19世紀の名品を現代的な形でオマージュ
ジラール・ペルゴは、1791年に創業した高級時計マニュファクチャーだ。時計マニアにとっては憧れのブランドのひとつであり、2021年で創立230周年を迎える。アストンマーティン・ラゴンダは2021年初頭からジラール・ペルゴとオフィシャル ウオッチ パートナーシップの関係を結んでいる。
今回発表された「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン−アストンマーティン エディション」は、両社のパートナーシップから生まれた初めての時計だ。この時計は、ジラール・ペルゴの時計製造に関する知見と、アストンマーティンのラグジュアリーとパフォーマンスに関する独自の知識とが融合されている。
この時計は19世紀以来羨望の的となってきたスリー・ブリッジの懐中時計に対し、ストラップをはじめとする細かいディテールにいたるまでを、現代的な形でオマージュされている。ストラップには世界初の機能が採用されており、ブラックのカーフレザーにホワイトゴールドを使用した革新的なラバーインサートが組み合わされている。
44mmのケースはアストンマーティンによって選ばれた軽量かつ金属アレルギーを起こしにくいグレード5のチタン製。ブラックDLC(ダイヤモンド ライクカーボン)コーティングを施して、ステルス性の高い外観となっている。
前面と背面にサファイアクリスタルのボックスを採用し、同軸照明でケース内部を照らして視認性を高めている。ムーブメントは地板が排され、2枚のクリスタルガラスに挟まれて空中に浮いているように見える。文字盤全体に広がる、ジラール・ペルゴを象徴するスリー・ブリッジはブラックPVD(物理的蒸着法)処理を施したチタン製で、角がポリッシュ仕上げとなっている。
通常は視界から隠されているムーブメントの部品も眺められ、ケースの中でムーブメントが空中浮揚しているかのように見えることから、「フライング ブリッジ」という名称が与えられた。文字盤の下に配されたトゥールビヨンと呼ばれる機構のケージは、特徴的な竪琴(リラ)の形をしている。ケージの直径は10mmで、ブルーの秒針が取り付けられている。
12時の位置に配された香箱(ゼンマイが収納された部品)はスケルトン加工され、主ゼンマイの一部が見える。香箱の下に取り付けられたホワイトゴールド製のマイクロローターが主ゼンマイを動かし、これによってムーブメントの眺めが妨げられることはない。
マイクロローターの垂直の側面にはアストンマーティンの名が刻印され、こことインデックス(目盛り)や針にホワイトの蛍光塗料が塗布され、暗い場所では青く見える。
ジラール・ペルゴとアストンマーティンのパートナーシップから生まれた「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン−アストンマーティン エディション」は、シリアルナンバー付きの18本限定生産で、国際価格は12万9100スイスフラン/9万3900英国ポンド/14万6000USドル。日本での価格は、1738万円(税込)とされている。
世界各国のジラール・ペルゴ正規販売店で即日販売開始される。果たして、この時計を日本で手に入れる幸運な人はいるのだろうか。
■スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン−アストンマーティン エディション 主な仕様
●ケース
素材:グレード5のチタン製、ブラックDLC処理
直径:44.00mm
厚さ:15.52mm
風防:無反射加工サファイアクリスタル「ボックス」
裏ぶた:サファイアクリスタル「ボックス」
文字盤:なし-ブラックPVDのブリッジ
針:「ドーフィン」型スケルトン仕上げ、「ブラックゴールド」加工のソリッドゴールド、蓄光塗料付き
防水:30m(3ATM)
●ムーブメント
機械式自動巻き
パワーリザーブ:約60時間
●ストラップ
素材:ラバー調アリゲーターストラップ
バックル:トリプルフォールディング バックル、グレード5のチタン製、ブラックDLC処理
ラバー合金インサートを用いたブラック カーフレザーストラップも付属
●価格:1738万円(税込)