クルマを売るときに、故障した部分を隠したい人も多いでしょう。
確かに故障した部分がないほうが高く買い取ってもらますから、故障は知られたくないと考える気持ちもわかります。
しかし、故障箇所を隠し通して売れたとしても、後に故障が発覚すると大きなトラブルに発展します。
重要なのは、故障箇所を包み隠さず話して買取してもらう事です。たとえ故障箇所があったとしても、それ相応の魅力を感じて買い取る業者もあるので、故障しているからと負い目に感じることはありません。
この記事では、故障したクルマを売るときにトラブルを避ける方法や、故障を隠して売るリスクを解説します。
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クルマの故障を隠して売ってはいけない!生じるトラブルとは何か?
クルマは、長く乗ればいずれ故障するものです。また、事故後修理を行いクルマに乗り続けている人もいるでしょう。
このようなクルマを売る場合、故障や修復歴がある場合には、正直に買主に伝える義務があります。
もし故障や修復歴を隠して売ると、以下のようなトラブルが発生する恐れがあります。
- 再査定が発生する
- 売却金額の減額や返還請求が行われる
①再査定の連絡がくる
クルマの故障は、持ち主が気付かない部分の故障も多くあります。例えばサスペンション(クルマの走行中の衝撃を緩和するパーツ)の部品が、気付かないうちに劣化していることも多くあります。
こういう場合は仕方ありませんが、故意に故障を隠すのはいけません。
もし隠したまま売却を成立させたとしても、後から再査定の連絡が来ます。
再査定は、基本的に契約書により断れないことになっているのが多いでしょう。具体的には「契約不適合責任」を問われることになります。
これは、「売却取引時に、買主がわからない瑕疵(欠陥)があった場合、売主が買主に対して責任を負う」というものです。
②売却金額の減額や返還請求が行われる
再査定が発生すると、大幅な減額となるケースがほとんどです。
また、すでに着金が終わっているような場合は差分の返還請求が行われるケースもあります。
ちなみに、先述したように買取店は「契約不適合責任」を根拠に返還請求を行いますから、請求を突っぱねることは非常に困難です。
さらには、クルマに価値がないとされ、廃車費用を請求される可能性もゼロではありません。
こうしたトラブルを避けるためにも、故意にクルマの故障や種服歴を隠すことは絶対にやめましょう。
クルマの故障や修復歴は隠し通せない
クルマの査定では、クルマのことを知り尽くしたプロが査定を行います。そのため、クルマのどこが故障しやすいのか、そしてどこを見れば事故車だとわかるのか、チェックすべき箇所を熟知しています。
そのため故障や修復歴を隠していても、プロの目をごまかすことは、ほぼ100%不可能です。
クルマの査定士は故障や修復歴を見抜くプロ
クルマの買取査定士は、専門の教育を受けてクルマの査定士として活躍しています。故障箇所の発見方法や、クルマの修復歴を見抜くにはどこを確認すれば良いかなど、一般の人が知り得ない知識を豊富に備えています。
故障の見抜き方は、走行装置や快適装備などにおいて故障頻度が現れやすい場所から細かく確認します。とはいっても、故障する時には意外と似たような状況が起こることが多いので、ポイントを押さえて確認していることがほとんどです。
また修復歴の場合も、正面衝突・側面衝突・後方衝突がどの程度起きているのかを確認します。これも、オークションなどで修復歴となるクルマの修理方法が決められているので、その部分に手が入れられているかを細かく確認します。
査定時に見抜けない故障や修復歴は後で発覚する
クルマの出張査定で、自宅に査定士が訪れて査定を行う場合、どうしてもクルマの駐車場の状況などから、踏み込んだ査定ができないこともあります。また、査定士も人間なので見落とすこともあるでしょう。
そこで買取店では、査定士の見落としがないかどうかダブルチェックを掛けるのが普通です。これは、買い取ったクルマをオークションに出品して、万一にも故障が発見されてクレームになった時の損害を防ぐためです。
店舗で行う再チェックは、クルマの査定士が行うチェックより厳しく行われます。一般に査定士はクルマを駐車場に置いてある状態で行い、エンジンをかけて各機能をチェックする程度です。ここ迄でも確かに査定は可能ですが、実際にリフトアップしなければクルマの下回りなどはわからないこともしばしばあります。
そのため、店舗で再チェックする場合は、クルマをリフトアップして各部のチェックを行うことがほとんどです。また各店舗では、選りすぐりのクルマのプロが再チェックを行うので、些細な不具合も見逃しません。このことから、査定時に故障箇所が見つからずに一安心したとしても、ほぼ次の段階でクルマの故障は発覚します。
