「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ダイハツ ムーヴの最上級グレード、Xリミテッドだ。

停止も再始動も、とても静かな「エコアイドル」

画像: 余分なスイッチがなく、とても機能的なインストルメントパネル。Xリミテッドは運転席シートリフターとチルトステアリングを標準装備。

余分なスイッチがなく、とても機能的なインストルメントパネル。Xリミテッドは運転席シートリフターとチルトステアリングを標準装備。

アイドリングは、カスタムRS同様かなり静かだ。走り出して最初の信号待ちで、さっそくアイドリングストップ機能の「エコアイドル」が作動した。しかも、音も振動もほとんどなく停止するので、けっこう気がつかない人もいそうだ。それでもシーンとした室内で、インジケーターのストップ時間が増えていくのを見ていると、なんとなく得した気分になる。

青信号になってブレーキを緩めると、素早くエンジンが再始動する。この時、ブルンと音はそれなりにするけれど、振動は小さくて不快感はない。勾配10%以上の坂道や、5km/h以下のノロノロ渋滞などでは作動しないなど、使い勝手はしっかり吟味されている。

加速フィールも滑らかだ。けっして速くはないけれど、軽自動車としてはとても穏やかな力感を感じさせる。また、カスタムRSよりもステアフィールがしっとりと落ち着きがあるのも高ポイント。乗り心地も満点に近く、リラックスできる。とはいえ、リアシートでは室内に入ってくるノイズがやや大きめだった。

シートのアレンジや使い勝手、ラゲッジスペースの広さなどはカスタム系と基本的に変わらず、優れたパッケージングは先代譲り。新型ムーヴは、いろいろな意味で動きが素直で運転しやすく、誰にでもすぐにフィットできるクルマに仕上がっていた。

画像: パワーは必要にして十分なレベル。スモークがかったリアコンビランプは淡いピンクのアレンジがオシャレだ。

パワーは必要にして十分なレベル。スモークがかったリアコンビランプは淡いピンクのアレンジがオシャレだ。

■ダイハツ ムーヴ Xリミテッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1635mm
●ホイールベース:2455mm
●車両重量:810kg
●エンジン種類:直3 DOHC
●排気量:658cc
●最高出力:38kW<52ps>/7200rpm
●最大トルク:60Nm<6.1kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:27.0km/L
●タイヤ:155/55R14
●当時の車両価格(税込):132万円

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