これから買取に出そうとしているクルマが「事故車」の場合、破損したクルマでも扱ってくれる買取店や、買取相場について知りたい方がほとんどかと思います。
事故車の売却で大事なのは、まずはダメージの状態を把握することです。具体的には骨格部分まで損傷が及んでいるかどうかになりますが、これにより選ぶべき買取店も買取相場も大きく異なります。
また、買い替えを考える場合は下取りに出すか買取に出すか、どちらがいいのか悩んでいる方も多いと思います。
そこで、この記事では事故車専門のおすすめ買取店や、状態に合わせた買取店の選び方、また事故車の買取相場についてお伝えします。
少しの知識で事故車も上手に売却できるようになりますので、この記事を参考に、納得いく売却先を見つけてください。
そもそも事故車でも買取してもらえるのか？
そもそもですが、事故車は買取されるのかどうかについてです。
損傷の程度が小さい事故車については問題なく買取されると直感的にわかるかと思いますが、問題は全損扱いになるような損傷の大きいクルマです。まずはこの点を整理してみましょう。
どんな事故車でも買取先が見つかる可能性は高い
修理すればまた乗れるような損傷の小さな事故車はもちろん、全損扱いになるような事故車でも買取先が見つかる可能性は高いです。
損傷の大きな事故車も買取先が見つかる理由としては、どんなに大きなダメージを負ったとしてもまだ価値が残っているためです。
例えば、修理してまたクルマとして再生できる状態のクルマであれば、国内で再販されることもありますし、場合によっては海外に輸出され、元気に走ることもあります。新興国をはじめとした一部の海外では「事故歴あり」というステータスが日本ほど問題視されないため、大きな市場が広がっています。
また、クルマとしての再生は難しい事故車にも、使える部品が残っていることがほとんどなので、価値がゼロになることは稀です。例えば、最近のクルマはブレーキアシスト付きが多く、フロントからの軽微な事故が減ったことから、フロントの中古部品が不足しています。そのため、側面や後方からの事故で修理を諦めるような状態でも、フロント部品に需要が高まっていることも手伝い、意外な値段で買取してもらえることもあります。
このような理由から、どんな事故車でも買取が行われているというわけです。
損傷が大きい事故車は事故車専門買取店が扱っている
事故車を売却する際、買取店選びには工夫が必要です。希少車や人気車種であれば、一般買取店でも損傷が大きい事故車を買い取ってくれることもありますが、そのようなクルマに当てはまるのは少数派です。
だいたいは損傷が大きければ一般買取店では買取を断られてしまいますので、事故車専門買取店の存在を知っておくと売却活動がスムーズかと思います。
事故車専門買取店とは、文字通り事故車を専門に扱っている買取店で、ほとんどが事故車に限らず、低年式車、過走行車、または不具合を抱えているクルマなど、訳あり車全般を扱っています。
こうした買取店は、国内での再販をメインの目的としておらず、海外への輸出や使える部品取り出しを事業の軸としています。そのため、中古車店でイメージするような中古車展示場がない買取店が多いですが、そのような理由からです。
一般中古車買取店しか頭にないと査定を断られてしまった際に困ると思いますが、このような買取店があることを知っておくと、事故車でもかなりスムーズに売却活動を進められるかと思います。
事故車買取業者ランキングおすすめ8社！
ここからは、おすすめの事故車専門買取店を紹介します。全国対応、廃車手続き代行費用無料の業者
を中心に選んでいますので、気になる買取店が見つかった方はぜひ利用してみてください。
1.カーネクスト
画像引用：カーネクスト
carnext-haishakaitori.jp最初にご紹介したいのがカーネクストです。テレビCMやスポンサーなどにも積極的な買取店のため、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
