プラモデルのような色艶を実車でも実現
今回は、プラモデルで有名な株式会社ハセガワ(以下、ハセガワ)の自動車用のコーティング剤だ。発売に至るきっかけはホビーショーに展示していたカーモデルにある。ハセガワは、これらをピカピカに輝かせて展示していたわけだが、それには多数の工程と時間が必要となる。これを誰でも簡単にという意図で開発したのが「模型用ハセガワコーティングポリマー」で、実はこれは模型以外の携帯電話や実車にも使用できて好評を得ていた。
ただ、実車に使う場合には、もっと容量が大きいものを出して欲しいという要望も多く、ハセガワとしては畑違いは承知の上、実車仕様のコーティングポリマーを開発したというわけだ。もちろん、ただ容量を増やしたというだけでなく、実車に必要な耐候性、作業性の良さなどを加味し、光沢も実用車として特別開発したというのもハセガワならではのポイントになる。
ということで、さっそくこの製品を実車に使ってみた。クルマはマツダ ロードスター(NCEC型)でカラーは「トゥルーレッド」というソリッドの赤。ちなみに施工をしてくれたのはスーパー耐久レースシリーズのドライバーとして売出し中の眞田拓海選手だ。
まずは下準備として通常の洗車をする。この個体はサーキット走行を頻繁に行うために、ボディにタイヤカスが付いていたり、若干追突痕があるが、まあまあきれいになった。ただ、それまでのコーティングは効いていないようで、水の弾きはなく、だらっと流れてしまう感じで、コーティングを効果を試すには絶好の?コンディションだ。
洗車後、ボディの水を拭き上げたのち、コーティングポリマーの溶液をクロスに噴霧してボディに塗り込む。眞田選手によると、この作業は溶液に粘性もないために、とくに力作業という感じもなく、普通にボディを乾拭きしているのと同じという。ただ、新型コロナ禍中ということで、マスクをして真夏の炎天下の作業のためにさすがに暑そう、とはいっても塗り込む作業自体は苦にならないと眞田選手は言っていた。
そしてその後、再びボディを水洗いする。2回洗わなければならないということでは、ちょっと手間に感じる部分のようにも思う。ただ、ここは従来のコーティング剤だとボディに塗り込んだ上に、ムラにならないように拭き取るという重作業が必要だったことを考えれば、実際にはかなり楽になっていると言っていいだろう。
再度の洗車のためにボディに水をかけると、この段階でそれが細かい水玉となり、ボディにとどまることなく次々に流れ落ちる感じで気持ちがいい。ガラスコーティングのような感じと言っていいだろう。おそらく作業工程としては、クロスで溶剤をボディに隈なく塗り込んだ時点で終了としていいのだろうが、再度水洗いすることによって、よりは撥水、排水効果を実感できるということがポイントなのかもしれない。
さらに嬉しいのが、このコーティング剤は、上記の作業を初回にやればより簡易的な方法で済むということ。具体的には水3Lに対して20mL(スプレーを10回程度噴射)の溶剤をつくりクルマを洗い、その後に水をかけて拭き上げるという手順だ。これは非常に手軽でもあり、仮に最初に処理をした状態であれば単純計算で1本で15回洗車できるということでもリーズナブルだ。
再度、水を拭き取って作業終了を終了した。実質15分から20分というところ。今回、施工を行ったロードスターは、エビスサーキットでのレースの直後ということで、ちょっとくたびれた?感があったが、施工後はしゃきっと蘇ったようになり、満足のいく結果となった。
■ハセガワ零三式実車コーティングポリマー11型 仕様
用途:自動車外装部の保護光沢
容量:300ml
種類:水性
価格:3520円(税込み)