2021年5月20日、F1第5戦モナコGPの開幕がいよいよ迫ってきた。レッドブル・ホンダとアルファタウリ・ホンダの両勢力はどう戦おうとしているのか、直前情報をお届けしよう。

ドライバビリディの良さで予選上位を狙うレッドブル・ホンダ

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「モナコGPは、いつだって特別な舞台です。ほかのコースとは大きく異なり、サーキットはとても狭いのですが、予選でのアタックは素晴らしいものです。一周をまとめきれれば本当に気持ちいいですし、ラップタイムもよくなって笑みがこぼれます。僕はこれまでモナコで表彰台の経験がないので、それを変えたいですね!トラブルなくレースウイークを進めることがとても重要だと思います。僕らが速いかどうかはこれから分かりますが、ここまで予選ではかなり僅差の戦いができているので、モナコでも同じ状況であればと思います。モナコではミスが許されないというのはよく分かっています(笑)。土曜日は絶対に完璧な一日にしなければなりません。そうすれば、レースではオーバーテイクが難しいので、大抵はそのままの結果になりますが、波乱が起きる可能性も高いです。表彰台の中央に立てるよう、土曜、日曜ともにベストを尽くす必要があります」

画像: モナコではなぜかまだ表彰台のないフェルスタッペン。

モナコではなぜかまだ表彰台のないフェルスタッペン。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「マシンを快適にドライブできるようになっていますし、モナコでもそれを示したいです。モナコでのレースを楽しみにしています。特に、昨年は開催がなかったので、なおさらです。レッドブルはこれまでモナコでは強いので、勝利を目指して戦えればと思います。ここではミスの許容範囲がとても狭いので、マシンに大きな自信を持つ必要があります。僕の自信は深まっていて、それを今週末を通じて示すことができればと思います。また、今回はファンの皆さんがいるので楽しみです。雰囲気が全く異なります」

画像: レースごとに調子を上げてきているペレス(左)。右は角田裕毅。

レースごとに調子を上げてきているペレス(左)。右は角田裕毅。

連続入賞を続ける好調アルファタウリ・ホンダ

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「スペインがうまくいかなかっただけに、モナコを楽しみにしています。これまでどのカテゴリーでもモナコでレースをしたことはありませんが、マカオでのレースなど、市街地コースでの経験はかなりあるので、問題ありません。モナコのような市街地ではアプローチを大きく変える必要がありますし、特に初めてのコースであることを考慮していきます。トラックエボリューション(路面グリップの改善)が大きなファクターで、初めはグリップが低いのですが、セッションごとに改善していきます。カギになるのは、フリー走行でクラッシュせず、走行時間を最大限確保することです。今週末は通常と異なることが多いのですが、モナコでは金曜に走行がなく、木曜にフリー走行を行うというのを、スペインにいるときに知りました。集中力を失わないようにする必要がありますが、適応できるはずです。準備のために、シミュレーターの時間をたくさん取りました。ここまで僕らのマシンは低速コーナーでベストの状態になっておらず、モナコでもそこが課題になります。ただ、マシンは重要ではあるものの、僕がどれだけコースに順応できるかが一番の課題です。フリー走行では、自分のドライビングに焦点を当てていきますが、セットアップに役立つよう、エンジニアへできる限りいいフィードバックもしていこうと思います。市街地コースでは予選がいつも以上に重要なので、そこでマシンに自信が持てるかが大切です」