カーネクストは一般車の買取も行っていますが、いわゆる「廃車買取」に強みを持つ買取店です。事故車はもちろん、低年式車、過走行車、故障車、不動車など訳あり車全般の買取を行なっています。
また、廃車手続きも全て無料で代行してもらえ、レッカー移動代も無料です。
全国対応で、事故車の買取先に悩まれている幅広い方にお勧めできるサービスです。気になる方は公式サイトから査定依頼をしてみてはいかがでしょうか。
2.廃車買取専門店ソコカラ
画像引用：ソコカラ
www.hanamaru870.net続いては廃車買取専門店「ソコカラ」です。
こちらのサービスの最大の特徴は最低買取保証額1万円以上としている点で、これは他店と比べて優位な設定となっています（※キャンペーン期間中のみ。予告なくキャンペーン終了する場合あり）。
事故車は基幹部分が問題なければ買取先は見つかる可能性は高いですが、それでも難航する場合も珍しくありません。そうしたことを考えると、訳あり車を専門に扱うソコカラに査定依頼をすることで、スムーズに売却を終えることが期待できます。
また、電話で査定してもらうスタイルという点も「スピーディーで助かる」と好評です。
気になる方は公式サイトから査定依頼をしてみてはいかがでしょうか。
→【最低買取保証額1万円以上】ソコカラ 無料査定依頼はこちら！
3.タウ（事故車専門買取店）
画像引用：タウ
www.tau-reuse.com続いて紹介するのが、事故車買取専門店のタウです。年間10万台を超える事故車を買い取っており、海外販路を持っていることで高価買取できることを強みとしています。
全国対応、レッカー費無料と、ユーザー満足度を高める要素も他のサービスに劣りません。事故車に特化した買取業者ですので、ぜひ査定候補にいれたいところです。
他の買取店との査定額を比較する意味でも、査定依頼を申し込んでみてはいかがでしょうか。
4.ナビクル廃車買取
画像引用：ナビクル廃車買取
haishakaitoru.com続いて紹介するのがナビクル廃車買取です。一括査定でお馴染み「ナビクル」の訳あり車専門買取部門になります。
こちらの買取サービスをお勧めする理由が、運営の安心感です。ナビクル廃車買取を運営する株式会社エイチームライフスタイルは上場企業であり、クリーンな体制での運営が期待でいます。2023年、大手買取店の不正が公となり、クルマ買取店に対して漠然とした不信感をいただいた方も多いと思いますが、そうした方にこそおすすめする買取店となります。
また、廃車手続き代行費用は無料で、レッカー移動費用も無料です。さらに、たとえ買取が難しい場合でも、廃車手続き代行を含めたクルマの無料引き取りサービスも用意されているので、これが非常に魅力的です。
査定は電話でのヒアリングで行うスタイルなので、わざわざ実車の確認を挟まず、非常にスピーディーです。そもそも買取額に期待していない場合はかなり向いていると思います。気になる方は公式サイトから査定依頼をしてみてはいかがでしょうか。
→【どんなクルマも買取！】ナビクル廃車買取への査定依頼はこちら！
5.セルトレ
画像引用：セルトレ
sell.tc-v.com続いては、事故車等の「訳あり車に強い一括査定」という、珍しい特徴をもったセルトレです。
事故車等の訳あり車に強い理由は、提携先です。一般の一括査定はもちろん一般買取店が主に参画していますが、セルトレには、国内大手・都道府県大手・解体・輸出とそれぞれの買取店が加盟しています。実は、国内で再販が難しいような事故車も、修理できれば新興国等の海外で再販されることもあり、輸出販路を持つ買取店を当たってみるのは、事故車買取では本筋とも言えます。
しかし、なかなか一般買取店と比べると、そのような業者は少ないですから、自分の足で回って比較することは、一般買取店を回るよりも難しい面もありますが、セルトレならそうした課題もクリアできます。
「事故車とはいえ、少しでも高く売れるなら売りたい」そのような希望を持っている場合は一括査定がおすすめですので、セルトレを利用してみてはいかがでしょうか。
