2022年7月1日、F1第10戦イギリスGPがノーザンプトンシャーのシルバーストン・サーキットで開幕する。レッドブル優位でシーズンが進んでいるが、ここからフェラーリがどう挽回していくのか、レッドブルとフェラーリの2強に迫りつつあるメルセデスの動きも注目される。

フェラーリにとっては正念場。メルセデスの動向も気になる

レッドブルとフェラーリの2強対決となっている今季2022年のF1シーズンだが、9戦を終えた時点でレッドブルのマックス・フェルスタッペンが早くも6勝をあげて独走体制に入ってきた。シャルル・ルクレールが6度のポールポジションを獲得するなどフェラーリが速さを見せるものの、なかなか勝利に結びつけることができず、今季まだ2勝にとどまっているためだ。

画像: シルバーストンは1950年にF1世界選手権としての初のグランプリが開催されたサーキット。元イギリス空軍飛行場の跡地に勝手に忍び込んでレースを行ったのが始まりとされる。

シルバーストンは1950年にF1世界選手権としての初のグランプリが開催されたサーキット。元イギリス空軍飛行場の跡地に勝手に忍び込んでレースを行ったのが始まりとされる。

フェラーリにとっては、このままレッドブルの独走を許すわけにはいかないところで、ここは正念場となる。シーズンも中盤戦、イギリスGPは今後の行方を占う重要な1戦となりそうだ。

メルセデスの復活にも注意が必要だ。イギリスGP通算8勝、現在3連覇中のルイス・ハミルトンが得意のサーキットでどんな走りを見せるのか。チームメイトのジョージ・ラッセルにとっても母国GPとなる。

2022年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)175
2位 S.ペレス(レッドブル)129
3位 C.ルクレール(フェラーリ)126
4位 G.ラッセル(メルセデス)111
5位 C.サインツ(フェラーリ)102
6位 L.ハミルトン(メルセデス)77

2022年コンストラクターズランキング(第9戦終了時)

1位 レッドブル 304
2位 フェラーリ 228
3位 メルセデス 188
4位 マクラーレン・メルセデス 65
5位 アルピーヌ・ルノー 61
6位 アルファロメオ・フェラーリ 47
7位 アルファタウリ・レッドブル 27

そんな状況で迎える第10戦イギリスGPは、F1の名の下で最初に開催された伝統のあるイベント。その舞台となるシルバーストン・サーキット(Silverstone Circuit)は、第二次世界大戦で使われた元イギリス空軍飛行場の跡地に建設されたコースで、三角形をした3本の滑走路がそのままコースとして使われていることもあり、平坦で直線部分が長く、「超高速サーキット」として知られる。

超高速サーキットで抜け出すのは、誰か

とくにターン14へと続くハンガー(航空機格納庫)ストレート、マゴッツ、ベケッツ、チャペルと続く超高速コーナーが有名で、現在のレイアウトは低・中・高速のコーナーが混在しているものの、ダウンフォースが向上した現代のF1マシンではアクセル全開区間が多い。

画像: シルバーストン・サーキットのコース図。全長5.891kmはカレンダーの中で3番目に長い。コプス、マゴッツ、ベケッツ、チャペルなど有名なコーナーが並ぶ。

シルバーストン・サーキットのコース図。全長5.891kmはカレンダーの中で3番目に長い。コプス、マゴッツ、ベケッツ、チャペルなど有名なコーナーが並ぶ。

ただし、高速コーナーが多いことから後続車は乱気流の影響を受けやすく、追い抜きは意外と簡単ではない。「モータースポーツの聖地」と呼ばれる歴史あるコースだけに、1950年のF1世界選手権初開催から数えて10度の変更を経ているものの、ドライバーにとってもチームにとっても経験やデータは豊富なこともひとつの特徴となる。

英国特有の変わりやすく気まぐれな天気(ブリティッシュウェザー)もレースのポイント。風向きの変化も大きく、時にブレーキポイントや最高速などクルマのバランスに影響を与える。

ちなみに、昨年行われたスプリント予選のレースフォーマットは今年のイギリスGP では採用されず、土曜日午後に予選、日曜日午後に決勝レースが行われる。

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