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故障車・修復歴ありのクルマは廃車買取専門店への売却がおすすめ
クルマの故障や修復歴を隠しても、査定時にほぼ100%見抜かれてしまいます。
故障や修復歴を隠してビクビクしながら買取店を利用するより、故障車や事故車の買取を専門としている「廃車専門買取店」に査定を依頼しましょう。
廃車専門買取店が故障車の買取をできる理由
では、どうして廃車専門買取店なら買取が期待できるのでしょうか?それは、大きく以下の理由があるためです。
A.一般の中古車買取店とは異なる販路を持っているため
一つ目は、一般の中古車買取店とは異なる販路を持つからです。
一般的に、中古車買取店は国内で再販することを目的に仕入れを行います。ですので、きちんと走行できることはもちろん、市場に出しても売れる見通しが立てられることが重要です。
一方、廃車専門買取店は、海外への輸出や、使えるパーツを取り出すことを目的に買取を行なっています。
実は、海外では走行距離や年式といった項目はそれほどマイナスイメージになっていません。クルマに対しては日本よりもおおらかな価値観を持っている人も多く「問題なく走れればOK」と考える人も多いです。
たとえ不具合を抱えていたとしても、許容できる価値観があるため、故障車は国内よりも海外の方がずっと再販の市場が広がっています。
こうした海外市場向けの販路を廃車専門買取店は持っているため、故障車の買取に積極的になれるのです。
また、クルマをクルマとして再販せず、使えるパーツを取り出し販売するケースもあります。こうしたビジネスモデルを持っているため、故障車にも価値を見出しているわけです。
B.安価に修理して再販する力を持っているから
また、こうした廃車買取店は海外での労働力を用い、国内で修理するよりも遥かに低価格で修理する体制を持っています。
国内で修理すれば再販価格が跳ね上がるようなケースでも、廃車専門買取店なら再販を見込める価格で修理ができます。
こうした違いも、廃車専門買取店が故障車を買い取れる理由の一つでしょう。
廃車専門買取店ならクルマ処分も無料で行ってくれる
故障車はなかなか買い手が見つかりませんから、最終的には自分で処分を行うことになるかもしれません。
しかし、通常はクルマの処分には数万円の費用を請求されることになります。
一方、廃車専門買取店は処分代行を無料で行なっている業者も多いです。もちろん、廃車手続き(永久抹消手続き)も込みでおこなってくれます。
このような付加価値があることも、故障車の買取を廃車買取店に相談するメリットの一つでしょう。
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故障車を売るときの注意点
最後に、故障車を売却する際の注意点をお伝えします。具体的には以下2点に注意するようにしましょう。
- 廃車専門店で査定をする前に、一度は買取店で査定してみる
- 契約書は隅々までチェックする
- 契約不適合責任について理解しておく
- 買取のキャンセル条件を確認しておく
①走行可能な故障車の場合は、一度は買取店で査定してみる
故障しているとはいえ、問題なく走行できる場合も中にはあるでしょう。
このような場合、いきなり廃車専門買取店に行くのではなく、できれば一度は一般の中古車店で査定をとるようにしてください。
基本的には、廃車専門買取店よりは一般買取店のほうが高く買い取ってくれる傾向にあります。
問題なく走れる場合は、一般の中古車買取店でも取り扱ってくれる可能性もゼロではありませんので、ダメ元でも一般買取店で査定を取ってみましょう。
特にマニア人気のある希少車の場合は、故障していても査定額に期待が持てます。
②契約書を隅々まで確認する
クルマの売買契約書は、クルマ購入時も同じですが、売るときにも必ず買主と売り主の間で取り交わされる重要な書類です。
この契約書には、決められた書式というものが存在しませんから、買取業者独自で定めた様式を使用していることがほとんどです。
しかし、書式は違えども内容に関しては、どの店舗でも似通っています。もちろん注意する部分も同じなので、ポイントを押さえて隅々までチェックすることが重要です。
特に重要となるポイント
- 売却するクルマの情報(ナンバープレート、自動車車体番号の一致)
- 売却金額(売却価格に自動車税や自賠責保険などの還付が含まれているか)
- 車両引き渡し日(引き渡しの方法と場所)
