ほぼ平坦な市街地コース。F1マシンならほぼ全域で全開に
では、F1初開催となるサウジアラビアGPのジェッダの市街地コース(ジェッダ・コーニッシュ・サーキット)がどんなコースか、見ていこう。
ジェッダの市街地コースは紅海沿いのコーニッシュエリアに仮設されるもので、常設サーキットの建設が間に合わないため、ヘルマン・ティルケ氏が公道を使ってコースをアレンジした。
その特徴は市街地コースとしては異例なほど高速なこと。1周6.174kmと長く、そこに27のコーナーが配置されるが、アップダウンは少なく、その多くの区間がF1マシンではエンジン全開になるという。とくに超高速コーナーを通過して迎える12度のバンク角を持つロングヘアピンのターン13は、ひとつの見所になりそうだ。
シミュレーションでは最高速度322km/h、平均速度は250km/h以上という、世界最速の市街地コースとなる。市街地コースでありながらオーバーテイクに留意しているのもポイントで、それを促進すべくDRSゾーンも3カ所設けられている。
ただし市街地コースのため、トラックの多くの部分は非常に狭く、壁が容赦なく迫ってくる。このためセーフティカー導入の可能性が高いと予想される。
完成したばかりのサーキットは、走ってみなければわからないことばかり
もうひとつ、決勝レースが日没後の気温が下がる頃にスタートすることもポイント。フリー走行2回目と土曜日の予選は決勝レースと同じ時間帯に行われるが、日没直前に開催されるフリー走行1回目と3回目は条件が大きく違うので、あまり参考にならないと思われる。
また走り始めは滑りやすい状況となるだろうが、フォーミュラ2とポルシェカップがサポートイベントとして予定されているので、トラックコンディションはどんどん良くなっていくと予測される。
タイヤを供給するピレリは、サウジアラビアGP開幕にあたって「ジェッダ市街地コースは、カタールGPに続いてF1初開催となりますが、同じ中東のサーキットでもカタールGPのロサイル・サーキットとは大きく性格が異なるものとなりそうです。ロサイル・サーキットはタイヤに厳しいコーナーと非常に攻撃的なアスファルトが特徴でしたが、ジェッダ市街地コースは高い速度のコーナーやバンクのあるコーナーが特徴で、トラックが完成したばかりで信頼できるデータがほとんどない状況です。そこでピレリはサウジアラビアGPで真ん中に3つのコンパウンドを選択しましたが、この非常に速く流れるストリートコースの要求によく適合するはずです」と分析している。
F1第21戦サウジアラビアGPは12月3日16時30分(日本時間22時30分)からのフリー走行1回目で開幕、予選は12月4日20時(日本時間12月5日02時)、決勝は12月5日20時30分(日本時間12月6日02時30分)に開始される。
2021年F1第21戦サウジアラビアGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:12月3日16時30分~17時30分(日本時間22時30分~23時30分)
フリー走行2回目:12月3日20時~21時(日本時間12月4日02時~03時)
フリー走行3回目:12月4日17時~18時(日本時間23時~24時)
予選:12月4日20時~21時(日本時間12月5日02時~03時)
決勝(50周):12月5日20時30分~(日本時間12月6日02時30分~)