6.ユーカーパック
画像引用：ユーカーパック
ucarpac.com続いては事故車専門ではありませんが、少し軸を変えてオークション型一括査定のユーカーパックです。
事故車といっても損傷の程度が小さければ、一般買取店で扱ってくれることも多数あります。ユーカーパックは、全国約8000の買取店が参画する一括査定で、一般買取店、廃車買取店の両方の入札が期待できるため、ユーザー側としては広く構えられる点がメリットです。
また、従来型一括査定と違い、全国の買取店にアプローチできる点もポイント。全国から最も買取い意欲の高い買取店を見つけられます。
出品料、成約料は無料で、ユーザーが自由に設定できる最低落札額に届かなければ強制的に落札になることもありません。かなりユーザー有利なサービス設計になっています。さらに、オークション型なので電話ラッシュに悩むこともありません。
損傷の程度が小さく「できれば高額査定を狙いたい」という方にお勧めできるサービスですので、気になる方は公式サイトから査定依頼をしてみてはいかがでしょうか。
→【出品料・成約料無料】ユーカーパックへの無料査定依頼はこちら！
7.ハイシャル
画像引用：ハイシャル
haishall.jpハイシャルは累計相談件数25万件を誇る廃車買取店です。公式サイトの買取実績を見ると、事故車の買取も多数あることがわかります。
また、「契約完了後の減額」「実車確認後の減額」など、いわゆるトラブルになりやすい点については「一切行わない」と宣言されており、この点は非常に安心できるポイントと言えるでしょう。
他の廃車買取店同様、廃車手続き代行費用、レッカー移動費も無料です。全国対応ですので、こちらの買取店も候補に含めてみてはいかがでしょうか。
8.カービュー（事故車専用一括査定）
画像引用：カービュー
kaitori.carview.co.jp最後に紹介するのはカービュー事故車買取です。一括査定でお馴染みカービュー車一括査定の事故車専用版となります。
通常版の一括査定と異なり、事故車の買取に特化した買取店に査定依頼を投げられる点がポイントです。また、多くの買取店で査定をとることで、値段がつく買取店を見つけやすくなります。
一括査定でまとめて複数の業者に査定依頼を取りたい方にはおすすめのサービスです。
事故車の程度に合わせた買取店の選び方
事故車といってもダメージの具合によりクルマの程度も様々です。一般的に買取価格は事故車専門買取店よりも一般中古車買取店のほうが高くなる傾向にありますので、一般買取店で扱ってくれそうな状態であれば、初めは一般買取店に相談したいところです。
では、見極め方としてはどこで線引きをすればいいのでしょうか？それが以下の通りです。
- クルマが動く場合は、初めは一般買取店に査定依頼をする
- 修復できないクルマの場合は事故車専門買取店へ
1.クルマが動く場合は中古車買取業者に売却する
クルマが動く事故車なら、中古車買取業者に売却するのが基本です。例えば、事故直後でも自走可能な状態、または過去に事故を起こしたクルマでも修復して問題なく使用できている状態なら、一般中古車買取店に相談するのが良いでしょう。
ちなみに、事故を起こしたクルマ、または事故後修理したクルマが必ず事故歴有り、つまり修復歴有りになる事故とは限りません。
事故を起こしたクルマを修理しても修復歴にならない理由は、壊れた部分を修理または修復した部分がどの程度だったかが、日本自動車査定協会により基準が決められているからです。
【修復歴有りとは？】
修復歴有りとは一般に事故車と呼ばれるクルマですが、中古車業界では大きな事故で骨格まで損傷を負ったクルマを修復歴有りとしています。修復歴のあり・なしは査定に大きく影響します。
このように、事故車が全て「事故歴あり・修復歴あり」として扱われるわけではないので、自走可能な場合はまずは一般中古車買取店で査定をとってみるといいかと思います。特に少しでも高く売りたい人はチャレンジすべきと言えるでしょう。
