初めてのモナコではやはり経験不足か、わずかにQ1クリアならず
角田裕毅にとって初めてのモナコは厳しい結果となった。やはり、木曜日のフリー走行でリアホイールをガードレールにヒットして十分に走行できなかったのが痛かった。
予選Q1ではとくにトラフィックをどう処理するかがポイントになるだけに、角田は開始前からピット出口に並び2番目にソフトタイヤでコースイン。タイヤに熱が入れながらまずタイムを出したものの、そのタイムでは各車がタイムを更新していくなかで18番手までドロップ。そこで、残り時間ギリギリのタイミングで新品のソフトタイヤに交換して最後のアタックラップに出る。そこで自己ベストタイムを更新したものの、16番手にとどまりQ1突破はできなかった。15番手のセバスチャン・ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)との差は0.018秒だった。
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
「モナコでの走行経験がないこともあり、今週末はとてもチャレンジングになっていますが、予選でのラップはよかったと思うので、Q2進出を果たせなかったのは不運でした。3回のアタックラップを走る予定が、セッション中に(車検で)重量計測を行わねばならなかったことでプランが狂い、2回に終わってしまいましたし、ベストラップでもセクター2ではトラフィックに遭ってしまいました。すべてのデータを分析して、ピエールと比較して僕はどこが弱いのかを確認しなければなりません。そして、彼とともにQ3で戦えるように改善できればと思います。僕らはレースごとに進歩を見せられていると思いますし、マシンのパフォーマンスには満足しています」
一方、チームメイトのピエール・ガスリーは好調で、Q1、Q2をあっさりとクリアすると、Q3でもまずタイムを出して、上位勢が最終アタックに入る前にコースイン。シャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュによる赤旗中断前に素晴らしいラップをマークして6番手に入った。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「予選には心から満足しています。ほかのドライバーがマシンの力を最大に活かせない中で、僕らはベストを引き出せたのだと思います。重要なタイミングで力強いマシンを用意してくれましたし、チームが取り組んでくれたことすべてに満足しています。レースウイーク中で最高のラップになりました。決勝ではいいスタートが必要ですし、戦略面でもハードワークが必要です。F1マシンでこのコースを走るときには、とてつもなく高い集中力になるんです。ほかのコースと大きく異なり、限界まで攻めてできる限りウォールに近づくことが重要です。この感覚はほかの場所では得られないと思います。僕の人生の中でも最高のフィーリングで、だからこそ僕はこのコースが一番気に入っています。このモンテカルロの市街地で走った直後で、まだアドレナリンが出ています」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「モナコの市街地コース初走行となった角田選手は、0.018秒という僅差でQ2進出を逃してしまいましたが、ベテラン選手に混じり、落ち着いた予選走行ができたと思います。レースをきっちりと完走して、さらに経験を積み上げてほしいです。ガスリー選手は、木曜からいい走りを見せており、持てるパフォーマンスを走りにつなげて予選6番手と、レースに大きな期待を持てる結果となりました」とコメントしている。
2021年F1第5戦モナコGP決勝は5月23日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。
2021年F1第5戦モナコGP予選 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:10.346
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:10.576
3位 77 V.ボッタス(メルセデス) 1:10.601
4位 55 C.サインツ(フェラーリ) 1:10.611
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) 1:10.620
6位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) 1:10.900
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:11.095
8位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス) 1:11.419
9位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ) 1:11.573
10位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ) 1:11.779
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16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)