アクセルレスポンスの良い2Lターボエンジン
試乗したのは、ステルヴィオ ヴェローチェ。アルファロメオの名を裏切らないスポーツ性能と上質さを併せ持つSUVである。以前に2.2ターボディーゼル Q4 ヴェローチェ(以下、2.2Lディーゼルターボ)の試乗記をお届けしたが、今回は2.0ターボ Q4 ヴェローチェ(以下、2Lターボ)である。この2モデルは、グレード名からもわかるように、搭載エンジンが、ディーゼルかガソリンかの違いが一番大きなところだ。
価格は、前者が687万円に対して後者は720万円となる。ラインナップにディーゼルとガソリンを揃える場合、ディーゼル車の方が車両価格が高くなることもあるが、ステルヴィオはガソリン車の方が高い設定となる。
両車のスペックデータを比較するとその理由がよくわかる。2.2Lディーゼルターボは、最高出力210ps/3500rpm&最大トルク470Nm/1750rpmに対して、2Lターボは、280ps/5250rpm&400Nm/2250rpmである。そこに両モデルともZF社製8速ATを組み合わせるのだが、アルファロメオらしいスポーツ色がより濃く出ているのが、2Lターボのヴェローチェなのだ。
DNAドライブモードはD=ダイナミック、N=ナチュラル、A=アドバンスドエフィシェンシーの3種類が用意され、モードに合わせてこのトランスミッションが変速パターンを変えてくれるので、それぞれのモードで走りの変化が感じられるのも楽しい。
実際に走ってみると、2Lターボは、高回転までストレスなく回るエンジンになっている。このあたりのフィーリングは実に気持いい。アクセルペダルの踏み込み量にレスポンス良く反応する。
視界こそSUVのそれだが、ハンドリングはまるで背の低いスポーツモデルで走っているような感覚だ。もともとステルヴィオの回頭性は鋭い。ハンドル操作に対してかなりシビアな動きを見せる。ワインディングロードでは、その「曲がりたがる」走りが特徴でもあった。しかし、試乗車は熟成が進んだこともあり、そのあたりが実に自然な動きへと進化していた。