ちなみに「修復歴あり」でも問題なく自走できる場合は一般買取店で扱ってもらえる場合は多いです。ただし、修復歴があると各店の評価も異なり、A店では査定を断られたが、B店では買取額がついたという具合になってくると思います。いくつか一般買取店を回ってみて、どこも買取してくれなかった場合に、初めて事故車買取店を利用する、という流れでいいかと思います。
2.修復できないクルマの場合は事故車専門買取店へ
事故後、修理するにも物理的に難しい場合や、修理金額が高額となり、修理を諦めなければならない事故車を所有していることもあるでしょう。その場合は、事故車買取や廃車買取に相談することをおすすめします。
損傷が大きい事故車の場合は一般買取店に持ち込んでも買取を断られることも多く、初めから事故車買取店に持ち込んだほうが手間がかからず無難かと思います。
同じく、事故車の修理費用がかなり高額となり、一般的な買取相場から考えても売却後に修理費用を回収できない場合や、修復歴車がどこで査定しても0円の場合は、事故車買取に相談してみるといいでしょう。
事故車の買取相場は？査定額はどのくらい下がるのか？
事故車は損傷がないクルマと比べると査定額が下がるのは当然ですが、「どのくらい下がるのか」と気になっている方は多いと思います。
もちろん、クルマの個別の状態によりどのくらい下がるのかは大きく異なりますが、以下、日本自動車査定協会で出されている基準です。修復歴ありのクルマの場合の減額幅の参考にしてください。
| ランク | 減額幅 | 代表的な車種 |
|---|---|---|
| 特C | 22万円〜53万円 | センチュリー（トヨタ） プレジデント・GTR（ニッサン） ディグニティ（三菱） |
| 特B | 20万円〜48万円 | セルシオ・LS460（トヨタ） シーマ（ニッサン) |
| 特A | 18万円〜45万円 | マジェスタ（トヨタ) NSX（ホンダ） |
| Iランク | 17万円〜42万円 | クラウン（トヨタ) フーガ（ニッサン) |
| IIランク | 16万円〜39万円 | レガシィ（スバル） マークX（トヨタ） スカイライン（ニッサン） オデッセイ・S2000（ホンダ） MPV・RX-8（マツダ） |
| IIIランク | 15万円〜36万円 | インプレッサXV・レヴォーグ（スバル) 86・プリウス（トヨタ) ラフェスタ・シルビア・リーフ（ニッサン） CRZ・ストリーム・インテグラ（ホンダ） ロードスター・アテンザ（マツダ） |
| IVランク | 13万円〜32万円 | ソリオ・スイフト（スズキ） ブーン（ダイハツ） ヴィッツ・パッソ・BB（トヨタ） ノート・キューブ（ニッサン） シビック・フィット・CR-X（ホンダ） デミオ（マツダ） ランサー・コルト（三菱） |
| 軽 | 13万円〜32万円 | 各メーカーの軽自動車 |
→【事故車も買取！】ナビクル廃車買取 無料査定依頼はこちら！
事故歴と修復歴はどのような場合につくのか？
続いて、事故車の査定に影響する事故歴と修復歴についてです。先ほど軽く触れたように、事故車が全て「事故歴あり」「修復歴あり」となるわけではありません。では、どのような場合に事故歴、修復歴ありと認定されるのでしょうか。
事故車の売却を検討している場合は、知っておいて損はないと思うので、整理しておきましょう。
「修復歴あり」になるのはフレーム（骨格）を修復または交換してある場合
事故車として修復歴になる場合は、査定基準のフレームを修理または交換してある場合で、それ以外の事故で大きく壊れていても、査定基準で定められた部分を修理または交換していなければ修復歴車になりません。
現在販売されている多くのクルマは、モノコック構造と呼ばれる箱型で、外部からの圧力を分散させ、車室内の外側で衝撃を吸収させる構造を取っています。
例えば、ティシュの箱もモノコック構造ですが、ティシュの箱の一方向から大きな力を加えると違う部分まで歪みが生じます。これと同じことがクルマのボディでも起きており、大きな衝撃がクルマの一方向から加わると、違う骨格まで大きなダメージを負っています。
