Dセグメントにあたらしい風を吹き込むアバンギャルド
今回発表されたシトロエンの新しいフラッグシップモデル「C5 X」は、これまでにかつてない独創的なデザインが特徴のDセグメントモデル。全長4805mm、全幅1865mm、全高1485mm、ホイールベースは2785mmで、高い車高と19インチホイール&ナロータイヤの装着により、高めのドライビングポジションを実現している。
そのスタイリングは個性的で主張が強く、Dセグメントのスタンダードからかけ離れたフォルムを採用。長いフロントフードやテールゲートはシトロエンの歴史的名車を思い出させる。V字型のライトシグネチャーは新型C4で導入されたシトロエンの新しいアイコンでもある。
発表会の中で、シトロエンのヴァンサン・コベ CEOは「シトロエンは、C5 Xという野心的なラージツーリングビークルを生み出しました。まさに、世界を旅したいと願うお客さまにご満足いただくためのツールです。今回のニューモデルには、シトロエンの培ってきた技術がすべて具現化されています」と語っている。
また、C5 Xを開発する過程で「もっとも大きな関心ごとは快適性、居住性だった」とも語っている。その大きなポイントがC5 Xとともに発表された「シトロエン・アドバンスト・コンフォートアクティブサスペンション」。これはシトロエンらしい「魔法の絨毯で旅をしているかのような感覚」を生み出すもので、凹凸のあるあらゆる路面を克服。路面の上をまるで飛んでいるかのようなフィーリングを実現するため、3つのモードを設定して、走行中のダンピングやコーナリングに対応して効率的なサスペンションの動きを実現する。
ラウンジのような室内空間は、特別な厚みのあるフォーム構造により独特の心地よさを実現するアドバンスト・コンフォートシート、圧倒的な広さを誇る2列目シート、すっきりとしたダッシュボードにより、広大でクリーン。その余裕のある空間は乗る人にリラクゼーションをもたらすとしている。
また、後部側面の窓ガラスを含む車内の広いガラスエリアや大開口のガラスサンルーフにより、室内は明るく、遮音性の高いラミネート加工を施したフロントウィンドウとリアウィンドウを採用して静粛性も高めている。
汎用性を重視する欧州のユーザーにアピールするために、トランクスペースはフラットなフロアと側面、広く低く機能的な開口部を実現したのはもちろんのこと、通常時545L、最大1640Lという容量を実現。テールゲートと連動したラゲッジロールアップ、ハンズフリー機能も備える。
インテリアは温かみのある素材を用いて、細部にまでこだわってデザイン。「My Citroen Drive Plus」はコネクティビティを重視したインフォテインメント インターフェースで、12インチHDタッチスクリーン、4つのUSB Type-Cソケット、ワイヤレス スマートフォン充電を備え、クラウドを介して情報はリアルタイムに更新される。また、カスタマイズ、お気に入りの表示設定、ホーム画面のウィジェットなど、タッチスクリーンのタブレットのようなインターフェースを採用している。このシステムには会話型音声認識機能も搭載されている。
運転支援システムは自動運転のレベル2を実現、アダプティブクルーズコントロールとストップ&ゴーを組み合わせた「ハイウェイドライバーアシスト」や「レーンキーピングアシスト」、ロングレンジブラインドスポット ディテクション、バック時の危険を検知するリアクロストラフィック アラートを搭載。プロキシミティ ハンズフリーアクセス&スタートなどの機能も備えている。
パワートレーンはガソリンエンジン仕様とプラグインハイブリッド仕様(PHEV)を設定。225psを発揮するPHEVは、ZEVモードで50km以上の走行と最高速135km/hが可能とアナウンスされている。
シトロエン プロダクト戦略ダイレクターのローランス・ハンセン氏は「C5 Xをとおし、現代性、洗練性、快適性、多機能性を求めるDセグメントのお客さまに、感情と理性に訴えるクルマを提供したいと考えました。ユニークなボディスタイル、さらに向上したコンフォート、プラグインハイブリッド エンジンと革新的な技術により、C5 Xはシトロエンらしい喜びと安心感を提供します」とC5 Xをアピールする。
なお、C5 Xは2021年後半に欧州で発売が開始されると発表されたが、詳細なスペックや価格などは公表されていない。日本への導入時期は未定。