画像: 入念にコースをチェックする角田裕毅。初めてのモナコでどんな走りを見せるか楽しみだ。

入念にコースをチェックする角田裕毅。初めてのモナコでどんな走りを見せるか楽しみだ。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「モナコは大好きなサーキットで、昨年は開催がなかったので、戻ってこられてとてもうれしいです。とても特別なコースで、今年レースをした4つのサーキットとは何も共通点がありません。市街地コースでは独特の課題があり、グリップが低い中での走行開始になるので、なるべく早くマシンの挙動をつかみ、速く走るために何が必要かを解明して、連続入賞を続けていきたいと思います。モナコではなるべく多くの走行時間を確保することが重要ですが、ガレージに留まる時間を減らすことで、これまでも過去と同じくらいの周回数をこなせているので、金曜のフリー走行が短くなったことが問題になるとは感じていません。もちろん、モナコは適応に少し時間のかかるコースです。マシンの限界を探り、できるだけウォールに近づいていきながら、セッションごとに自信を深めていきます。そして、レース結果の95%は予選に左右されるので、土曜の午後に全力を尽くします。今回のレースでは限られた数ではあるものの観客が入るのは素晴らしいことです」

画像: モナコに自信を見せるガスリー。予選がうまくまとめられればチャンス。

モナコに自信を見せるガスリー。予選がうまくまとめられればチャンス。

タイヤを供給するピレリは「モナコGPではもっとも柔らかい3つのコンパウンドのタイヤを供給します。今シーズン初めて、もっとも柔らかいタイヤC5が登場することになります。タイヤは、特に柔らかいコンパウンドは比較的簡単に暖まります。ストリートサーキットであるため、初めは非常に滑りやすく、急速に進化するのですが、金曜日に走行がなく、木曜日夕方にコースは一般に開放されるので、土曜日の予選の前に路面がリセットされることがよくあります。ここではメカニカルグリップをいかに得るかが成功の鍵となるでしょう。またモナコの市街地コースは追い越しが難しいことで有名で、ドライバーは予選で最も柔らかいC5タイヤから最大限の力を引き出す必要があります。決勝レースの戦略も簡単ではありません。モナコは伝統的にワンストップレースですが、セーフティカーが導入されることも多く、それが勝敗をわけることもあります。戦略はセーフティカー導入に反応する傾向があり、タイヤの摩耗と劣化が非常に少ないためにピットストップウィンドウが広く、幅広い戦略が考えられるでしょう」をレースを分析。

画像: モナコ市街地コース。目安となる通過速度とギアポジションが参考として入っている。

モナコ市街地コース。目安となる通過速度とギアポジションが参考として入っている。

一方、ホンダ勢のライバルとなるメルセデスは「モナコはダウンフォースの大きなトラックであり、それがレッドブルの強みになっていることは理解しています。彼らはスペインのセクター3では非常に速かったので、モナコでいい成績を上げる可能性が高いと見ています」とレッドブルの速さを警戒したコメントを発信している。

第5戦モナコGPは5月20日11時30分(日本時間18時30分)から始まるフリー走行で開幕する。

2021年F1第5戦モナコGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:5月20日11時30分〜12時30分(日本時間18時30分〜19時30分)
フリー走行2回目:5月20日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
フリー走行3回目:5月22日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
予選:5月22日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
決勝:5月23日15時〜(日本時間22時〜)

【参考】2019年F1第6戦モナコGP予選 

1位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:10.166
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)1:10.252
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:10.618
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)1:10.947
5位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ)1:11.041
6位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)1:11.109
7位 3 D.リカルド(ルノー)1:11.218
8位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)1:11.271
9位 55 c.サインツ(マクラーレン・ルノー)1:11.417
10位 23 A.アルボン(トロロッソ・ホンダ)1:11.653
※5位のP.ガスリーはQ2での走行妨害のため予選終了後に3グリッド降格が決定。決勝は8番グリッドからのスタート。

【参考】2019年F1第6戦モナコGP決勝

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)78周
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+2.602s
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+3.162s
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+5.537s
5位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ)+9.946s
6位 55 C.サインツJr.(マクラーレン・ルノー)+53.454s
7位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+54.574s
8位 23 A.アルボン(トロロッソ・ホンダ)+55.200s
9位 3 D.リカルド(ルノー)+60.894s
10位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ)+61.034s

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