2021年11月19日から21日、WRC最終戦ラリー・モンツァが開催され、トヨタが1-2フィニッシュを飾ってマニュファクチャラー/ドライバー/コドライバーのタイトル3冠を達成。最後のシーズンとなる現行ヤリスWRCの快挙に、豊田章男TOYOTA GAZOO Racingチームオーナーがコメントを発表した。

最後の最後まで素晴らしい戦いでした

今シーズンは、どのラリーも貴元を含む4人のドライバー達の誰かが表彰台に立ってくれていました。私も「誰かが勝ってくれるだろう」という想いを持ちながらワクワクした気持ちで全戦を見守ることができていたと思います。

そして迎えた最終戦。セブは8度目のチャンピオン。エルフィンは初のチャンピオンを掛けて最後の最後まで全力で駆け抜け戦ってくれました。いちファンとしても最高にエキサイティングな気持ちにさせてもらえました。

画像: オジェは、今シーズン、モンテカルロ、クロアチア、サルディニア(イタリア)、ケニア、そして今回のモンツァと5勝をあげた。

オジェは、今シーズン、モンテカルロ、クロアチア、サルディニア(イタリア)、ケニア、そして今回のモンツァと5勝をあげた。

「こんなにもエキサイティングな走りを最高峰の道でヤリスが・・・」我々トヨタにとっては本当に夢のような話です。そんな気持ちにさせてくれた2台のクルー達に心から、ありがとう、と伝えたいと思います。そしてその戦いを制したセブ、ジュリアン、チャンピオンおめでとう! 今日も最後まで全力でエルフィンを迎え撃った君たちの走りに心から敬意を表します。8度のチャンピオン獲得は本当に偉大な記録です。その内2回がトヨタでのチャンピオンであることを我々も誇りに思います。本当にありがとう!

我々は同時にマニュファクチャラーズタイトルも獲得することができました。「マニュファクチャラーズタイトルも絶対に獲る」「同時にセブとエルフィンにも心おきなく戦ってもらう」この2つを成し遂げようとチームは心をひとつに最終戦に臨んでくれていました。

自分が上位にいればチームタイトルは決まると分かっていたカッレの走りがまさにこのことを示していたと思います。カッレ、ヨンネ、チームのためにありがとう。

画像: 今回のラリーで2位に入り、今季トヨタ5回目の1-2フィニッシュに貢献したエバンス。ポルトガルとフィンランドで優勝して昨年に続き選手権2位を獲得した。

今回のラリーで2位に入り、今季トヨタ5回目の1-2フィニッシュに貢献したエバンス。ポルトガルとフィンランドで優勝して昨年に続き選手権2位を獲得した。

このような采配でチームが笑顔になれたのはヤリ-マティがいたおかげです。ドライバー出身のヤリ-マティはドライバーファーストの想いに溢れたリーダーでした。チームの判断の全てがドライバー視点でなされていたからこそドライバーみんなが笑顔でシーズンエンドを迎えているように思います。同時に、ヤリ-マティは『負け嫌い』です。きっと私と同じくらいかもしかしたら私以上かもしれません。要所要所で見せてくれた『負け嫌いな采配』がこのチームを強くしてくれたと思います。

ヤリ-マティが私を驚かせてくれたことはもうひとつありました。メンバーとの丁寧なコミュニケーションです。早朝のサービスパークでメンバーひとりひとりに『おはよう』を言ってまわるヤリ-マティを映像で見せてもらいました。

そんなヤリ-マティがいたから、フィンランド、エストニア、ドイツ、日本にまたがる総勢200名のメンバーの心がひとつになったと思います。目指していた『ドライバーファーストのチーム』『家庭的かつプロフェッショナルなチーム』を実現してくれて本当にありがとう。

画像: 今回はチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得をバックアップする役目に徹したロバンペラは9位でフィニッシュ。今シーズンはエストニアで初優勝し、WRC史上最年少記録を更新。その後アクロポリス(ギリシア)でも勝ち、シーズン2勝をあげている。

今回はチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得をバックアップする役目に徹したロバンペラは9位でフィニッシュ。今シーズンはエストニアで初優勝し、WRC史上最年少記録を更新。その後アクロポリス(ギリシア)でも勝ち、シーズン2勝をあげている。

そして、このチームは2017年からヤリスWRCを強くし続けてくれました。2017年、最初のラリーの時に私がみんなにお願いしたのは「シーズンの最後に走るヤリスが一番強いヤリスになるようにしよう」でした。ヤリスWRCは5年間で59戦の道を走り、勝てなかったラリーからも、勝てたラリーからも多くのことを学びました。チームは本当に最後のヤリスを最強にしてくれたと思います。そのことにも改めて感謝します。みんな、ありがとう!

来年からは新たなレギュレーションのクルマに変わります。その開発も佳境を迎えているとのこと、今年もみんなはクリスマス休暇を返上して準備を進めることになってしまうと思います。チームのみんなやご家族には苦労を掛けますが、引き続き、力を貸してもらえればと思います。

来シーズンもファンの皆さまにエキサイティングな気持ちになってくれるようなクルマを準備していきましょう! そして、一戦一戦を走りきってもっともっと強いヤリスをみんなでつくっていきましょう! ファンの皆さまもTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの新たなクルマ、新たな戦いを楽しみにしていただければと思います。

引き続き応援よろしくお願いいたします!

画像: 2021年WRC最終戦ラリー・モンツァを制してドライバー/コドライバーチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジェ(左)/ジュリアン・イングラシア。8度目のタイトル獲得。

2021年WRC最終戦ラリー・モンツァを制してドライバー/コドライバーチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジェ(左)/ジュリアン・イングラシア。8度目のタイトル獲得。

2021年WRC第12戦最終戦ラリー・モンツァ結果

1位 S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)2h39m08.6s
2位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)+7.3s
3位 D.ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+21.3s
4位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+32.0s
5位 O.ソルベルグ(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+1m32.0s
6位 T.スニネン(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+2m22.6s
7位 勝田 貴元(トヨタ ヤリス WRC)+2m34.5s
8位 G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+2m50.2s
9位 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)+4m49.6s
10位 A.クルニョラ(ヒュンダイ i20 N Rally2)+9m06.9s

2021年WRCドライバーズランキング(シーズン終了)

1位 S.オジェ(トヨタ)230
2位 E.エバンス(トヨタ) 207
3位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)176
4位 K.ロバンペラ(トヨタ) 142
5位 O.タナック(ヒュンダイ)128
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7位 勝田貴元(トヨタ)78

2021年WRCマニュファクチャラーズランキング(シーズン終了)

1位 トヨタ 522
2位 ヒュンダイ463
3位 Mスポーツ フォード 202

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