事故を起こして、主要骨格部分をどの程度修理したのか、そして交換されているかで査定額は大きく変わり、売る時の売却金額に影響が出ることは覚えておきましょう。
大きな衝突でなければ「事故歴あり」にならない場合も多い
骨格まで大きく損傷する事故は、かなり大きな衝突をした時です。逆にフロントから衝突してボンネットが少し浮いた程度であれば、意外に主要骨格まで損傷が及んでいないことがほとんどです。
例えば、リアフェンダーはボルト止めではなく一般的にルーフまで繋がっているので、リアフェンダーを交換する場合は、途中でリアフェンダーを切断して溶接して取り替えるしか方法がありません。そのため、かつてはリアフェンダーを交換すると修復歴有り扱いでしたが、最近の査定では外板価値車と呼ばれ、修復歴車にはなりません。
また、エンジンルーム内のラジエーターを保持しているラジエーターコアサポートやラジエーターアッパーサポート、ロアサポートといったフロント先端の骨格部分も、以前は交換すると修復歴有りでしたが、今は外板価値車として査定され修復歴車より下落率は低く設定されています。
そのため、フロントがかなり壊れてしまう事故であっても修復歴にならないことも多くあるので、事故車を所有していて修理を迷っているなら、一度修理業者に相談して骨格まで修理が必要か確認してみましょう。
もし、骨格まで修理の必要が無いレベルなら、修理して中古車買取に査定に出したほうがお得と判断できます。
事故車を少しでも高く売るためのコツ2つ
事故車の買取額についてあまり期待していない人がいる一方で、「どうせ売るなら少しでも高く売りたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
無事故の中古車ほど高い値段は期待できませんが、それでもできる工夫はいくつかあります。少しでも高く売りたい方は、以下を意識して売却活動を進めるといいでしょう。
- 複数店舗で査定を取る
- 自走可能な場合は一般中古車買取店で査定
1.複数の買取店で査定を取る
無事故の中古車でも、事故車でも、少しても高く売りたければ複数の買取店の査定額を比較するべきということは変わりません。
A社では5万円、B社では7万円、C社では3万円と、クルマの査定額はお店が違えばバラバラになるのが通常です。少し手間はかかりますが、できるだけ多くの買取店で査定を取ると良いです。
ちなみに、幸いなことに、事故車買取店の多くは電話でのヒアリングで査定をすることが多いため、わざわざ出張査定に来てもらったりという手間は、一般中古車ほどかからないと思います。
査定額の比較も比較的楽にできるかと思いますので、これをチャンスに捉え、できるだけ多くの買取店の査定額を聞いてみるようにしましょう。
【事故車おすすめ買取店】
2.自走可能な場合は一般中古車買取店で査定
買取店の選び方で述べたことにはなりますが、自走可能な場合は一般中古車買取店で扱ってくれる場合があります。
見た目は激しい損傷でも、フレームに損傷が及んでいなければ修復歴がつかず、修理すれば一般中古車と同じように再流通できる場合があります。このようなクルマは一般買取店で扱ってくれるので、廃車買取店に売るよりも高値で売れる可能性があります。
判断がつかない場合は、先ほど紹介したユーカーパックのように、一般買取店と廃車買取店の両方にアプローチできるサービスを使うと便利かと思います。
事故車を買取に出す際の注意点
事故車を査定してもらう際は、以下の2点に注意するようにしてください。
1.不具合がある箇所は正確に伝える（不具合を隠さない）
修理した事故車を査定する場合、査定士にどの部分を修理してあるかを詳しく教えることが、査定には重要です。
どの程度の事故であるか説明できる場合と、なんとなく事故を起こしたとしか説明できない場合とでは、査定価格が異なる場合があります。
また、査定士は修理箇所は必ず見抜きます。事故車を腕の良い鈑金業者に依頼し、完璧な修理を目指す人もいます。たしかに、腕の良い鈑金修理業者であれば、一般の人が見ても修理箇所を見破ることはほぼできないといっても過言ではありません。
