楽勝モードのフェルスタッペン不運、デブリを踏んで大幅ペースダウン
ドライバーズ選手権で首位を独走し、今回もレース序盤で主導権を握ったマックス・フェルスタッペンに、まさかのアクシデントが待っていた。
上位陣で唯一ソフトタイヤで臨んだスタートでの見事な首位奪取劇は、後方集団のマルチクラッシュによる赤旗中断で水泡に帰したが、2回目のスタートでも予選グリッドままの2番手をキープ。10周目にサインツがリアのコントロールを失ってコースオフしたことで首位に立ち、そのままリードを広げつつあった矢先の13周目、フェルスタッペンはデブリによるフロアの損傷からリアのグリップを失って大きくペースダウンしてしまったのだ。
フェルスタッペンは首位を明け渡したばかりか、その後のレースでもまったくペースが上がらずに7位に終わった。
優勝争いを左右したセーフティカー、サインツが悲願の初優勝を達成
フェルスタッペンの後退後、サインツ、シャルル・ルクレールのフェラーリ2台とハミルトンのメルセデスによる戦いとなった優勝争いは、レース後半、39周目に出たセーフティカーによって大きく動いた。
ステイアウトした首位のルクレールに対し、2番手のサインツ、3番手のハミルトン、そしてスタート直後の接触による後退から猛挽回していたペレスらは、ピットインしてソフトタイヤに交換。
残り10周の勝負となった最終スティントではまずサインツがルクレールをあっさりとかわして首位を奪回。ルクレールはその後も激しい抵抗を見せるも、最終的にはペレスとハミルトンにも抜かれて4位まで順位を落としてフィニッシュした。
サインツは後方の争いを尻目にリードを広げてトップチェッカー、2位にはレッドブルのストレートスピードを活かしてペレスが入り、3位がハミルトンとなった。
ついにF1初優勝を達成したサインツは「素晴らしいこの日を一生、忘れることはないだろう。最初のミディアムタイヤでのスティントはバランスが悪くてミスもしたけど、我慢していたらセーフティカーでチャンスがきた」と満面の笑顔。
波乱続きのレースの結果、ドライバーズ選手権はペレスとルクレールがフェルスタッペンとの差をわずかに詰め、コンストラクターズ選手権でもフェラーリがレッドブルとの差を縮めている。
タイヤを供給するピレリは「1周目の赤旗とレース終盤のセーフティカーがレースに大きな影響を与えました。トップ4の間で3つの異なる戦略が見られ、息を呑むような戦いが展開されました。終盤トップに立っていたルクレールにとっては不運な展開で、後続がセーフティカー中にタイヤ交換のためにピットインしてソフトタイヤに交換しましたが、ルクレールはそのままハードタイヤで走り切っています」とレースを分析している。
次戦第11戦オーストリアGPは、7月8日、シュピールベルグのレッドブルリンクで開幕、7月10日に決勝が行われる。
2022年F1第10戦イギリスGP決勝 結果
1位 55 C.サインツ(フェラーリ)52周
2位 11 S.ペレス(レッドブル)+3.779s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+6.225s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+8.546s
5位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+9.571s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+11.943s
7位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)+18.777s
8位 47 M.シューマッハ(ハース・フェラーリ)+18.995s
9位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+22.356s
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+24.590s
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14位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+40.910s
リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)
ファステストラップ: 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:30.510
2022年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)181
2位 S.ペレス(レッドブル)147
3位 C.ルクレール(フェラーリ)138
4位 C.サインツ(フェラーリ)127
5位 G.ラッセル(メルセデス)111
6位 L.ハミルトン(メルセデス)93
2022年コンストラクターズランキング(第10戦終了時)
1位 レッドブル 328
2位 フェラーリ 265
3位 メルセデス 204
4位 マクラーレン・メルセデス 73
5位 アルピーヌ・ルノー 67
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51
7位 アルファタウリ・レッドブル 27