Z31型フェアレディZは1983年に登場した。初代のS30型は名車の誉れが高かったが、2代目のS130型は、ラグジュアリーさが増したことに加え、排出ガス規制の狭閒で牙を抜かれた感がぬぐえなかった。続く3代目として大きな期待の中で登場したのがZ31型といえる。ここでは2月15日に発売された【GTmemories8 Z31フェアレディZ】から抜粋して、その魅力をお届けしよう

300ZRはV6 SOHC12バルブからV6 DOHC24バルブとなり、エクステリアも洗練

画像: 曲面を生かしてグラマラスになったフロントビュー。パラレルライズアップリトラクタブルランプも曲面になった。

曲面を生かしてグラマラスになったフロントビュー。パラレルライズアップリトラクタブルランプも曲面になった。

Z31型フェアレディZが、VG30ET(およびVG20ET)、RB20DETに加え、3基目のエンジンを得たのが1986年10月だ。搭載されたエンジンは3LのV6DOHC24バルブのVG30DE。それまでのベースであったVG30EのSOHC12バルブからの根本的な変更となった。

ライバルがどんどん4バルブDOHCエンジンを搭載してきた1980年代後半。V6とはいえSOHCエンジンは、やはりローテク感を拭えなかったための対策でもある。この時、ターボによる過給はなかったが、吸排気系の最適なチューニングをすることによりナチュラルアスピレーションらしい高回転域での出力向上を図っている。

画像: 流麗なスタイリングをベースにグラマラスさを増した300ZR。ショートホイールベースが際立つ。

流麗なスタイリングをベースにグラマラスさを増した300ZR。ショートホイールベースが際立つ。

エクステリアも大きく変わった。もともとの流麗でダイナミックなスタイリングを基本にしつつ、張りのある面構成、大きく張り出したグラマラスフェンダーとし、力強さと風格を高めた。ボンネット、フロントフェイシャーとフェンダーを連結した曲面で構成したことによりフロントビューも力強くなった。

インタークーラーが不要となったために、エアインテークが廃され、パワーバルジが設けられた。

サスペンションは、フロント・ストラット、リア・セミトレーリングアーム形式を引き続き採用しつつ熟成している。基本的にはハードな方向だ。さらに4WS(4輪アンチスキッド)を採用し、新パワーユニットに見合った制動性能を確保した点も、現代的になったところだ。

さらに1988年にはそれまでの60偏平から50偏平タイヤに加え、ビスカスLSDがオプション設定となる小変更を受け、1989年にZ31型フェアレディZは生産終了を迎えることになる。

日産 Z31 フェアレディZ 300ZR 主要諸元

●全長×全幅×全高:4405×1725×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1450(1450)kg
●エンジン:V6 DOHC
●排気量:2960cc
●最高出力:190ps/6000rpm
●最大トルク:25.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●車両価格:361.6(375)万円 ※1986年当時

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