長い開発期間を経て、自由に表現したいという思いを強く持ち続けた結果、生まれたのがゾンダ Rです。ゾンダ Rは制約や規則から解き放たれたロードトラック用モデルであり、美しさ、高いパフォーマンス、安全性のすべてを備えていました。今回のウアイラ Rもゾンダ Rと同様、パガーニ史上もっとも自由でエクストリーム、かつ高いパフォーマンス性を実現したモデルになります」と語っている。
最高水準の安全性を実現し、最新技術を駆使して作られたウアイラ Rは、1050kgまでの軽量化に成功している。前述のように30台の限定生産で、車両価格は260万ユーロ。1ユーロ=130円として換算すると、日本円では約3億3800万円!+税ということになる。ノーマルのウアイラは「走る芸術品」と呼ばれたが、このウアイラ Rは「サーキットの芸術品」ということになるだろう。そのエンジンサウンドやディテールは、動画でどうぞ!
■パガーニ ウアイラ R 主要諸元(メーカーによる目標推定値)
●エンジン:パガーニ製V12ーR 自然吸気6L V型12気筒
●最高出力:850HP(625kW)/8250rpm
●最大トルク:750Nm(76.5kgm)/5500-8300rpm
●ギアボックス:6速シーケンシャル ノンシンクロ ドグミッション
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●ブレーキ:ブレンボ製 CCM-R ベンチレーテッドディスク
(前410×38mm/後390×34mm、モノシリック6ピストン&キャリパー)
●ホイール:APP製 鍛造モノシリック アルミ合金、19インチ
●タイヤ:前275/675R19、後325/705R19(ピレリ Pゼロ スリックバージョン、ドライ&ウエット)
●サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン(鍛造アルミニウム合金製、ヘリカルスプリングと電子制御ダンパーを装備)
●シャシ:パガーニ製カーボチタンHP62 G2およびカーボトリアックスHP62によるモノコック+CrMo合金鋼製の前後チューブラーサブフレーム
●乾燥重量:1050kg(2314ポンド)
●車両価格:約3億3800万円+税