波乱の予選でも、危なげのないフェルスタッペン
土曜日は朝から雨で、予選は完全なウエットコンディションの中で始まった。空は明るくなり始めているものの、気温は12度と低く、路面温度も17度しかない。
徐々に路面が乾き始める中、予選は波乱含みの展開になっていく。パワーユニット交換によるグリッド降格が決まっているルクレールはQ2をキャンセル。そのQ2ではセルジオ・ペレス(レッドブル)がターン3でクラッシュして赤旗中断。これでペレスのQ2敗退が決まると、再開後にはランド・ノリス(マクラーレン)もエンジントラブルで脱落した。
ルクレールとペレスがQ2で姿を消す中、Q3はフェルスタッペンとサインツの一騎討ちになっていくが、最後のアタックでフェルスタッペンが1分21秒299の驚異的なトップタイムをマーク。サインツに0秒987の大差をつけてポールを確定した。
ところが予選はこれだけで終わらず、最後にアロンソがサインツを上回るタイムを記録してフロントロウを獲得することになる。予選トップ3にフェラーリとレッドブル以外のドライバーが入ったのは今季初めてだ。
もうひとり、予選で注目されたのはジョージ・ラッセル(メルセデス)。チームメイトのルイス・ハミルトンを上回るタイムを連発するラッセルは、まだ水たまりが残る中、Q3の最後のアタックでは逆転ポールを狙ってソフトタイヤで果敢にチャレンジ。結果的にはスピンを喫して順位を下げたが、予選をとおしての走りは素晴らしかった。
タイヤを供給するピレリは「トラックは急速に乾き始めていましたが、予選は一部濡れている所もあり、ドライバーのスキルが試されるエキサイティングな展開になりました。日曜日の決勝はドライになると予想されますが、土曜日の雨でラバーが流されて通常よりも路面は滑りやすくなっていると思われます。このサーキットはピットストップのロスが少ないのですが、やはり1ストップが基本となるでしょう。ミディアム→ハードが最速と予想されますが、ソフト→ハード、あるいはセーフティカーを活用すべくハード→ミディアムの戦略をとるチームもあるかもれません」と分析している。
決勝が行われる日曜日の路面は、ドライコンディションを予想されているが、フェルスタッペンが一気に抜け出すのか、後方から巻き返しを狙うルクレールとペレスがどんな走りを見せるのか、アロンソ、ラッセルが波乱を巻き起こすのか、注目したい。決勝(70周)は日本時間6月20日03時(現地19日14時)に開始される。
2022年F1第9戦カナダGP予選 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 1:21.199
2位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) 1:21.944
3位 55 C.サインツ(フェラーリ) 1:22.096
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:22.891
5位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)1:22.960
6位 47 M.シューマッハー(ハース・フェラーリ) 1:23.356
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) 1:23.529
8位 63 G.ラッセル(メルセデス) 1:23.557
9位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)1:23.749
10位 24 Z.ガンユ(アルファロメオ・フェラーリ)1:24.030
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13位 11 S.ペレス(レッドブル)
15位 16 C.ルクレール(フェラーリ)
16位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)
20位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)