ホンダ車約370万台の走行データで渋滞を減らす
「Hondaドライブデータサービス」は、2017年12月に活動を開始し、約370万台のホンダ車から集まる走行データ・車両の挙動データなどを活用した渋滞対策、都市計画、防災、交通事故防止などの社会課題解決を目指すデータサービス事業である。
その中のコンテンツとして新たに始まるのが「旅行時間表示サービス」だ。ここでは、ホンダ車からリアルタイムに集まる走行データを活用することで、渋滞路・迂回路の通過にかかる時間を計算する。そして算出された渋滞路・迂回路それぞれの所要時間をルート分岐地点の手前に設置した表示機に表示し、ドライバーに知らせることで迂回路の選択を促す。これにより交通量が複数のルートに分散され、渋滞を低減する効果が期待できるという。
「Hondaドライブデータサービス」の新サービス「旅行時間表示サービス」の概要図。
観光地での実証実験で渋滞が低減
「旅行時間表示サービス」の本格展開を前にホンダは、紅葉シーズンに激しい渋滞の発生する栃木県日光市で実証実験を行った。春日町交差点から日光山内入り口までの区間で、最長所要時間は2019年で171分だったのに対し、2020年の対策実施時に同等の交通量ながら85分へと半減したという。
さらに、シーズン中の最大渋滞長は2019年の約3.7kmに対し、2020年の対策実施時には約2.3kmまで短縮されることもわかった。これは迂回ルートを促されて渋滞も低減、また渋滞が解消するまでの時間も平均で2時間以上早まっている。
栃木県日光市の実証実験での渋滞路と迂回路、所要時間表示設置場所。
「旅行時間表示サービス」はすでにいくつかの企業・自治体に導入予定で、2021年秋の活用開始に向けて準備を進めている。今後「Hondaドライブデータサービス」では、データを活用してさまざまな社会課題解決を目指していく。
