最大のポイントは「薄さ」
MT-Gシリーズは「METAL TWISTED G-SHOCK」の略で、金属と樹脂が絡み合い融合する革新的なG-SHOCKとして1999年11月に初代「MT-G GC-2000」が誕生した。今回発表された新型「MTG-B3000」は、新開発のモジュールと耐衝撃構造を備えることで、従来モデル(MTG-B1000)と比較してケース厚で2mm以上の薄型化を実現した耐衝撃ウオッチだ。
高密度実装技術により、G-SHOCKのソーラークロノグラフでは最薄のモジュールを実現する。さらに、新たな耐衝撃構造も採用。これは薄型を追求してきたOCEANUS(オシアナス)モデルをベースにしているという。
カーボン繊維強化樹脂ケースでモジュールを保護し、外側をメタルパーツで覆うことでメタルの質感を維持しながら軽量化を図った「デュアルコアガード構造」を進化。裏蓋がケース側面まで覆い、モジュールを保護する構造を備えている。ステンレススチールの裏蓋は何工程ものプレス、切削、研磨を経て立体的な形状にし、ケース側面まで覆うことで、りゅうず・ボタンの保護やラグの役割を持たせている。部品点数も少なくすみ、それにより小型化を実現し耐衝撃にも有利に働く構造になっている。
機能面では、標準電波受信機能に加え、Bluetoothによるモバイルリンク機能を搭載。専用スマホアプリ「CASIO WATCHES」と接続し自動で正確な時刻情報に修正する。また、ソーラー充電システムや高輝度なLEDライトも備えたほか、ワンプッシュ式交換バンドの採用により、治具を使うことなく簡単にバンド交換可能な新構造を開発し、実用性も確保している。
今の時代にあったG-SHOCK
MTG-B3000の発表会で、カシオ計算機 技術本部 開発推進統括部 プロデュース部 第一企画室長 齊藤慎司氏が商品説明を担当した。MTG-B3000のコンセプトについて聞かれた齊藤氏は、「薄型でオン・オフでも使える時計を目指したが、コロナ禍の影響でオンが少なくなってしまった。ジャケットスタイルのカジュアルな服装でも映える今の時代にあった時計をコンセプトに制作した」とコメント。
MTG-B3000に関する苦労について同氏は、「カシオには世界中で待ってくれる方が多いので、数多くの生産をしなければいけない。複雑な構造でも作りやすくするのに苦労した」という。
MTGシリーズの今後については、「構造を変えるからデザインも変わる、これはG-SHOCKの使命で、今後も驚かれるような新しいものを作っていくのがMTGだと思っている」と力強く語った。
発表会に同席したカシオ計算機 営業本部 マーケティング統括部 時計マーケティング部長 上間 卓氏はマーケティング面に関して、「2023年にG-SHOCKが50周年を迎える。幅広い世代の方に使っていただいているが、G-SHOCK世代である40代のコアなファンを中心に盛り上げていきたい」とコメントしている。2023年は記念すべき年になるG-SHOCK。目が離せない時期が続きそうだ。
カシオ G-SHOCK MTG-B3000 仕様
構造 | TRIPLE G RESIST(耐衝撃性能、耐遠心重力性能、耐振動性能) |
防水性 | 20気圧防水 |
受信電波 | JJY(日本):40 kHz(福島局)/ 60 kHz(九州局)、WWVB(アメリカ):60 kHz、 MSF(イギリス):60 kHz、DCF77(ドイツ):77.5kHz、BPC(中国):68.5kHz |
電波受信方法 | 自動受信(最大6回/1日、中国のみ最大5回/1日)、手動受信 |
通信仕様 | Bluetooth low energy(通信規格)、~2m(通信距離) |
ストップウオッチ | 1秒、24時間計、スプリット付き |
タイマー | セット単位:1分、最大セット:24時間、1秒単位で計測 |
その他の機能 | モバイルリンク機能(自動時刻修正、簡単時計設定、ワールドタイム約300都市、携帯探索機能、時計ステータス表示、セルフチェック)、針位置自動補正機能、 時刻アラーム、デュアルタイム(27タイムゾーン、サマータイム自動設定機能付き、ホームタイムとの時刻入替機能付き)、パワーセービング機能、 バッテリーインジケーター表示、フルオートカレンダー、LEDライト(スーパーイルミネーター、残照機能付き)、日付・曜日表示 |
使用電源 | タフソーラー(ソーラー充電システム) |
連続駆動時間 | パワーセービング状態の場合:約18カ月 |
大きさ | 51.9×50.9×12.1mm |
質量 | MTG-B3000B-1A:約111g/MTG-B3000BD-1A・MTG-B3000BD-1A2:約148g |