しかし、どんなに腕が良い鈑金修理業者で修理をしても、修復歴を見破るのがプロの査定士です。
査定士は、クルマをチェックするポイントが一般の人とは異なり、普通の人が気付かない部分を見て修復歴があるのか判断します。そのため、事故車が完璧に修理できているからと、そのことを黙っていても査定士は見破る能力があるので、事故を起こしたことを隠しても良いことはありません。
【注意】修復歴を隠して売ると契約不適合責任に問われることも
査定士の中には、クルマの査定時に事故車なのか質問することがあります。その時に、「このクルマは修復歴がありません」と嘘を言ってもメリットはなにもありません。
査定士は、ほとんどの場合で修復歴を見破る力がありますが、それでも人が査定しているため修復歴を見過ごすこともあります。
その時に、オーナーが修復歴を隠していると、後に大きな問題になることがあります。それが「契約不適合責任」と呼ばれる問題です。
これは、査定時に発覚しなくても買取店でオークションに出品した際に発覚した場合など、他の業者により指摘されたときに問題になります。
というのも、買取時点で修復歴無しで査定して、それ相応の金額をオーナーに支払い買取しています。しかし、他の業者から修復歴有りの指摘を受けると、買取した業者は他の業者に売る時に減額されてしまいます。
すると、買取店は大きな損害になるため、買取した後にそのような事実が発覚した場合には、クルマを売却したオーナーに対して損害賠償請求することもあります。
2.どのような事故で、どのような修理を行ったのか伝えらるようにしておく
査定士に、事故がどのような状態だったのか、そしてどういった方法で修理されたのか伝える方法が重要です。
例えば、フロント部分が大破したクルマを例に挙げると、単に「事故でフロント部分を修理しています」と伝えた場合と、ボンネットを開けて修理した部位を詳しく査定士に伝える場合とでは、査定士のオーナーに対する捉えかたが大きく異なります。
最初の大雑把な事故の伝え方では、査定士はオーナーに対してクルマの事故の知識が無いと捉えることでしょう。そして、査定も大きくマイナスをとってもわからないと考える業者もいます。
逆に、事故の状態を詳しく査定士に話すことができ、どの部品が交換または修理されているかを的確に査定士に伝えられれば、査定士は査定価格を誤魔化せないと考え、どこの中古車買取査定でも正確な査定を出す努力をすることでしょう。
事故の修理で、どの部分まで修理したのかを聞かない人が多くいます。また、キレイに修理できていることから、修理された部分を説明されても上の空で聞く人も多くいます。
しかし、自分のクルマである以上、どの部分に手を入れたのか知っておかなければ売却時の査定でも大きく差が出ますから、査定士を納得させる意味でも、修理箇所の説明ができるようにしておくと良いでしょう。
3.ローンが残っている場合は所有権を確認しておく
ローンでクルマを買った方も少なくないと思いますが、まだローンが残っているクルマを売る場合は、所有権の確認が必要です。
所有権が例えばローン会社などになっている場合は、まずはローン残債を一括で返済し、所有権を自分にしてから売却するのが一般的です。
銀行系カーローンの場合は所有権は自分になっていることが多いですが、ディーラーローンなどは所有権はディーラーになっていることが多いです。
買取に出す前に、この辺りを一度確認しておくと、手続きもスムーズかと思います。
事故車を下取りに出すのは損なのか？
事故車は、売却するには価格がほとんどつかないこともあり、どうやって売却すれば良いか悩む人も多くいます。そんな時にクルマの入れ替えで事故車を下取りすると言われたら、ほとんどの人は喜んで下取りに出すことでしょう。
しかし、下取りは買取に比べて不利なことがほとんどなので、安易に喜べないことも事実です。その理由に、下取りでは現金化できないことと、新車値引きの中に下取り車の価格が含まれ、実際いくらで下取りされたか不透明であることが挙げられます。
