ロングドライブも苦にならないV60
初めに報告するが、6カ月にわたってレポートしてきたV60T5 インスクリプションの長期テストを今回で終了する。そこで今回は、V60のこれまでをまとめてみたい。
テスト開始から6カ月間の総走行距離は、8480kmとなった。月平均で1400kmほど走った計算になる。冬休み、ゴールデンウイークなど大型の休みにはまったく稼働しなかったのだが、それ以外の時はいかに多くの取材に出動していたかが簡単に想像できる。
そしてその間に使用した燃料量は、87.5L。平均燃費は10.1km/Lを記録した。車両トラブルなどは一切なく、とても快調に走ってくれたと言えるだろう。とくに走行距離が1万kmを超えたあたりからは、「絶好調だな」と自然に口から出てくるほどであった。それほど快調だったので、どこへ行くのもV60と一緒だったような気がする。当然、長距離移動だって苦にしない。逆に長い距離を走ることがわかっていればいるほど、使うのが嬉しくなるのがこのV60だったように思う。
それは担当者以外も同様で、編集部ではこのV60をいろいろな場所へ機材や荷物をたくさん積み込んで駆り出した。ではどうしてこれほどまで長距離移動が楽しいのだろう。それはアダプティブクルーズコントロールやパイロットアシストなどの運転支援機能の充実ぶりに加え、多彩なメディアを再生するBowers&Wilkins(B&W)のプレミアムサウンドオーディオシステムなどによるところが大きいと思う。
以前は、カーオーディオは音が出ればなんでもいい、ぐらいに思っていた私が、今では、B&Wは絶対オプションで付けたい装備にまでなっているほどである。
極め付けの装備はシートマッサージ機能
さらに極めつけが、シートのマッサージ機能である。インスクリプションに装備されるが、このクラスで、こうした機能を標準装備しているクルマはあまり知らない。それこそ各ブランドのフラッグシップ、たとえばFセグメントサルーンとかなら、付いていてもあまり驚かないが、それがV60に装備されているのだから、それだけで購入動機にもなるはずだ。
ちなみに助手席にもこのマッサージ機能は付いているが、同乗者はこのクラスのクルマで「まさかそんな機能が・・・」と思っているので使う人をほとんど見たことがない。しかし、いったんその気持よさを知ってしまうと、もうこれなしではいられないほどなのである。みなさんもV60に乗ったらぜひお試しを。ただあまりに気持ちよくて、シートから離れられなくなっても責任は持ちませんよ。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)
■第6回/2019年4月19日~5月20日(6カ月目)のデータ
・オドメーター:1万4354km
・走行距離:808km
・給油量:85.0L
・実燃費:9.5km/L