ハミルトンとフェルスタッペンの攻防、明と暗
イギリスGPでのフェルスタッペンとハミルトンの攻防は、見応えのある凄まじいものだったが、一転、今後に大きな問題を残すものとなってしまった。
ポールポジションのフェルスタッペンはなんとかスタートで首位を守ったものの、ローダウンフォースセッティングでストレートスピードの速いハミルトンから激しいアタックを受けていた。
アクシデントが起きたのは1周目の高速コーナーのターン9「コプス」。後方からオーバーテイクを試みたハミルトンの左フロントタイヤが、フェルスタッペンの右リアタイヤに接触。アウト側にいたフェルスタッペンは弾き出される形となって高速でコース外のバリアに激突した。
フェルスタッペンは51Gもの衝撃とともに衝突、幸いフェルスタッペンは自力でマシンを降り、救急車へ歩いて乗り込むことができたが、その後、さらなる検査を行うために、地元の病院へと搬送された。
このインシデントについて、スチュワートはハミルトンに接触の責任があると判断し、無傷でそのままレースに復帰したハミルトンに10秒のタイムペナルティを科している。しかし、この後、ハミルトンが優勝したことで、問題はさらにややこしくなってしまった。
レース後、ハミルトンは「マックスもちょっとアグレッシブに守りすぎたと思うけど、ペナルティに関してはまあ、受け入れている」とコメント。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「映像を何度も見返しましたが、コプスのようなF1の中でも最速のコーナーのひとつで、イン側からホイールを向けてくるというのは間違った判断で、ルイスが多大なリスクにさらしたと感じざるを得ません。接触の瞬間を見て分かるように、ルイスはマックスに並びかけておらず、ルイスの左フロントがマックスの右リアに当たっています。今日の出来事はチャンピオンシップ獲得に向けて、我々の闘志にさらなる火をつけたと思っています」と語っている。
接触の原因を作ったとされるドライバーが優勝、トップを走っていたドライバーがリタイア。レースインシデントで片付けるにはあまりにも大きな事故で、優勝を喜ぶハミルトンの行動、言動も大きな問題になっている。
2021年F1第10戦イギリスGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)52周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+3.871s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+11.125s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+28.573s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+42.624s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+43.454s
7位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+72.093s
8位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+74.289s
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+76.162s
10位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+82.065s
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11位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+85.327s
16位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+1周
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 185
2位 L.ハミルトン(メルセデス) 177
3位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 113
4位 V.ボッタス(メルセデス) 108
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)104
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 80
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9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)39
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)10
2021年コンストラクターズランキング(第10戦終了時)
1位 レッドブル・ホンダ 289
2位 メルセデス 285
3位 マクラーレン・メルセデス 163
4位 フェラーリ 148
5位 アルファタウリ・ホンダ 49
6位 アストンマーティン・メルセデス 48