最低限の燃料と新品タイヤでポールを獲得
プロローグテスト、フリー走行2回目までLMP2車両に遅れをとっていたトヨタGR010ハイブリッドが、予選で本領を発揮。最低限の燃料を搭載し、新品タイヤで予選セッション開始と同時に先陣を切ってコースインすると、他車がいないクリーンなアタックラップで2台揃って好タイムをマーク。そのままリードを守って、フロントロウを独占した。
今シーズンから、各車1名のドライバーによるアタックラップで順位を決定するという予選方式に変更され、小林可夢偉のアタックでトヨタGR010ハイブリッド 7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)がポールポジションを獲得。中嶋一貴がアタックした8号車(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)が0.519秒遅れの2位となった。
TOYOTA GAZOO Racingにとっては完璧な予選セッションとなったが、ロングランではLMP2車両が強敵となりそうだ。
小林可夢偉(トヨタGR010ハイブリッド 7号車)
「ハイパーカーでの初予選でポールポジションを獲得できたことを誇りに思います。今日までの道のりは簡単ではなく、今週も幾つかのトラブルに見舞われ、完璧とは言えませんでした。しかし予選では全てをかけてアタックし、GR010 HYBRIDはとても好調でした。燃料の少ない状態でのアタックは初めてでしたが1周目から素晴らしい走りができ、素晴らしい仕事でGR010 HYBRIDを仕上げてくれたチームに感謝しています。新しいハイパーカーのルールの中で、ゼロからレースカーを作り上げるというのはとても難しいチャレンジでしたが、このラップタイムでそれに応えられたのは良かったと思っていますし、このクルマの開発の一員として貢献できていることを嬉しく思います。明日はさらにチャレンジングな一日になるでしょう。特にタイヤの摩耗についてはまだ克服しなければならないことが沢山あります。まずは信頼性を確保し、最優先事項はレースを確実に完走することです」
中嶋一貴(トヨタGR010ハイブリッド 8号車)
「私自身のアタックラップは完全にクリーンとは言えませんでした。GR010 HYBRIDはとても好調で、新品タイヤでのハンドリングも満足で、予選アタックを楽しむことができました。ただ、もう少しタイムは縮められたと思います。プロローグテストが始まったときに比べれば、クルマへの満足度は高まっていますし、コースの路面コンディションも向上しています。感触は良くなっていますが、1セットのタイヤで2スティント走る決勝レースはとても難しくなると思います。判断を間違わず、優勝争いをすること、それが我々の目標です。決勝レースでは優勝を目指してGR010 HYBRID同士ハードに戦えることを臨んでいます」
ハイパーカー時代の幕を開ける、2021年シーズン開幕戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースは、5月1日現地時間13時30分(日本時間20時30分)にスタートが切られる。
WEC第1戦スパ・フランコルシャン6時間レース公式予選結果(総合順位)
1位 7 TOYOTA GAZOO Racing/トヨタGR010ハイブリッド 2:00.747
2位 8 TOYOTA GAZOO Racing/トヨタGR010ハイブリッド 2:01.266
3位 22 ユナイテッド・オートスポーツ/Oreca 07-Gibson 2:02.404