「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 NV200バネット 16X-2Rだ。

動力性能も快適性も、おもてなしも必要十分

画像: インパネのデザインセンスはけっこう高い。およそ商用車からの派生とは思えないほどのクオリティだ。

インパネのデザインセンスはけっこう高い。およそ商用車からの派生とは思えないほどのクオリティだ。

実際に走ってみると、いかにも商用車がベースという感じでかなりローギアード。カラ荷だと、思った以上に鋭いスタートダッシュで流れをリードできる。その加速ぶりは、ただの1.6Lエンジンとは思えないほど。そのぶん、高速クルージングは少々苦手そうだが、それでも快適性や安定感は必要十分なレベルにある。

乗り心地は、けっしてしなやかという部類のものではないが、ゴツゴツとまではいかない適度な硬さだ。そのせいか、乗り心地に振り過ぎて走りはイマイチなゴージャス系ミニバンに比べれば、かなりシャキッと走る。コーナーが少しキツい高速道路のジャンクションなどでも不満を感じることがなかったことは、意外だった。重い荷物を積んだ時は、さらに安定するかもしれない。

ワゴンとして、すべてにおいて必要十分な仕上がりをみせるNV200バネットは、あくまでも遊びのツールとして割り切るといいだろう。あとはユーザーがその資質をどう使い切るかだ。日産では、このクルマの荷室を有効に使うために豊富なオプションを用意しているから、それらを組み合わせて、いかにカッコ良く使うか?が重要なポイントではないだろうか。

要は、使い手のセンスが重要になる。うまく使いこなせば、CMではないけれど「モノより思い出」はいっそう深まり、未来はもっと楽しくなるだろう。

画像: 適度な硬さの乗り味で、最近のゴージャス系なミニバンより走りはしっかりしている。荷物を積めば、さらに安定しそうだ。

適度な硬さの乗り味で、最近のゴージャス系なミニバンより走りはしっかりしている。荷物を積めば、さらに安定しそうだ。

■日産 NV200バネット 16X-2R 主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×1695×1850mm
●ホイールベース:2725mm
●車両重量:1310kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:80kW<109ps>/6000rpm
●最大トルク:152Nm<15.5kgm>/4400rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:13.2km/L
●タイヤ:165/80R14
●当時の車両価格(税込):181万1250円

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