第50回という記念すべき節目を迎える2022年の「ニュルブルクリンク24時間レース」は、例年にも増して見どころの多いイベントになりそうだ。もちろん総合優勝を巡る争いにも興味津々だけれど、強豪スバルの前に、新たな強敵?が立ちふさがるかもしれない。およそ10年ぶりにニュルに帰ってきたそのマシンは、およそ「MINI」らしからぬ挑戦的なオーラをまとっている。さてさてこれはいったい何者ぞ??

スモールカーセグメントとしてはトップクラスのラップタイム

ニュルブルクリンク24時間レース「ADAC TOTAL ENERGIES 24H NÜRBURGRING」に、3年ぶりにチャレンジする「SUBARU WRX STI NBR Challenge 2022レースカー」の前に、強敵が現れた。同じSP3Tクラスに参戦するMINI John Cooper Works(ジョン クーパー ワークス)だ。

画像: 調整可能なリアウィング、完全に覆われたアンダーボディ、リアディフューザー、フロントスプリッターなど、空力特性を大幅に向上させている。

調整可能なリアウィング、完全に覆われたアンダーボディ、リアディフューザー、フロントスプリッターなど、空力特性を大幅に向上させている。

2Lまでのターボユニットを搭載した市販車ベースのレースマシンが覇を競うこのクラスだが、、近年はスバルにとってライバル不在の状態になっていた。2011年と2012年、2015年と2016年、そして2018年と2019年にそれぞれ2年連続でのクラス優勝を果たしている。

一方、MINI John Cooper Worksとしては最強市販型である「GP」が2019年、ニュルブルクリンクで8分切り(プロトタイプで7分56秒)を記録。レース仕様とは言え最高出力306ps/最大トルク450NmのスモールサイズFF車としては圧巻のタイムをたたき出している。

GP譲りのハイスペックに、レーシング仕様の強化を施す

画像: 減衰特性などを調整可能なレーシングサスペンションに換装。‎‎すべての可動シャーシとサスペンション部品は、強化ユニボールベアリングに置き換えられている。

減衰特性などを調整可能なレーシングサスペンションに換装。‎‎すべての可動シャーシとサスペンション部品は、強化ユニボールベアリングに置き換えられている。

今回の参戦車もエンジンスペックは同様で、8速ステップトロニックをコンビ。機械式のデファレンシャルは、最大70%のロック効果を与え強力なトラクションを生み出す。ほかにレギュレーションをクリアするための安全装備装着や、レーシングスペックのサスペンション、エキゾーストシステム、ブレーキコンポーネンツなどが装備されている。

参戦チームは、Bulldog Racing。ノルドシュライフェ至近に拠点を持つ「ニュルブルクリンク・スペシャリスト」のフリードヘルム・テーレン氏が代表を務める。今後数週間の間に、ノルドシュライフェと南フランス ミラマスにあるBMWグループのテストセンターで、熟成が進められる予定だ。ドライバーなどはまだ発表されていない。

2011年仕様ではスバルに後塵を浴びることに。雪辱なるか

ちなみにニュルブルクリンク24時間レースに参戦したMINIと言えば、やはり2011年に登場したMINI John Cooper Works Coupe Enduranceが印象深い。ラインナップに加わる直前だったMINI Coupeをベースに新たに開発されたこのレースマシンは、1.6L 直4ターボで250ps/330Nmを発生。最高速度は240km/hを誇った。

画像: 2021年にニュル24時間に参戦したクーペベースのレースモデル。ゴーカートフィーリングをさらに高めているという。

2021年にニュル24時間に参戦したクーペベースのレースモデル。ゴーカートフィーリングをさらに高めているという。

レース用にはロール・ケージなどの各種安全装備に加えて、MINI Challenge レーシングから採用した レース仕様のABS を備えたブレーキ・システムやサーキット走行に最適化されたDSCダイナミック・スタビリティ・コントロールを備えていた。

参戦クラスは今回と同じくSP3Tで、クラス優勝はスバルWRX STI。MINIは11位完走を果たしているものの、結果的には「残念」なものだった。とはいえそれからもMINIはJohn Cooper Worksのブランドとともに、そのパフォーマンスに圧倒的な磨きをかけている。

果たして、10年ぶりの雪辱はなるか? スバルとの見ごたえある激闘を期待したい。

This article is a sponsored article by
''.