下取りでは買取のようにクルマを現金化できない
クルマを売る場合、下取りと買取の2種類がありますが、事故車も当然同じようにふたつの売却先から選べます。
しかし、下取りは次に買うクルマの購入資金に充当される方法であり、現金を手元に残すことはできません。その反対に買取では、事故車を現金化することが可能です。
この違いは、現金を手にできるかできないかの違いに注目されますが、実際は事故車がいくらで売却できたのかを知る上でも大きな違いがあります。
新しくクルマを購入する場合の下取りは、値引きと合算されてしまうことも少なくなく、本来の下取り価格がわかりにくくなっていることも多くあります。しかし、買取であればダイレクトに今のクルマの価値を知ることが可能なので、手元にどれだけのお金が入るのかわかります。
事故車も買取店に依頼したほうが高く売却できる
最も大きな違いは、事故車の売却金額です。中古車買取と下取りでは中古車買取のほうが高く売却できることを知っている人も多いでしょう。
これは、事故車でも同じことが言え、クルマを購入する時に事故車でも下取りできると言われても、実際に買取査定に出したほうが、高い値段で売却できることがほとんどです。
また、下取りでは購入する店舗でしか下取り価格を出せませんが、買取であれば多くの買取店で査定額を比較し、一番高い値段を付けた業者に販売が可能です。
このように、下取りと仮に均衡した売却価格でも、多くの買取店で査定すれば下取りより有利な金額で売却できるのが、買取店を利用するメリットです。
下取りはディーラーのサービスのひとつであり次のクルマを売るためのマジック
新車ディーラーなどで事故車を下取りするのは、珍しいことではありません。それは、クルマを売るためのひとつの手段として事故車を下取りすることにしているからです。
これは、数字のマジック的なところがあります。実際に値引きされる最大価格はそれぞれのディーラーで決められていますが、下取り車を値引きのツールに使用して、値引き価格を大きく見せられるようにカモフラージュします。
例えば300万円のクルマを購入する時に、値引き価格が5万円だったとします。そこに事故車下取りすれば30万円値引きすると持ち掛けられた場合、もちろん下取りをしてもらう人がほとんどでしょう。
しかし実際は、もともと下取りがなくても、そのディーラーでは30万円近くまで単独で値引きが可能であることが多くあります。
このようなマジックに引っかかると、クルマを高く売れないばかりか、新しいクルマの購入金額も安くならず、ダブルで損してしまうことにもつながりかねません。
新車値引きに惑わされた下取りを選ぶと事故車を高く売却できない
クルマを新しく購入する際に、事故車を下取りに出すと値引きは大きくなると言われても、実際は、買取店に売却したほうが高額で売却できることがほとんどです。
クルマを下取りに出してしまえば、現金は全く手に入りません。そのため、事故車を下取りに出しても、そのお金で何か他のモノを買うことはできません。
しかし買取店で売却すれば、新しく買うクルマに投入する金額と、その他の商品を購入するお金として分けて考えることもできます。
また、営業マンから「今なら事故車を高額で下取りして新しいクルマに充当できる」と言われても、実際に買取店で査定したほうが高額査定となることが多く見られます。
まとめ
事故車には、修理して乗っている事故車と、事故を起こして修理できずに置いてある事故車の2通りがあり、それぞれにあった方法で売却する必要があります。
それぞれに合った方法で事故車を売却すれば、高く売ることも可能でしょう。
事故車は、一般のクルマに比べて査定は低くなるので、できるだけ多くの業者に査定依頼することも高く売る秘訣です。
ただし、間違ってもやってはならないことが事故歴を隠すことです。事故歴を隠すより正確に修理箇所を伝えたほうが、より高い値段で査定される場合も多くあることを、忘れないようにしましょう。
