BMW M1以来となるスタンドアローンモデル
BMWの新たな挑戦は、アメリカ大陸最大級のアートフェスで幕を開けることになった。さまざまなジャンルのハイクオリティなアートワークが展示、プレゼンテーションされる「Art Basel Miami Beach 2021」に、次世代のMパワーの先駆けとなる「コンセプトXM」が出展されたのだ。
「BMWコンセプトXMは、これまでの高性能車のセグメントになかった新たなイメージを定義しています」と、BMW M GmbHのフランシスカス・ファン・ミールCEOは語る。ブランド初の純粋な電動モデルとして「究極のドライビングエクスペリエンス」を提供するために、これまでの常識を覆すべくBWM Mの全力をもって取り組んでいる、という。
思えばこのXMは、元祖であるM1以来のスタンドアローンモデル(存在するモデルから派生した高性能版ではなく、専用に設定されたモデル)となる。それこそが「BMW M」ブランドが、来るべき電動化の時代に向けて着実に歩みを進めている証し、であることは間違いない。
最高出力750ps、最大トルク1000Nmを発揮するプラグインハイブリッド
BMW Mというブランドに興味津々な誰もがまず気になるポイントと言えば、なにはともあれそのダイナミック性能だろう。BMWの電動化テクノロジーとV型8気筒エンジンの新たなコラボレーションは、「究極の電動化Mパワー」を謳っている。
現段階で公表されているXM用「M ハイブリッド」システムのスペックは、最高出力が552kW(750ps)、最大トルクが1000Nmに達する。プラグインハイブリッドとしての精密な制御によって、高い効率と優れた敏捷性を実現しているという。
現行のM8クーペに搭載されるS63B44B(4.4L V8ツインターボ)のスペックが625ps/750Nmであることを考えると、その圧倒的なハイスペックぶりが理解できるだろう。
ちなみに、EVモードでの航続距離は、最大80km。日本の日常的な使い方で小まめに充電できる生活環境にいるのであれば、ほぼゼロエミッションで乗りこなすことが可能だ。