2022年1月2日に「ダカールラリー2022」がサウジアラビアで開幕する。アウディはこの世界一過酷なクロスカントリーラリーに「アウディ RS Q e-tron」で参戦するが、ラリー開幕を前にそのコクピットの詳細が公開された。スクリーンやディスプレイがインストルメントパネル全体に広がり、ドライバーとコドライバーはここから得た情報に基づき、何千kmもの砂漠を走破する。

アウディ RS Q e-tronのコクピットは意外や快適なものに仕上がっている

ル・マン24時間耐久レースで13回の優勝を誇るスポーツカーレースの王者アウディは、2022年のダカールラリーに挑戦することを表明している。

アウディがダカールラリー制覇に向けて開発したのが、革新的なドライブコンセプトを備えた電動化ハイテクSUV「アウディ RS Q e-tron」。電動ドライブトレーンと効率的なエネルギーコンバーターで内燃エンジン搭載モデルと戦い、世界でもっとも過酷なラリーでの総合優勝を目指している。

ル・マン24時間耐久レースでは最先端の空力効率が要求されたが、砂漠を走るプロトタイプでは電気エネルギーの効率や冷却など、これまでとは違った性能が重要となる。まさしくアウディならではの、電動化ハイテクの、未来の技術の実験室だ。

画像: モロッコで事前テストを順調に重ねるアウディ RS Q e-tron。3基のモータージェネレーターを搭載。これはフォーミュラEマシン用に開発されたもので前後アクスルに1基ずつ、そしてもう1基は砂漠には充電ステーションがないためTFSIエンジンと組み合わせてバッテリー充電用に使用する。

モロッコで事前テストを順調に重ねるアウディ RS Q e-tron。3基のモータージェネレーターを搭載。これはフォーミュラEマシン用に開発されたもので前後アクスルに1基ずつ、そしてもう1基は砂漠には充電ステーションがないためTFSIエンジンと組み合わせてバッテリー充電用に使用する。

では、そのコクピットはどうなっているのか。

まず、ドライバーの正面にあるステアリングホイールには8つのコントロールボタンが設置されている。右上がデータ入力、インターコム切り替え、ワイパー、右下にドライビングモード切り替え。左上にインジケーター切り替え、ホーン、ウオーニング切り替え。左下にスピードリミッター設定ボタンだ。データ入力はドライバーがタイムスタンプ付きで異常をメモリーに保存することに使うもの。スピードリミッターは速度制限が設定されているゾーンで使用する。

ステアリングホイール前方のディスプレイには、タイヤ空気圧、連続可変電気駆動システムのシフトポジション、現在の速度に関する情報などが提供される。また、システムのシャットダウンが差し迫る場合や高電圧バッテリーが切断された場合にドライバーがすぐに対応できるように、重要な警告も表示される。

フロントウィンドー手前に取り付けられた2つの小さなディスプレイには、左側がコンパスの方向、右側に走行速度が示される。

画像: 詳細な機能説明が入った公開されたアウディ RS Q e-tronのコクピットのイラスト。

詳細な機能説明が入った公開されたアウディ RS Q e-tronのコクピットのイラスト。

画像: 実際のアウディ RS Q e-tronのコクピット。アップダウンの激しい砂漠を超高速で長時間走り続けるため、快適に扱えるように設計されている。

実際のアウディ RS Q e-tronのコクピット。アップダウンの激しい砂漠を超高速で長時間走り続けるため、快適に扱えるように設計されている。

ドライバーとコドライバーの中央に設置されたディスプレイには、タイヤ空気圧、選択したブレーキバランス、ブレーキバイワイヤーシステムなど、走行機能に関する情報が表示される。この情報はシステムが正常に動作している場合は緑色で点灯、エラーが発生した場合は赤色で警告表示さる。

ダッシュボードの下にある24のタッチ式のスイッチには自由にさまざまな機能を設定することができる。たとえば、速度制限、エアコンディショナーなどのプログラムを設定することが可能で、車両に損傷が発生した場合など緊急モードでステージの目的地まで安全確実に到達するモードもある。

24のタッチ式のスイッチの操作はコドライバーの仕事だが、起伏の激しい地形を超高速で走行する中で完璧に行なう必要があるため、操作ミスが少なくなるように設計されている。

コドライバーの前には2つのタブレット画面が備えられるが、左側のタブレットにはロードブック、右側のタブレットにはGPSナビゲーションが表示される。

昨年までステージのルートは前日の夜に発表されていたが、今回からその日のルート情報は毎朝ステージ開始の15分前にデジタルロードブックとして受け取ることになった。これはアウディにとってアドバンテージとなりそうで、ステファン・ペテランセルのコドライバーであるエドゥアール ブーランジェは「現在、私はエネルギーの半分をナビゲーションに費やし、残りの半分は車両の操作に費やしています。しかし、私はこの新しいチャレンジをとても気に入っています」と語っている。

エネルギーコンバーターを備えたRS Q e-tronの電気駆動システムは、連続可変で完璧にコントロールされるためセレクターレバーがなく、コクピットの中央のアルミニウム製ハンドブレーキレバーにも、油圧ブレーキと回生システムを組み合わせた革新的なブレーキバイワイヤーシステムが組み合わされている。ハンドブレーキを引くと、フットブレーキを操作する場合と同様に、エネルギーを回生できる仕組みだ。

さて、アウディ RS Q e-tronはダカールラリー2022でどんな走りを見せるのか。アウディ RS Q e-tronは新たに創設されたT1アルティメットクラスから3台体制で参戦。ドライバーは、前年王者ステファン・ペテランセル、カルロス・サインツ、マティアス・エクストロームという強力な布陣でのぞむ。

ダカールラリー2022は、2022年1月2日にサウジアラビア・ジェッダで開幕、サウジアラビア国内の砂漠を巡り、1月14日(金)に再びジェッダに設けられたゴールに帰ってくる。

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