- 瑕疵担保責任期間(売却日時から何日後までか)
③契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)について理解しておく
瑕疵とは、キズ・故障・欠陥のことで、この責任がどこまで及ぶものか、そしてその期間はいつまでなのか確認しておくことが重要です。
責任の範囲には、知らなかった瑕疵まで売り主に責任があるのかといったことも、重要な項目なので確認しておきましょう。
瑕疵担保責任は、売却後に瑕疵が発覚したときに買主が売り主に対して修理費用を請求することが可能です。
また、契約書内に瑕疵によって生じた損害を賠償請求する旨が契約書に記載されていることもあります。また、契約を破棄する場合に解約請求されることもありますから、瑕疵担保責任を理解してトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。
④キャンセルの条件を確認しておく
クルマの買取査定後、買取金額を手にしてから買取店からクレームの電話をもらうことがあります。
それは、査定時に見つけられなかった故障が後に発見された場合ですが、その後の買取店とのやり取りで、納得がいかない場合は買取のキャンセルを申し出ることも可能です。
ただし、キャンセルできる期間が決まっていることが多く、契約後の3日から1週間がほとんどです。このキャンセル可能期間中であればキャンセルできますが、キャンセル料が発生することを理解しておくことが重要です。
【コラム】そもそも故障したクルマを売っても問題はないの?
故障したクルマに乗っていれば、クルマを売却することに後ろめたい気持ちになる人も少なくないでしょう。そして、故障したクルマなど売っても良いはずがないと思ってしまいます。
しかし故障したクルマは、買う側と情報の共有ができていれば、売却することが可能なことが多いです。そこで、故障したクルマを売ることに問題がない理由を解説します。
故障したクルマを買う側と共有できていれば問題ない
故障したクルマは、そのままの状態で全く走行できない場合や、メンテナンスをしながらであれば走行できる場合など、様々なトラブルがあります。また、快適装備に問題があるだけで走行には支障がないこともあるでしょう。
こういった故障の状態については、持ち主が把握しているので、売却を決めたら買主にどこが故障しているのかを申告します。そして、買主が故障箇所を納得した上で買取してもらえるのなら、故障車を売却しても全く問題ありません。
買主は、クルマの車名やクルマの年式などから、クルマの価値を見出します。そういったなかで、クルマの状態によりクルマの価値が大きく変わりますが、故障箇所を共有することで、買主も安心して購入に踏み切れるのです。よって、正確に故障箇所を伝えることで故障車の売買は成立するでしょう。
問題となるのは査定額が下がるのを恐れて故障を隠すこと
故障していることを隠したいと考える人は、故障によりクルマの査定額が下がることを恐れているからでしょう。
故障していることを隠して売っても、いずればれてしまいます。これは、どんなに巧妙に隠しても、相手は故障を見抜くプロですから隠し通すことは不可能という事を述べてきました。
そのため、故障車を販売する時に問題となるのは、故障を隠して買取店で販売することです。
クルマは、長く乗っていれば故障が発生するのは当たり前ですから、故障している事を査定士に話しても特に驚かれることはありません。逆に隠していたほうが、驚きを隠せずに大きな問題となるでしょう。
故障はクルマの価値を下げることになるので、クルマを少しでも高く売却したいと考えると隠したくなる気持ちもわかります。しかし、それは買主を騙して販売することになり詐欺と同じと思われても仕方がありませんから、故障を隠してクルマを売ることがないようにしましょう。
まとめ
クルマに故障はつきものです。故障を隠してクルマを売ることにメリットはなく、かえって後で大きな問題になるでしょう。トラブルを避けるためには、故障箇所を全て正直に申告することです。
クルマの故障や修復歴は隠し通せるものではありません。仮に査定士がその場で気が付かなくても、後に買取店での点検で発覚することがほとんどでしょう。もし、そこも無難に通り過ぎたとしても、オークション会場やオークションで買い取った中古車店でも検査が行われるので、多くのプロの目がクルマの故障を見抜くことになります。
故障は、どんなに巧妙に隠しても100%発覚することを理解し、故障車を売るときには全て申告して買取店で査定依頼してください。そして買取店で故障車に値が付かなかった場合は、故障車買取専門店に相談するようにしましょう。