1周目のアクシデントでフェルスタッペン脱落
史上初の試みとなった土曜日のスプリント予選を制してポールポジションについたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンと、2番グリッドに並びホームの大観衆を前に絶対に負けられないハミルトン。今年のタイトルを争う主役ふたりの意地が、1周目にまさかのアクシデントを呼んだ。
スタートでなんとか首位を守ったフェルスタッペンに対し、ローダウンフォースセッティングでストレートスピードの速いハミルトンが高速コーナーのコプスのターンインで仕掛け、両車は接触。アウト側にいてリヤタイヤを弾き出される形となったフェルスタッペンはコースアウト、クラッシュを喫してここでリタイアとなってしまったのだ。
一方のハミルトンはアクシデント直後にルクレールにはかわされたものの、ほぼ無傷で赤旗後の再スタートを迎えるという明暗が分かれることとなった。
10秒ペナルティを覆しハミルトンが大逆転勝利
再スタート後、ルクレールに次ぐ2番手のポジションにつけていたハミルトンにはフェルスタッペンとの接触の責任があると判断され、10秒のタイムペナルティが課されることになる。
しかし、28周目のハードタイヤへの交換時にペナルティを消化したハミルトンは、そこから大逆転に向けてランド・ノリス(マクラーレン)とチームメイトのボッタスをかわしながら、ルクレールとの差を削り取っていく。
そして残り2周となった50周目。一気にフェラーリとの差を詰めたハミルトンは因縁のコプスで再びインをついてオーバーテイク、そのまま今季4勝目、通算99勝目のチェッカーに飛び込んだ。
「マックスもちょっとアグレッシブに守りすぎたと思うけど、ペナルティに関してはまあ、受け入れている」とレース後にライバルとのアクシデントを振り返ったハミルトンは、地元観衆を前に充実の笑顔。これで無得点に終わったフェルスタッペンとのポイント差を一気に8点まで縮めることになった。また、レッドブルとメルセデスのコンストラクターズ選手権でのポイント差もわずか4点となった。
ホンダ勢は角田裕毅が1スティント目を引き伸ばす戦略を成功しさせて10位入ったが、ガスリーとペレスは無得点に終わった。
第11戦ハンガリーGPは、7月30日から8月1日、首都ブタペスト近郊のハンガロリンク・サーキットで開催される。
2021年F1第10戦イギリスGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)52周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+3.871s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+11.125s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+28.573s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+42.624s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+43.454s
7位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+72.093s
8位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+74.289s
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+76.162s
10位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+82.065s
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11位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+85.327s
16位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+1周
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 185
2位 L.ハミルトン(メルセデス) 177
3位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 113
4位 V.ボッタス(メルセデス) 108
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)104
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 80
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9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)39
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)10
2021年コンストラクターズランキング(第10戦終了時)
1位 レッドブル・ホンダ 289
2位 メルセデス 285
3位 マクラーレン・メルセデス 163
4位 フェラーリ 148
5位 アルファタウリ・ホンダ 49
6位 アストンマーティン・メルセデス 48